ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第四章

4-91 魔法の思わぬ副作用とその効果によって ⑥

　私の放った雷はほんの数時間で効果を表していた。
嫌な予感がしたので慌ててもどってきたが...まさかこれほどまでの効果をもたらしているとは予想外。

視界一面に青々と生い茂るというか...もう密林と言った方が正解だろう。

私達が戻ってくる前は土の色が変化して、所々に草花が生えていたり、小さな池のようなのができていたりした程度だったのが...。

『スゲェー！もうジャングルだぜ！』

ブルーム兄さんが鼻息荒く、興奮した様子で現状を報告してくれるのだが...あまり嬉しくなかった。

最終的にはこうなればいいなぁーとは思っていたが、短時間でこうなってくれとは思っていない。

『スノー。貴女の魔法の効力が昔に比べてかなり上がっているのではないですか？』

ラース兄さんが驚いた表情のまま目の前の景色を見ながら私に質問を投げかけるが...私はその質問に対してどう応えたらいいのか分からず顔を顰める。

私自身、そこまで魔力が上がっているとは思ってはいない。
いないけど...こんな現象を見せられたら否定のしようがない。

『この状態だから大気も普通に戻ってるわね...。ちょっと私奥も見てくる。』

私はそう言って兄弟達から離れて奥の状況を見に行くことにした。
私が移動するとローダンとフレアが一緒に行くと言って後を追いかけてきた。

下は兄さんが言ったようにジャングル状態になっている。
幹がしっかりした樹々がいくつも生えている。

それだけでなく、草花の種類も増えて小動物の姿もしっかり見られる。

死の大地だった場所が息を完全に吹き返している。

『凄い。姉さんの雷ってこんな効果もあるんだね。』

「使い方間違ったらヤバそうだな。」

ローダンとフレアが後ろの方でそんな会話をしているが、その会話に突っ込みを入れる余裕が全くなかった。

問題がないかを確認しつつ奥の方にいくと...

『嘘でしょ？！！こっちもなの！！』

まだ死の大地だった場所まで蘇っていたのだ。

単に蘇るだけでなく、地形も変わっており、湖ができていたり、滝ができていたり、川まで流れていたりと水質資源まで豊富になっていたのだ。

『姉さん...凄いね。本当に雷落としただけ？？』

不審な目を向けてくる弟ローダンに対して、私はただ頷くことしかできなかった。

私達が奥に行っている頃、気絶していたロコリスが目を覚まして青々と生い茂る樹々を見て大興奮。

ブルーム兄さんの肩で大暴れして落ち掛けるという事件があったけど、大事には至らなかったようだ。