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第二章 親父たち大陸横断する
親父たち、アンストッパブル4
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親父たちはブランドの町に向かう列車内から空を見上げていた。
クレイ一味が乗った機関車が爆発した何よりの証であるキノコ雲ができていた。
「うむ、やはり間に合わなかったようだな」
「教授。しかたがないであります」
「確かに、この列車には手動ブレーキもなかったし、それに代わるものもなかったから、止めるのに時間がかかってしまった」
「教授が気にする必要はないでござるけど、この列車はどうにかならないでござるか?」
「うむ、何が不満なのかね影」
「不満ではなく、なんで列車の両側に腕が生えて、赤ん坊のハイハイの如く両手で列車をうごかしているのかと聞いているのでござる!!もしも村正どのと会ったら間違いなく切り捨て御免でござる」
「た、確かに!!」
「肯定であります」
「うむ、影の言いたいこともわかるが、この列車を止めるために予想以上の時間がかかった上にすぐにでもブランドの町に行くためにも、手段はこれしかなかったのだよ。時間をかければ、この列車を機関車に改造できたんだが、そんな時間はなかったから、簡易動力としてゴーレムの腕をつけて列車を進ませることにしたんだよ」
「でも教授。この腕って、あのクレイ・スチームが作ったゴーレムの腕じゃないのか?」
「うむ、その通りだよブドウ。村正が切れて暴れた時に回収してリサイクルした」
「やはりあの時でありますか!」
「教授は抜け目がないでござるが、本当に大学教授なのか、あやしくなってきたでござる」
「自分も影の意見に一票であります」
「確かに!」
笑ってごまかす教授をよそにゴーレム列車は進んだ先に大の字で倒れている人がいた。
「教授。ストップでござる」
「誰か倒れているぞ」
「人命救助であります」
「うむ、わかった」
と、教授がゴーレム列車を止めようとしたが、腕の回転を加速させる方のレバーをうっかり引いた為、ゴーレム列車は急加速し、列車内の親父たちは全員転倒し、大の字で倒れている人は回転するゴーレム列車の腕に巻き込まれた。
すぐさま影は止まる方のレバーを引いたが、後の祭りだった。
「うむ、困ったことになったな」
「まさかブレーキとアクセル間違えるミスを異世界でしてしまうなんて!」
「自分たちのせいで被害者と遺族になんとお詫び申し上げればいいか、わからないであります」
教授、ブドウ、軍曹は人をひいたパニックで悲観していたが、影は冷静だった。
「三人とも人勝手に殺すのはよくないでござる。大の字になっていた人は偶然にも列車とゴーレムの腕の間の隙間にいたから、ケガもなく無事でござるよ」
影の冷静なツッコミに三人は気まずい沈黙で返す三人。
すぐさま人命救助が行われたが、大の字になっていた人を見て、親父たちは驚いた。
「む、村正どの。」
「なんで、こんな所で倒れているんだ?たしか暴走機関車を追っていたはずなのに?」
「うむ、予想だが体力、気力が尽きたのだろう」
「息はしているし、脈も正常だから大丈夫であります」
「でも、これで無理してブランドの町に行く必要がなくなったでござる」
「うむ、これでゆっくり列車を改造する時間ができた。このままだと目覚めた村正が我々ごと列車を斬られる可能性があるからな」
「肯定であります」
「今日はここで野宿だな」
そう言って野営の準備と列車の改造が始まり、村正が目覚めてのは次の日の朝であった。
「みんな、拙者の身に何がおきたんだ?」
目覚めた村正は記憶の一部を失っていた。
「きょ、教授なんだか、村正の様子がおかしくなっているぞ」
「うむ、推測だが、暴れ回った後遺症によるものだと思う」
「しかし、真実を話すのはまずいでござるよ」
「肯定であります」
動物の本能なのか、親父たちは村正に事実を話すのではなく、犯人一味であるクレイ・スチームのアジトが崩壊した時に頭を打って気絶したということにした。
「なるほどな。で、肝心のクレイ一味はどこに行ったんだ?」
「うむ、暴走列車に乗ってそのまま、ブランドの町に突撃して爆発したよ」(うむ、以外とばれないもんだな)
「そ、その通りだ」(本当に警察官とは思えないほど、あっさりとあんな嘘信じた)
「ブランドの町方面からキノコ雲が出たであります」(元の世界に帰った時に周辺の治安が心配であります)
「今回のクエストは失敗したが、事件は解決したでござるよ」(代わりに別の事件が発生したでござる)
村正以外の親父たちは元の世界に帰った時の事を考えると一抹の不安がよぎった。
「うむ、その話はそれくらいにして、奴らが廃棄した客車を改造して作ったベルト軌道型ゴーレム列車で我々の旅を続けることにしよう」
「そのとおりでありますな!!」
「目指すは北東。わしらの世界で言うところのニューヨーク」
「レッゴーでござる」
「みんな朝から元気だな?」
こうして親父たちは、ブランドの町をスルーして出発するのだが、このことが後々大きな勘違いをもたらすのだった。
一方のこちらはブランドの町。
暴走列車によって町の半分が破壊され、住民たちは困惑していた。
そこに線路もない所を親父たちの列車が通り過ぎていった。
後にブランドの町に調査官が派遣され、事件の主犯はゴーレム列車の生みの親であるクレイ・スチームとその一味と発覚されるのだが、現時点でクレイ・スチーム並びにボーガン・アースロールとその息子たちは行方不明である。
