279 / 664
第二章
2-71 たまには良い事言いますね
しおりを挟む
私をキッと睨みながら火龍のガキが私に向かって話をし出した。
『き、ギスを治したからっていい気になるなよ!』
そう言った瞬間に父親の鉄拳が飛んできた。
これでは昨日と同じ事になりそうだったから私は要件のみを話すように釘を刺して伝える。
すると何かを感じ取ったのだろう余分な話をせずに話をし出した。
『チッ。俺たち巣立ちをしたんだが...そ、そのう...。』
そう言って口籠る。
他の連中の方を見ると何故か皆んな私から目を逸らす。
仕方がないのでコイツの父親の方を見ると呆れ顔で奴の代わりに話をしてくれた。
『実は巣立ちをしたもののまともな独り立ちができないんです。』
そんな事を言った父親の言葉に奴は"そんな事ねぇ~!"と顔を真っ赤にして反論をしたが...キッとそうなのだろう。
私は彼の口を魔法で塞ぎ静かにさせてから父親に話の続きを言うように促した。
父親は息子の惨状を見て驚きながらも私の言葉に従って話の続きを話してくれた。
『我々にとってこの子を含め他の子も最後の子供として産み育てたもので...恥ずかしながら他の子達に比べて甘やかしてしまったのです。』
火龍の父親の言葉に他のドラゴン族の親達は気まずそうな顔をしていた。
どうやらどこの親もこの親と同じなのだろう。
私達の両親も彼の言葉を聞いて"わかるワァー"と声を上げていた。
『その為か...里で毎回問題を起こして...人型がとれるようになったので、人として生きて行けるか試してもすぐ問題を起こしてしまい...もう我々ではお手上げなんです。』
そんな父親の言葉に母親が補足をする。
『実は...この子以外の他の兄弟も同じでして...それでもこの子よりはまだまっしなだけでして...。
せ、せめてこの子だけでもどうにかなれば、他の兄弟もこの子をお手本にできるかと思って今回皆様にお願いしにきたんです。』
そう言って頭を下げて願いを乞う火龍の両親。
それに続くように他のドラゴンの夫婦も子供達の頭を抑えながら頭を下げるのだった。
『えっ?!なんで私達の所に??』
私がそう質問すると今度は水龍の父親が私の質問に答えてくれた。
『ここにくる前に長老に相談したら貴方方を紹介されたんです。
そちらにいる飛龍の御夫婦は里でも有名な子育て上手な方達ですし、その夫婦が最後に産んだ子供達も素晴らしいとお聞きしたので、藁を掴む思いで今回お願いにあがりました。』
その言葉に両親はとても嬉しそうな顔をしていた。
そして水龍の父親の言葉にハムを食べ終えたブルーム兄さんが質問する。
『おっさん?俺たちドラゴンっていうより、人間としてずっと生活しているからその辺は大丈夫なのか?』
ブルーム兄さんの言葉に彼らは互いの顔を見合って何かを話し出した。
確かにブルーム兄さんの言葉はごもっともだ。
私達はずっとドラゴンというより人間として人間の世界で生きる事を選んだドラゴン族だからね。
それでも良いのかというのはとても大事な事だった。
『き、ギスを治したからっていい気になるなよ!』
そう言った瞬間に父親の鉄拳が飛んできた。
これでは昨日と同じ事になりそうだったから私は要件のみを話すように釘を刺して伝える。
すると何かを感じ取ったのだろう余分な話をせずに話をし出した。
『チッ。俺たち巣立ちをしたんだが...そ、そのう...。』
そう言って口籠る。
他の連中の方を見ると何故か皆んな私から目を逸らす。
仕方がないのでコイツの父親の方を見ると呆れ顔で奴の代わりに話をしてくれた。
『実は巣立ちをしたもののまともな独り立ちができないんです。』
そんな事を言った父親の言葉に奴は"そんな事ねぇ~!"と顔を真っ赤にして反論をしたが...キッとそうなのだろう。
私は彼の口を魔法で塞ぎ静かにさせてから父親に話の続きを言うように促した。
父親は息子の惨状を見て驚きながらも私の言葉に従って話の続きを話してくれた。
『我々にとってこの子を含め他の子も最後の子供として産み育てたもので...恥ずかしながら他の子達に比べて甘やかしてしまったのです。』
火龍の父親の言葉に他のドラゴン族の親達は気まずそうな顔をしていた。
どうやらどこの親もこの親と同じなのだろう。
私達の両親も彼の言葉を聞いて"わかるワァー"と声を上げていた。
『その為か...里で毎回問題を起こして...人型がとれるようになったので、人として生きて行けるか試してもすぐ問題を起こしてしまい...もう我々ではお手上げなんです。』
そんな父親の言葉に母親が補足をする。
『実は...この子以外の他の兄弟も同じでして...それでもこの子よりはまだまっしなだけでして...。
せ、せめてこの子だけでもどうにかなれば、他の兄弟もこの子をお手本にできるかと思って今回皆様にお願いしにきたんです。』
そう言って頭を下げて願いを乞う火龍の両親。
それに続くように他のドラゴンの夫婦も子供達の頭を抑えながら頭を下げるのだった。
『えっ?!なんで私達の所に??』
私がそう質問すると今度は水龍の父親が私の質問に答えてくれた。
『ここにくる前に長老に相談したら貴方方を紹介されたんです。
そちらにいる飛龍の御夫婦は里でも有名な子育て上手な方達ですし、その夫婦が最後に産んだ子供達も素晴らしいとお聞きしたので、藁を掴む思いで今回お願いにあがりました。』
その言葉に両親はとても嬉しそうな顔をしていた。
そして水龍の父親の言葉にハムを食べ終えたブルーム兄さんが質問する。
『おっさん?俺たちドラゴンっていうより、人間としてずっと生活しているからその辺は大丈夫なのか?』
ブルーム兄さんの言葉に彼らは互いの顔を見合って何かを話し出した。
確かにブルーム兄さんの言葉はごもっともだ。
私達はずっとドラゴンというより人間として人間の世界で生きる事を選んだドラゴン族だからね。
それでも良いのかというのはとても大事な事だった。
10
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
政治家の娘が悪役令嬢転生 ~前パパの教えで異世界政治をぶっ壊させていただきますわ~
巫叶月良成
ファンタジー
政治家の娘として生まれ、父から様々なことを学んだ少女が異世界の悪徳政治をぶった切る!?
////////////////////////////////////////////////////
悪役令嬢に転生させられた琴音は政治家の娘。
しかしテンプレも何もわからないまま放り出された悪役令嬢の世界で、しかもすでに婚約破棄から令嬢が暗殺された後のお話。
琴音は前世の父親の教えをもとに、口先と策謀で相手を騙し、男を篭絡しながら自分を陥れた相手に復讐し、歪んだ王国の政治ゲームを支配しようという一大謀略劇!
※魔法とかゲーム的要素はありません。恋愛要素、バトル要素も薄め……?
※注意:作者が悪役令嬢知識ほぼゼロで書いてます。こんなの悪役令嬢ものじゃねぇという内容かもしれませんが、ご留意ください。
※あくまでこの物語はフィクションです。政治家が全部そういう思考回路とかいうわけではないのでこちらもご留意を。
隔日くらいに更新出来たらいいな、の更新です。のんびりお楽しみください。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる