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自分が好きな自分って?

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「明子ー!食べに来たよ!」

「わあっ!皆ありがとう!」


店の半個室で手を振るのはキキ、その隣に翔太で、向かいには優斗とななが座ってた。


「今日ななはシフト入ってなかったんだっけ」

「うん。せっかくテスト明けだし皆と遊ぼっかなって」

「そかそか!」

「そーいえばめーちゃん、大学潜入は成功したの?」


翔太がやみつきキャベツをぼりぼり頬張りながらおかわりを求めてくる。

空いた皿を受け取りながら私は盛大に頷いた。


「先ほど一人暮らしのマンションまで到達しヤることヤってきた☆」

「さっすがビッチの星めーちゃんっ☆」

「おい何下品なこと馬鹿みたいに喋ってんだ」


こつん、と頭を叩かれて振り返ると、さっきまで私をむちゃくちゃにしてきた張本人の姿。


「わ!これが例のめちゃめちゃハイスペックな塩対応イケメン!」

「遠くで見るよりイケメンだなぁー」


ふむふむ、とキキと翔太は身を乗り出して類くんを眺めている。

類くんは遠くで見る?と訝しそうにしてるから、慌てて私は間に入り込んだ。


「る、類くん、ほら7番のお客さんが呼んでるみたいだからお願いしてもいいー?」


あはは、と笑ってお願いすると類くんはまたむすっとした顔で向かってくれた。

まさかこの2人に合コン現場を回してもらったなんてバレたらキレかねないからね、あの人。


「あいつと、もうヤったの?」


通路側に座る優斗が、隣に立つ私にぽつりと聞いた。

うん、と答えるとあっそ、と返される。

一体なんなんだと思っていると、


「そういえば彼の好みのタイプってどんななのか調査したの?」

「あ…いや、聞いてないかも」

「明子ってすぐ相手に染まりたがるじゃん?男もそういう女の子、嫌いじゃないと思うし、この際バシっと聞いちゃいなよ」


キキは私の恋の行方を楽しみにしているようで目を輝かせながら言った。

たしかに、いつも付き合ってからだけど相手に言われたりなんとなくで自分はそれに寄せていってた気がする。

類くんのタイプか…。

何か言われてみたら気になってきて、手が空いた類くんをちょんちょんとつついてみる。
 
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