日常の中のゆるやかな死

芽子

文字の大きさ
上 下
6 / 15
からだのゆるやかな死

喫煙と副流煙でゆるやかな死

しおりを挟む
好きな人はいつも愛煙家。
祖父も父も。憧れの女社長も。先輩も。
お付き合いした人もタバコを吸っていた。

誰に聞いても好きな人や憧れの人がタバコを吸っていたから吸い始めたらしい。
休憩をしたいからタバコを始めたり、仲間と話を合わせるために始めたり。
やめられない人に聞くと切ないエピソードをよく聞くような気もする。

私はタバコが好きじゃない。
タバコを吸う人の口臭はドブの匂いってどこかで聞いたことがある。
本当か嘘かわからないけれど。
タバコ吸ってない人でも接客していて息苦しくなる人はいたから。

税金を代わりにたくさん購入した地域に払ってくれているからありがたいなと思っている。
タバコは嫌い。好きな人の寿命を確実に縮めるから。
ゆっくりと。しかも肺がんは息が苦しくて溺れるように死ぬらしい。
自身の身体になかなかのドS対応。
だけど、好きな人より早く死ねる副流煙なら寂しくないからいいかもしれない。
寿命を吸う人と近くにいる人と合わせているのかもしれない。

そういえば、間接的に煙を吹きかけられたことがある。
なんとも思ってない人にされるとひどい嫌がらせになるけれど、
好きな人から、男性から女性に向かってだとお前を抱くって意味があるらしい。
リアルでされたら好きな人でも嫌だけど、透明な空間を仕切る壁があれば
なんだかロマンチックでいいなと感じた。

副流煙(受動喫煙)
タール (ヤニ、発がん促進物質)  3.4倍
ニコチン (ゴキブリの殺虫剤の成分)2.8倍
一酸化炭素(酸素の運搬機能を妨げる)4.7倍
アンモニア(目を刺激)     46.0倍

(厚生労働省 「最新たばこ情報」参照)

ゆるやかに死に向かう行為。
成分を見るとやっぱり少しホラー。

しおりを挟む

処理中です...