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1章
プロローグ
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美しい月が輝き、夜の街には艶やかな声が聞こえる。明るい道を一歩逸れると暗く荒み汚れたスラムへと繋がる。
そんなスラムの道端で身を隠すように草臥れた毛布にくるまり背中合わせに座り込んで暖をとる。
真冬の外気の凍える寒さの中あいつは、アルはいつものように話しかけてきた。
「ねえねえ、ルディ!」
「なんだよ、アル…。」
「俺さ~、ルディに、俺だけが居ればいいと思うんだ。そうだよ。ルディには俺しかいらないんだ。」
「は?なんだよ、急に、意味わかんね。寝ぼけてんのか?」
アルの白に近い銀色の髪は手入れをされてなくて前髪が伸びっぱなしになっている。その前髪の隙間から見えるアルの真っ黒い瞳は何を考えているのかよくわからなかった。
「だからね?俺が言いたいのは、ルディはさ、俺以外の友達を作らなくていいんだよ。俺だけの友達なんだよ!」
「本当にどうしたんだよ急に。はあ、まずさ、俺はお前のじゃないし、それにさ、俺、裏切られるのはもう嫌だって知ってるだろ。お前とだってずっと一緒に居れるとは限らないじゃんか。」
「いるよ。俺はルディから離れない。俺がルディといるからさ。ルディも俺といてよ。独りぼっち同士さ、ずっと一緒にいようよ。」
「…どうだかな。」
「こっちむいてよ。ルディ。」
俺の正面に回り込んだアルは冷たい両手で俺の両頬を包み込み俺と目を合わせる。
アルの綺麗な黒い瞳に俺の嫌いな、俺の顔が見えた。
「ねえルディ。」
「なんだよ。」
「俺さ、ルディのことほんとうに好きなんだ。愛してるんだよ。」
「は…?な、なんだよ急に。お前本当にどうしたんだよ!」
「ねえ、ルディ。俺さ、ルディが大好きなんだ。だからね純粋な人間じゃないからって一生懸命関わろうとしても酷いこと言われるルディを見たくないんだ。」
「.........」
「ルディ、俺の大切なルディ。俺はルディを本当に好きなんだ。ねえルディ。俺だけを見て。俺だけを信じて。そうしたら、幸せだから。ルディを傷つける人間は俺がルディに近づけないから。ね?」
意味のわからない俺はアルの顔を呆然と見ていた。言いながら笑うアルは何処かいつもと違った気がした。いつもより、怖いと思った。
「だからルディ。俺以外を信じちゃダメだよ。」
そういったお前は
今俺の隣にいないじゃないか
そんなスラムの道端で身を隠すように草臥れた毛布にくるまり背中合わせに座り込んで暖をとる。
真冬の外気の凍える寒さの中あいつは、アルはいつものように話しかけてきた。
「ねえねえ、ルディ!」
「なんだよ、アル…。」
「俺さ~、ルディに、俺だけが居ればいいと思うんだ。そうだよ。ルディには俺しかいらないんだ。」
「は?なんだよ、急に、意味わかんね。寝ぼけてんのか?」
アルの白に近い銀色の髪は手入れをされてなくて前髪が伸びっぱなしになっている。その前髪の隙間から見えるアルの真っ黒い瞳は何を考えているのかよくわからなかった。
「だからね?俺が言いたいのは、ルディはさ、俺以外の友達を作らなくていいんだよ。俺だけの友達なんだよ!」
「本当にどうしたんだよ急に。はあ、まずさ、俺はお前のじゃないし、それにさ、俺、裏切られるのはもう嫌だって知ってるだろ。お前とだってずっと一緒に居れるとは限らないじゃんか。」
「いるよ。俺はルディから離れない。俺がルディといるからさ。ルディも俺といてよ。独りぼっち同士さ、ずっと一緒にいようよ。」
「…どうだかな。」
「こっちむいてよ。ルディ。」
俺の正面に回り込んだアルは冷たい両手で俺の両頬を包み込み俺と目を合わせる。
アルの綺麗な黒い瞳に俺の嫌いな、俺の顔が見えた。
「ねえルディ。」
「なんだよ。」
「俺さ、ルディのことほんとうに好きなんだ。愛してるんだよ。」
「は…?な、なんだよ急に。お前本当にどうしたんだよ!」
「ねえ、ルディ。俺さ、ルディが大好きなんだ。だからね純粋な人間じゃないからって一生懸命関わろうとしても酷いこと言われるルディを見たくないんだ。」
「.........」
「ルディ、俺の大切なルディ。俺はルディを本当に好きなんだ。ねえルディ。俺だけを見て。俺だけを信じて。そうしたら、幸せだから。ルディを傷つける人間は俺がルディに近づけないから。ね?」
意味のわからない俺はアルの顔を呆然と見ていた。言いながら笑うアルは何処かいつもと違った気がした。いつもより、怖いと思った。
「だからルディ。俺以外を信じちゃダメだよ。」
そういったお前は
今俺の隣にいないじゃないか
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