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第八話
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首を傾げるMAYAに、甲賀が機嫌よく応える。
「無人ドローン戦闘機が出現し、有人戦闘機の時代は終わったと言われたんだがね。しかし、量子コンピュータが実用化されECMの制御に使用されると、まるでミノフスキー粒子を散布されたみたいにレーダーや遠隔制御が役立たずになることが判ったんだ」
MAYAは困惑を深めるが、甲賀はにこにこしている。MAYAが困った顔で問いを発した。
「ECMの影響化では、遠隔制御システム使えないだろ」
「そこでね、おれたちは量子テレポートを使いECMの影響を受けない遠隔制御を実現したんだ。ある意味サイコミュみたいなもんだよ」
むうと、MAYAは唸る。
「でも、自立式AIの無人戦闘機でいいんじゃないの?」
「まあね、そうかと思われてたんだか、量子リンク式ECMの影響化ではミサイルが使えないので、ドッグファイトしか戦闘手段がない。そうするとベテランパイロットの遠隔制御戦闘機は、AI制御のドローンより強いことが判ったんだ」
甲賀のどや顔を、MAYAは困った顔で見ている。おれはそこに割って入ることにする。
「おい、はやくやろうぜ」
おれはF15のブースに入り込んで、MAYAを誘う。
「やるって」
「きまってるじゃないか。こいつを使って対戦するんだよ。スーパードックファイトなんざ比べ物にならないリアルな対戦ができるぜ」
MAYAは問いかけるように甲賀を見る。甲賀は頷いた。
「鷹見にはアドバイザーとしてこの試験マシンを自由に使ってもらっている。君の意見も聞くことができればいいな」
MAYAはF4のブースへ向かう。
「F15は嫌いじゃなかったのか」
MAYAの言葉におれは肩を竦める。
「どうせおまえは、F4にしか乗らないんだろ」
MAYAが頷く。
「本当のところ私は、ファントムが戦闘機の中で一番美しいと思う」
おれは、少し驚いてMAYAを見る。
「ああ、確かにな。最新のF35みたいなステルス戦闘機は空気の壁を強引にぶち抜く感じだが、ファントムは違う。そう、空気の壁をすり抜けるような」
「まあ、何に乗ったところで恭平がこてんぱに負けるのは同じだけどね」
「おまえさあ」
おれはブース内のコックピットに座りながら、ため息をつく。
「メイウェザーだっておまえよりは謙虚だったぜ」
「誰それ?」
「誰でもいい。とにかく始めるぞ」
「ディスプレイが無いんだが」
「そのゴーグル型ディスプレイのついたヘッドギアを付けるんだ。ヘッドギアが脳内シナプス発火パターンを量子リンクでセンターサーバと同期するシステムになっている」
甲賀がMAYAの脇から説明を始める。だいたいはスーパードッグファイトと同じであるが、操作の精度や緻密さはスーパードッグファイトとは比べ物にならない。何しろむこうはゲームでこっちは本物を動かすためのシステムだからだ。
おれは、システムの起動をかけていく。ディスプレイに映像が映し出される。実際の国防隊の基地をモデルにした映像だ。映像もまた、ゲームとちがってリアルなものだ。
量子リンクの同期システ厶によって連携されるマシンの能力が桁外れに違う。臨場感はこちらが遙かに上だ。
「無人ドローン戦闘機が出現し、有人戦闘機の時代は終わったと言われたんだがね。しかし、量子コンピュータが実用化されECMの制御に使用されると、まるでミノフスキー粒子を散布されたみたいにレーダーや遠隔制御が役立たずになることが判ったんだ」
MAYAは困惑を深めるが、甲賀はにこにこしている。MAYAが困った顔で問いを発した。
「ECMの影響化では、遠隔制御システム使えないだろ」
「そこでね、おれたちは量子テレポートを使いECMの影響を受けない遠隔制御を実現したんだ。ある意味サイコミュみたいなもんだよ」
むうと、MAYAは唸る。
「でも、自立式AIの無人戦闘機でいいんじゃないの?」
「まあね、そうかと思われてたんだか、量子リンク式ECMの影響化ではミサイルが使えないので、ドッグファイトしか戦闘手段がない。そうするとベテランパイロットの遠隔制御戦闘機は、AI制御のドローンより強いことが判ったんだ」
甲賀のどや顔を、MAYAは困った顔で見ている。おれはそこに割って入ることにする。
「おい、はやくやろうぜ」
おれはF15のブースに入り込んで、MAYAを誘う。
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「きまってるじゃないか。こいつを使って対戦するんだよ。スーパードックファイトなんざ比べ物にならないリアルな対戦ができるぜ」
MAYAは問いかけるように甲賀を見る。甲賀は頷いた。
「鷹見にはアドバイザーとしてこの試験マシンを自由に使ってもらっている。君の意見も聞くことができればいいな」
MAYAはF4のブースへ向かう。
「F15は嫌いじゃなかったのか」
MAYAの言葉におれは肩を竦める。
「どうせおまえは、F4にしか乗らないんだろ」
MAYAが頷く。
「本当のところ私は、ファントムが戦闘機の中で一番美しいと思う」
おれは、少し驚いてMAYAを見る。
「ああ、確かにな。最新のF35みたいなステルス戦闘機は空気の壁を強引にぶち抜く感じだが、ファントムは違う。そう、空気の壁をすり抜けるような」
「まあ、何に乗ったところで恭平がこてんぱに負けるのは同じだけどね」
「おまえさあ」
おれはブース内のコックピットに座りながら、ため息をつく。
「メイウェザーだっておまえよりは謙虚だったぜ」
「誰それ?」
「誰でもいい。とにかく始めるぞ」
「ディスプレイが無いんだが」
「そのゴーグル型ディスプレイのついたヘッドギアを付けるんだ。ヘッドギアが脳内シナプス発火パターンを量子リンクでセンターサーバと同期するシステムになっている」
甲賀がMAYAの脇から説明を始める。だいたいはスーパードッグファイトと同じであるが、操作の精度や緻密さはスーパードッグファイトとは比べ物にならない。何しろむこうはゲームでこっちは本物を動かすためのシステムだからだ。
おれは、システムの起動をかけていく。ディスプレイに映像が映し出される。実際の国防隊の基地をモデルにした映像だ。映像もまた、ゲームとちがってリアルなものだ。
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