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絶対落としてみせるから!
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しおりを挟むどのくらい繋がったままでいたのか。
わからないけど、類くんもしばらく動きを止めて首筋に顔を埋めたままだった。
「あの……、類くん…」
「………なに」
「ぬ、抜いてくれないと、まだ当たってて気持ちいのがおさまんないから、抜いて欲しい」
そう言うと類くんはじろっと睨んで私の身体をやっと離してくれた。
グポ、と何ともいえない音と共に圧迫感が消えてお腹の中がスカスカになったようにさえ感じる。
顔を出したソレは何故かまださっきと変わらないくらいしっかり勃っていらして、ゴムに溜まった液体を一応視認したからイったっちゃイったんだと思う。
じゃあなんでまだこんな元気なんだ、これ。
「おい」
「はいっ?」
元気なソレに目を奪われていて類くんの視線に気がつかなかった。
おもむろに類くんが手を伸ばしてきて私は咄嗟に自身を庇う。
「も、もう今日は無理だからッ」
「……あ?」
思わずそう言うと、類くんは怪訝そうな顔をして私の奥に放り投げられていたガウンを取ってバサッと羽織った。
あ、なんだ、これ取りたかったのか。
「しねぇよ」
「…左様、ですか」
そしてなんだかんだちょっぴり残念がってる私。
私もベットの下に落ちていたガウンを着て類くんの隣にぴとっと座った。
「邪魔」
「さっきまであんなにくっついてたのに」
「…てかさ、あんた最初に俺には惚れないからとか言ってなかった?」
相変わらず迷惑そうな表情を浮かべて類くんは言う。
言った。
確かに言いました。
「うん。でも思ったよりもいい人そうだったから、もう惚れちゃったの」
なんで、とか。
そんなの知らない。
私だってわからない。
類くんはため息をついて立ち上がりシャワーを浴びに消えてしまう。
カーテンの向こう側の類くんに私は、
「類くん、私もっとがんばるからー!」
と言うと、黙れ、と小さく声が聞こえた気がした。
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