そのため、町の住民はあの列車に乗っていた奴らがクレイ一味だと思いこみ、復讐しようと考えるようになるのだが、それは別の機会に。
クレイ一味が乗った機関車が爆発した何よりの証であるキノコ雲ができていた。
「うむ、やはり間に合わなかったようだな」
「教授。しかたがないであります」
「確かに、この列車には手動ブレーキもなかったし、それに代わるものもなかったから、止めるのに時間がかかってしまった」
「教授が気にする必要はないでござるけど、この列車はどうにかならないでござるか?」
「うむ、何が不満なのかね影」
「不満ではなく、なんで列車の両側に腕が生えて、赤ん坊のハイハイの如く両手で列車をうごかしているのかと聞いているのでござる!!もしも村正どのと会ったら間違いなく切り捨て御免でござる」
「た、確かに!!」
「肯定であります」
「うむ、影の言いたいこともわかるが、この列車を止めるために予想以上の時間がかかった上にすぐにでもブランドの町に行くためにも、手段はこれしかなかったのだよ。時間をかければ、この列車を機関車に改造できたんだが、そんな時間はなかったから、簡易動力としてゴーレムの腕をつけて列車を進ませることにしたんだよ」
「でも教授。この腕って、あのクレイ・スチームが作ったゴーレムの腕じゃないのか?」
「うむ、その通りだよブドウ。村正が切れて暴れた時に回収してリサイクルした」
「やはりあの時でありますか!」
「教授は抜け目がないでござるが、本当に大学教授なのか、あやしくなってきたでござる」
「自分も影の意見に一票であります」
「確かに!」
笑ってごまかす教授をよそにゴーレム列車は進んだ先に大の字で倒れている人がいた。
「教授。ストップでござる」
「誰か倒れているぞ」
「人命救助であります」
「うむ、わかった」
と、教授がゴーレム列車を止めようとしたが、腕の回転を加速させる方のレバーをうっかり引いた為、ゴーレム列車は急加速し、列車内の親父たちは全員転倒し、大の字で倒れている人は回転するゴーレム列車の腕に巻き込まれた。
すぐさま影は止まる方のレバーを引いたが、後の祭りだった。
「うむ、困ったことになったな」
「まさかブレーキとアクセル間違えるミスを異世界でしてしまうなんて!」
「自分たちのせいで被害者と遺族になんとお詫び申し上げればいいか、わからないであります」
教授、ブドウ、軍曹は人をひいたパニックで悲観していたが、影は冷静だった。
「三人とも人勝手に殺すのはよくないでござる。大の字になっていた人は偶然にも列車とゴーレムの腕の間の隙間にいたから、ケガもなく無事でござるよ」
影の冷静なツッコミに三人は気まずい沈黙で返す三人。
すぐさま人命救助が行われたが、大の字になっていた人を見て、親父たちは驚いた。
「む、村正どの。」
「なんで、こんな所で倒れているんだ?たしか暴走機関車を追っていたはずなのに?」
「うむ、予想だが体力、気力が尽きたのだろう」
「息はしているし、脈も正常だから大丈夫であります」
「でも、これで無理してブランドの町に行く必要がなくなったでござる」
「うむ、これでゆっくり列車を改造する時間ができた。このままだと目覚めた村正が我々ごと列車を斬られる可能性があるからな」
「肯定であります」
「今日はここで野宿だな」
そう言って野営の準備と列車の改造が始まり、村正が目覚めてのは次の日の朝であった。
「みんな、拙者の身に何がおきたんだ?」
目覚めた村正は記憶の一部を失っていた。
「きょ、教授なんだか、村正の様子がおかしくなっているぞ」
「うむ、推測だが、暴れ回った後遺症によるものだと思う」
「しかし、真実を話すのはまずいでござるよ」
「肯定であります」
動物の本能なのか、親父たちは村正に事実を話すのではなく、犯人一味であるクレイ・スチームのアジトが崩壊した時に頭を打って気絶したということにした。
「なるほどな。で、肝心のクレイ一味はどこに行ったんだ?」
「うむ、暴走列車に乗ってそのまま、ブランドの町に突撃して爆発したよ」(うむ、以外とばれないもんだな)
「そ、その通りだ」(本当に警察官とは思えないほど、あっさりとあんな嘘信じた)
「ブランドの町方面からキノコ雲が出たであります」(元の世界に帰った時に周辺の治安が心配であります)
「今回のクエストは失敗したが、事件は解決したでござるよ」(代わりに別の事件が発生したでござる)
村正以外の親父たちは元の世界に帰った時の事を考えると一抹の不安がよぎった。
「うむ、その話はそれくらいにして、奴らが廃棄した客車を改造して作ったベルト軌道型ゴーレム列車で我々の旅を続けることにしよう」
「そのとおりでありますな!!」
「目指すは北東。わしらの世界で言うところのニューヨーク」
「レッゴーでござる」
「みんな朝から元気だな?」
こうして親父たちは、ブランドの町をスルーして出発するのだが、このことが後々大きな勘違いをもたらすのだった。
一方のこちらはブランドの町。
暴走列車によって町の半分が破壊され、住民たちは困惑していた。
そこに線路もない所を親父たちの列車が通り過ぎていった。
後にブランドの町に調査官が派遣され、事件の主犯はゴーレム列車の生みの親であるクレイ・スチームとその一味と発覚されるのだが、現時点でクレイ・スチーム並びにボーガン・アースロールとその息子たちは行方不明である。
そのため、町の住民はあの列車に乗っていた奴らがクレイ一味だと思いこみ、復讐しようと考えるようになるのだが、それは別の機会に。
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