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ふたりの秘密

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その頃俺はまだ麗華より少し身長が高いくらいで、写真で見た麗華の旦那は彼女より20センチくらい背が高くて、何か嫌だったのを覚えてる。

寝室は嫌だと言われた。

旦那に操を立ててるのか知らないけど、別にどこでしようが裏切ってることには変わらないと思う。
と言うかどうでもいい。なんでもいい。

そのままリビングのソファに彼女を押し倒す。

初めはここも嫌だと言われて思わず笑ってしまった。
じゃあどこならいいんだよって。


「…どこもだめだってば」


全く拒否してる感じのしない演出だけの彼女の手を絡め取ってキスを落とす。

こういうのを見てると女ってずるいよなと思う。

全部男のせいにする。私は悪くないって。

そう思っているのを分かってやる男も、大概かもしれないが。


彼女はしなれていないのか濡れにくかった。

というよりも俺も初めてだったし、今より経験が乏しかったからそれのせいもあったかもしれない。


「類、やだそれ…、い、いたい……っ」

「…ごめん」


下を指で触っても痛いと言われ、胸を触ってもくすぐったいと言われる。

一応人妻なのに全然慣れてなくてこっちも少し萎えてきた。

そんな俺の気持ちに気づいたのか、麗華は俺をぎゅっと引き寄せて抱きしめた。


「……旦那となんて、結婚して片手で数えられるくらいしかしてないの。慣れてなくてごめんね…」


そんな事を女に言われて、こっちも初めてとはいえ男として不甲斐なくてもう一度彼女にキスをする。

何度もキスして、できるだけ優しく触れてあげてクリも優しく時間をかけて撫でた。

気づけば外はもう暗くなっていて、麗華の反応も敏感に変わっていっていた。


「類……」


麗華は物欲しそうに俺を見つめて首に手を回して口付けた。

俺もそろそろいいかと彼女の解れたそこに、財布に入れていたゴムをつけてあてがう。


「なんでゴムなんて持ってるの」

「うるせえ。しなくていいのかよ」

「いいよ、私生理不順だから出来にくいもん」

「バカ」


童貞にそんな事を素で言ってきたから腹が立ってグッと力を入れる。


「ぃ……っ」

「痛い?」

「い、いや、びっくりしただけ。どうぞ」


どうぞって…、と2人で顔を合わせて少し笑ってしまった。

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