ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第一章

1-113 フレアの知られざる出生の秘密 ⑤

　ひょんな事から今まで一緒に生活して来たフレアの事を改めて知る事ができた。

まさかドラゴンと人間のハーフの父親とドラゴンとの間に産まれた子どもとは思わなかったけどね。

何せ見た目からして普通の人間の子どもにしか見えなかったからね。

しかし、今回フレアの話を聞いてドラゴンてある私達兄弟と"普通"に過ごせる上に、互いに理解し合える兄弟以上の絆を築く事ができたのだからこの出会いに感謝しかなかった。

それは私達兄弟だけてなくフレアも同じであった事がなりより嬉しかった。

ライデンはフレアに蹴られた弁慶の泣き所を涙目でさすりながらある事を言い出した。

「本当にお前は可愛やつだよ。こうやって喜怒哀楽がはっきり表現できる様になったしな。と言っても家族間だけだがな。
それでもかなりのしんぽだ。」

ライデンの言葉に頬と耳を赤くしてそっぽを向くフレア。

こういう時って照れているんだよなぁー。

この照れ方はラース兄さんとそっくりなのよね。

ラース兄さんは照れると頬と耳が赤くなる。

そして、ムッとしたら相手の弁慶の泣き所を蹴るのはブルーム兄さんそっくり。

あと、甘える時わたしの服の裾の端を掴むのはローダンと同じ。

本当に私達兄弟とそっくりに育ってしまったのだ。

"子供は親や育つ環境は選べない。
それは人間もドラゴンも同じ。"

"でも生き方や考え方は自分自身でどうにかできるのも同じだ。"

"あなた達がこうやって出会うことによって、無意識ながらも互いに支えあい、時には励まし合って、良き友、良き兄弟として過ごせたことに私達は感謝しかないわ。"

"そうだね。こればかりは強要はできないものだからね。
もし無理に押し付けていたらお互いの存在が嫌になってただろうからね。"

「お前たちを合わせるのは俺たち保護者にとって賭けに等しい行為だったが...。」

"じゃー賭けに勝ったのよね？"

私が笑顔で答えるとライデンと両親は目を見開いて驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になった。

「ああそうさ。賭けに勝ったんだ。思わぬおまけ付きだったが...。」

"大勝利だったわね。"

"ああ。お互い大事な我が子と今もこうして過ごせているんだ。
これで負けだったら悔しいだろ？"

最終的には皆んなで笑いあった。

色んな人やドラゴンとの出会いによって今の私達の関係が成り立っているのだから、これは本当に"天命"だったのだろう。

今ならそう感じた両親やライデンおじさん達の気持ちが良く理解できたのだった。

私達が笑顔で話をしている中、冒険者ギルドでは新たな問題が発生していたのだが...。

この時の私達はまだその事には気付く事すらなかったのだ。