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第二十一話
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惑星ネメシスの地上都市、エクウス。その郊外の多目的野外スタジアムで、中断されたメイ・ローランのコンサートが再び行われていた。
フィードバックノイズの轟音。エフェクターのディストーションやディレイで歪まされた、のたうち回るような楽器の音。電飾のフルオーケストラが、狂気のスピードで駆けめぐる。
そしてその電子の轟音をバックに、メイ・ローランは無垢な天使の声で、囁くように歌った。地上を電子の色彩と音響で無限に変化させていきながら、少女は優しく、荘厳に、無慈悲に、愛を込めて、歌い続ける。
❖
ステージの背後のコントロールルームで、モニターを通してメイを見つめていたリンは、気配を感じて振り向く。薄暗いコントロールルームでモニターの明かりに浮かび上がったその影は、ビリーだった。
ふっ、とリンは微笑む。
「もう、姿を現さないかと思っていた」
相変わらず、夢から目覚めたばかりのように物憂げな顔で、ビリーは肩を竦める。
「さよならを、言いに来たんだ」
「そう」
メイは、どこか投げやりに、メイのステージを映すモニターを見ながら、言った。
「結局、ガイ・ブラックソルは、自分の恋人と一緒に死にたかっただけなのかもしれないわね」
ビリーは、気怠そうに頷く。
「おれには判るよ。死ぬ場所を見つける為に、やつは戦ったのさ。おれもやつと一緒で、死ぬべき時に、死にぞこなったからな」
「判らないわ」
リンは、真っ直ぐビリーを見つめる。その透明な瞳は汚れなく、ただ一途な思いだけがあった。
「わたしには、判らない」
ビリーは、物憂げに、微笑む。
「あんたにゃ、判らんよ」
リンは、少し笑った。
「又、何かあったら、呼び出してあげる。隠居生活も退屈でしょ」
ビリーは、恋人に愛を囁くように言った。
「今度呼び出したら、殺すぞ。いいな」
リンはけらけら、笑った。
「いいわ、もう虐めるのは、やめとく。可哀想だもんね」
ビリーは、振り向くと片手を上げ、闇の中へと消えていった。リンはモニターへ向き直る。
ステージでは、メイが歌い続けていた。
フィードバックノイズの轟音。エフェクターのディストーションやディレイで歪まされた、のたうち回るような楽器の音。電飾のフルオーケストラが、狂気のスピードで駆けめぐる。
そしてその電子の轟音をバックに、メイ・ローランは無垢な天使の声で、囁くように歌った。地上を電子の色彩と音響で無限に変化させていきながら、少女は優しく、荘厳に、無慈悲に、愛を込めて、歌い続ける。
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ステージの背後のコントロールルームで、モニターを通してメイを見つめていたリンは、気配を感じて振り向く。薄暗いコントロールルームでモニターの明かりに浮かび上がったその影は、ビリーだった。
ふっ、とリンは微笑む。
「もう、姿を現さないかと思っていた」
相変わらず、夢から目覚めたばかりのように物憂げな顔で、ビリーは肩を竦める。
「さよならを、言いに来たんだ」
「そう」
メイは、どこか投げやりに、メイのステージを映すモニターを見ながら、言った。
「結局、ガイ・ブラックソルは、自分の恋人と一緒に死にたかっただけなのかもしれないわね」
ビリーは、気怠そうに頷く。
「おれには判るよ。死ぬ場所を見つける為に、やつは戦ったのさ。おれもやつと一緒で、死ぬべき時に、死にぞこなったからな」
「判らないわ」
リンは、真っ直ぐビリーを見つめる。その透明な瞳は汚れなく、ただ一途な思いだけがあった。
「わたしには、判らない」
ビリーは、物憂げに、微笑む。
「あんたにゃ、判らんよ」
リンは、少し笑った。
「又、何かあったら、呼び出してあげる。隠居生活も退屈でしょ」
ビリーは、恋人に愛を囁くように言った。
「今度呼び出したら、殺すぞ。いいな」
リンはけらけら、笑った。
「いいわ、もう虐めるのは、やめとく。可哀想だもんね」
ビリーは、振り向くと片手を上げ、闇の中へと消えていった。リンはモニターへ向き直る。
ステージでは、メイが歌い続けていた。
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