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第一章
1-119 子育て中の親は心配症
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あっという間に駆けつけた両親と兄達。
母さんの放った迫力満点のドラゴンブレスのお陰で、真っ赤なドラゴンの群れは落ち着きを取り戻し...と言うか萎縮して整列をしてこちらの話を聞く気になってくれた様だ。
"母さん...やり過ぎよ。後で山。なおしといてよ。"
父さんにそう言われて母さんは少し不服そうだった。
怯えるドラゴンの群れに向かって私は少し近寄って話しかけた。
"ごめんなさい。母さんが無茶をして。でも話を聞いてくれる様になって良かったわ。
ねぇ~貴方達はもしかしたらラキュアの親族かしら?"
私がラキュアの名前を出したら群れの中から二匹のドラゴンが前に出てきた。
"ラキュアをご存知で!!"
"私達の娘です!どこに!!"
どうやらこの二匹がラキュアの両親で間違いがなかった。
"良かった。やっぱりそうだったのね。
ラキュア、兄弟と遊びに来たのはいいけどはぐれたらしくって、他の魔物に襲われそうになったのを人間の冒険者が助けたんだけど、間違ってラキュアも傷つけてしまったの。
そこで私達に助けを求めてきて、怪我を治して今は私の背中に居るわ。
フレア、ローダン。ラキュアを私の頭の方へ連れてきて。"
背中に居る二人にお願いしてラキュアを仲間にみえる様に頭部の方へ移動させて貰った。
ラキュアは二人に手伝って貰いながらなんとか私の頭の方へと移動ができた様で、小さなラキュアの姿が両親や仲間に見えた様だ。
"あーー。ラキュアだわ!"
"間違いない。私達の娘です。"
"あっ!お父さん!!お母さん!!"
ラキュアは両親の姿をみて嬉しそうに私の頭の上で翼をパタパタさせていた。
"あのう、この子を...。"
遠慮がちに話しかけてくる両親に私は頷いた。
"フレア。あれらがラキュアをだきやすい様に上げてあげて。"
フレアは私の言葉に反応して頭部へと移動してラキュアの身体を持ち上げた。
急に現れた人間の姿に驚いたラキュアの両親だけど、フレアから感じるドラゴンの気配がわかった様で普通に近寄ってくれた。
"あなたも...仲間なのね?"
「ああ。その姿には慣れないがね。」
"そうか。君達が長老が言っていたドラゴン一家なんだね。
ありがとう。"
"長老が何か言ってたの?"
"ええ。巣を少し離れているうちに子供達だけで抜け出したよ様で...必死に探して息子達だけなんとか戻って来たんですが、そこには娘の姿がなくって。"
"息子達に聞いたら人間の世界に行ってた様ですぐ近くの森ではぐれたと言うんだ。
それで長老に相談したら、心配ないと言われたんです。
人間の世界に我々の仲間の一家がいて、人間との仲を取り持ってくれていると。
だから昔みたいに、ドラゴンだからといって攻撃したり、危害を加える様な輩は減ったと言うんだ。もう少し待ちなさいと言われたが、幼い我が子ですから我慢ができずにやって来たんです。"
そう話すラキュアの両親。
私達は苦笑いで話を聞いた。
"わかるわその気持ち。子供って大人が考えているより遥か上の行動をとる時があるからね。"
"私達も大変だったわ。"
ラキュアの両親の言葉に私達の両親も同意していた。
"でも、今度は何か有れば私達にわかる様に連絡をくれたら助かるわ。
上空に向けてドラゴンブレスを吐くとかね。
そしたら、私達が手助けするから。"
"こちらの世界へこうやって集団でドラゴンが来ると人間たちは怯えてしまって謝って君達を攻撃する恐れがある。
彼らにも護る家族がいるからね。"
"その点私達は大丈夫よ。どっちの味方でもあるから。
また困った事があればなんでも頼って。"
「そうです。私達は皆さんと人間の架け橋となれればいいんですから。」
私達の言葉を聞いて彼らは了解したと頷いてくれた。
母さんの放った迫力満点のドラゴンブレスのお陰で、真っ赤なドラゴンの群れは落ち着きを取り戻し...と言うか萎縮して整列をしてこちらの話を聞く気になってくれた様だ。
"母さん...やり過ぎよ。後で山。なおしといてよ。"
父さんにそう言われて母さんは少し不服そうだった。
怯えるドラゴンの群れに向かって私は少し近寄って話しかけた。
"ごめんなさい。母さんが無茶をして。でも話を聞いてくれる様になって良かったわ。
ねぇ~貴方達はもしかしたらラキュアの親族かしら?"
