ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第一章

1-149 反省とは？

　ブルーム兄さんは私達の方へ向かってくると"落ち着いたか？"と確かめて来た。

私てしてはクズ四人に自ら制裁を加える事ができなかったので不完全燃焼気味だが、兄さんの言葉で完全に顔色を失っている姿を見て半分はスッキリしたので良しとした。

"なんとかね。でも...いいや。これ以上私が何かしたらこの建物瓦礫になりそうだから。"

"それはダメだね。ギルマスが灰になっちゃうよ。"

"そうだな。あのおっさんのことを思うとやめてやれ。"

"そうだね。その方がいいよ。見てごらん。床を強化しただけであんなに涙を流してるんだよ？"

そう言ってラース兄さんが指差す方を見るとギルマスが涙を流しながら床に頬ずりをしていたのだった。

"とりあえず、俺は言いたい事を言った。あとはあいつらからの返事待ち...いや。返事は変わらないだろうな。"

ブルーム兄さんはそう言って少し悲しそうな表情をしていた。

兄さんとしては王様と皇太子と過ごす時間は私達兄弟や身内とは違った楽しい時間だったに違いない。

その時間が失われるのは本当につらいと思う。

私達もあんなに楽しそうにしている兄さんを見るのは身内以外で初めてだから、できるのであればあのままいい関係が続いてればと思っていたのだ。

だが、あのクズ四人がそれを無にしたのだ。

それは許されることではないし、許す気もない。

昨日兄弟で話し合った結論だからだ。

クズ四人の改心しだいでは、こちらも対応を考えるつもりではいたが...。

"見た目だけの反省は誰でもできるのよ。本当に反省しているかしていないかは言葉にしなくてもわかるものよ。"

私がそう言うと他の兄弟達も頷く。

王様と皇太子はもうなす術もない感じでその場に座り込んでいた。

クズ四人は完全に思考停止状況だった。

このままではらちがあかないので、私はゆっくりと怒りを抑えてクズ四人の元へ歩み寄った。

そして...。

"ねぇ？頭を丸めたら許してもらえると思っていたの？
頭を下げておけば許されると思っていたの？"

私が一語一句、ゆっくりと発語して伝えるとクズ四人は無言で涙を流し出したのだった。

それでも私は言葉を止めなかった。

"心底反省していたらね態度にもちゃんとでるのよ。
あんたらはね、大好きな父さんと兄さんに怒られて、これ以上嫌われたくないから仕方がなく謝りますってのが、丸わかりなのよ。
そんなので、反省してますって言われても誰も納得しないの。
なんなら、あんたらの大事な人を同じ目に合わせたら少しは反省するの？"

するとクズ四人は一斉に顔を上げて首を横に振るのだった。