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第一章 

1-79 クマとキリル姐さんとの交渉ネタは?!

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 突然現れたクマ。
そして、キリル姐さんを見るや土下座をするなんて...。

普通のクマならそんな事はしないはず...。
そんな事を思いながら様子を見ていると。

"クマー!クママクマッ!!!クマクマ!!"

と何やら訴え出した。

「仕方がないわね。アナタがそこまで言うなら今回は見逃してあげるわ。じゃぁー"約束"は守ってね?」

キリル姐さんがそう言うと、お姉さんを解放したのだった。

クマは深々とキリル姐さんに頭を下げて、お姉さんの元へとかけていった。

"クママクマ!!ククマ?"

お姉さんはクマに抱き抱えられて、森の奥へと消えていったのだった。

「仕方がない馬鹿弟子だわ。」

そう呟くキリル姐さん。

「あなた達。そろそろ帰るわよ。降りてらっしゃい。」

キリル姐さんに言われて、私達は素直に降りて行った。

「ふふふ。聞きたそうな顔ね。良いわ。帰りがてら話してあげるわね。」

そう言って、来た道を戻るキリル姐さん。

私達はクマとお姉さんが消えた方を一回だけ見て、先を歩くキリル姐さんの後を追った。

キリル姐さんは家に着くまでの道中、私達が聞きたかったであろう事を話ししてくれた。

土下座をしていたクマはあのお姉さんの『契約獣魔』だそうだ。

クマは、主人であるお姉さんを解放してくれたら、とっておきの蜂蜜を用意すると言ったそうだ。

あのクマが集める蜂蜜は特殊な蜂蜜で、老化防止や美白効果の高い物が多いのだとキリル姐さんが教えてくれた。

滅多に手に入らない貴重な物のため、キリル姐さんは今回クマの申し出を"心よく"承諾したとのことだ。

あのまま弟子をお仕置きという名のイビリをするより、蜂蜜の方が何倍も価値があるのだとか。

笑顔で語るキリル姐さん。

定期的にあのクマから蜂蜜を仕入れているから特に急ぎはしないが、本人からの申し出なので断るのは勿体無いでしょ?と言うのだった。

さすがキリル姐さん。

「それに。ここに住んでる限り、あの子とは会える機会があるのだから。
しかし、全く成長していないのもどうかと思うわ。
 あなた達も私の弟子なんだから、しっかりしてね。」

最後にとんでもない事を言い出すキリル姐さん。

えっ?!!と思ったが、決して口にはできなかった。

今日も沢山の森の恵みを持って帰って来た私達。

夕食時に今日森であった事を報告したら、何故か皆んな笑っていた。

どうやら私達兄弟以外、あのお姉さんの存在を知っていたようだ。

キリル姐さんも気付いていたが、今の今まで様子を伺っていたと言うのだ。

何と怖い大人達。

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