私がラキュアの名前を出したら群れの中から二匹のドラゴンが前に出てきた。
"ラキュアをご存知で!!"
"私達の娘です!どこに!!"
どうやらこの二匹がラキュアの両親で間違いがなかった。
"良かった。やっぱりそうだったのね。
ラキュア、兄弟と遊びに来たのはいいけどはぐれたらしくって、他の魔物に襲われそうになったのを人間の冒険者が助けたんだけど、間違ってラキュアも傷つけてしまったの。
そこで私達に助けを求めてきて、怪我を治して今は私の背中に居るわ。
フレア、ローダン。ラキュアを私の頭の方へ連れてきて。"
背中に居る二人にお願いしてラキュアを仲間にみえる様に頭部の方へ移動させて貰った。
ラキュアは二人に手伝って貰いながらなんとか私の頭の方へと移動ができた様で、小さなラキュアの姿が両親や仲間に見えた様だ。
"あーー。ラキュアだわ!"
"間違いない。私達の娘です。"
"あっ!お父さん!!お母さん!!"
ラキュアは両親の姿をみて嬉しそうに私の頭の上で翼をパタパタさせていた。
"あのう、この子を...。"
遠慮がちに話しかけてくる両親に私は頷いた。
"フレア。あれらがラキュアをだきやすい様に上げてあげて。"
フレアは私の言葉に反応して頭部へと移動してラキュアの身体を持ち上げた。
急に現れた人間の姿に驚いたラキュアの両親だけど、フレアから感じるドラゴンの気配がわかった様で普通に近寄ってくれた。
"あなたも...仲間なのね?"
「ああ。その姿には慣れないがね。」
"そうか。君達が長老が言っていたドラゴン一家なんだね。
ありがとう。"
"長老が何か言ってたの?"
"ええ。巣を少し離れているうちに子供達だけで抜け出したよ様で...必死に探して息子達だけなんとか戻って来たんですが、そこには娘の姿がなくって。"
"息子達に聞いたら人間の世界に行ってた様ですぐ近くの森ではぐれたと言うんだ。
それで長老に相談したら、心配ないと言われたんです。
人間の世界に我々の仲間の一家がいて、人間との仲を取り持ってくれていると。
だから昔みたいに、ドラゴンだからといって攻撃したり、危害を加える様な輩は減ったと言うんだ。もう少し待ちなさいと言われたが、幼い我が子ですから我慢ができずにやって来たんです。"
そう話すラキュアの両親。
私達は苦笑いで話を聞いた。
"わかるわその気持ち。子供って大人が考えているより遥か上の行動をとる時があるからね。"
"私達も大変だったわ。"
ラキュアの両親の言葉に私達の両親も同意していた。
"でも、今度は何か有れば私達にわかる様に連絡をくれたら助かるわ。
上空に向けてドラゴンブレスを吐くとかね。
そしたら、私達が手助けするから。"
"こちらの世界へこうやって集団でドラゴンが来ると人間たちは怯えてしまって謝って君達を攻撃する恐れがある。
彼らにも護る家族がいるからね。"
"その点私達は大丈夫よ。どっちの味方でもあるから。
また困った事があればなんでも頼って。"
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私達の言葉を聞いて彼らは了解したと頷いてくれた。
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