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第四章
4-134 ギルマスを連れて森に再調査へ ②
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ギルマスも含めてあの森に再度調査をするために、準備を整えていく。
何日かかるか分からないから前回より多めに食料品や回復薬などを私の大きめの鞄に詰め込んで行き、他の物は兄弟達の鞄に荷造りして行くとギルマスが声をかけてきた。
「あの森がダンジョンということは...魔物がいるのか?」
ギルマスの言葉に荷造りしながらラース兄さんが答える。
兄弟の中で一番あの森について熟知しているしね。
もちろん私達も知ってはいるが、ギルマスが欲しい答えを欲しい形で答えれるのはラース兄さんだと私達自身が理解しているのもあるので、全部丸投げしたというのもある。
『あの森が変わってなったら...の段階での話になりますが、ダンジョンなので魔物は存在します。その点は通常我々が知るダンジョンと同じなのですが...環境が他のダンジョンとは少し異なります。』
ラース兄さんがそう話すとギルマスは作業の手を止めてラース兄さんに向き直る。
「どういう事だ?」
ギルマスの質問にラース兄さんは荷造りしながら答える。
『通常のダンジョンは地下にあり、階層毎に罠や魔物の種類や強さが変わるものだと思います。
しかし...あの森は地下でなく地上にあり、階層ではなく区域(エリア)で区切られていて、魔物の種類、強さはランダムなうえに、単体はもちろんほぼ群れで移動して攻撃してきます。
ですので、ある程度の経験と実力がないと単身で動くのは命取りとなります。
あと、階層が進むにつれて強くなるのが一般的だと思いますが...区域(エリア)によって異なります。
前回行った時は魔物が強いのは森の奥の方で、手前と中腹の方は弱い魔物ばかりでした。
これも私達兄弟を基準に判断しているので、もしかしたら中腹の方も"強い"分類に入るのかもしれませんけど...あと、奥に進むかセーフティーエリアに入らないと脱出用の魔法陣は存在しません。』
ラース兄さんの言葉を聞いてギルマスの眉間に皺がよりだす。
そう...あの森は通常のダンジョンとは違う。
私達が知るダンジョンは階層毎に先に進む用の階段と脱出用の魔法陣が存在するのだが...この森はセーフティーエリアか奥のボス級魔物がいる森に行かないと脱出用の魔法陣がないのだ。
代わりに区域を攻略すると後退できるようにはなるが、後退するにも入ってきた場所まで戻らないと行けないからかなりきつくなる。
なので...ダンジョンとしてはかなり難易度の高い場所と思われるのだが...この意見はどうやらギルマスも同じ考えが浮かんだようだ。
「なんだその地獄みたいなダンジョンは...よくお前らでてこれたな...。」
地を這うような声で唸りながら呟くギルマスにラース兄さんは正反対の天使の微笑みを浮かべてとんでもない事を言い出す。
『それはスノーとスノーが契約したキュリッチの存在があってこそですよ。』
そう...私達が楽に攻略できたのは私とキュリッチの存在あってのことだからね...。
ギルマスはどういう事だ?と言わんばかりの表情を浮かべて私を見つめる。
何日かかるか分からないから前回より多めに食料品や回復薬などを私の大きめの鞄に詰め込んで行き、他の物は兄弟達の鞄に荷造りして行くとギルマスが声をかけてきた。
「あの森がダンジョンということは...魔物がいるのか?」
ギルマスの言葉に荷造りしながらラース兄さんが答える。
兄弟の中で一番あの森について熟知しているしね。
もちろん私達も知ってはいるが、ギルマスが欲しい答えを欲しい形で答えれるのはラース兄さんだと私達自身が理解しているのもあるので、全部丸投げしたというのもある。
『あの森が変わってなったら...の段階での話になりますが、ダンジョンなので魔物は存在します。その点は通常我々が知るダンジョンと同じなのですが...環境が他のダンジョンとは少し異なります。』
ラース兄さんがそう話すとギルマスは作業の手を止めてラース兄さんに向き直る。
「どういう事だ?」
ギルマスの質問にラース兄さんは荷造りしながら答える。
『通常のダンジョンは地下にあり、階層毎に罠や魔物の種類や強さが変わるものだと思います。
しかし...あの森は地下でなく地上にあり、階層ではなく区域(エリア)で区切られていて、魔物の種類、強さはランダムなうえに、単体はもちろんほぼ群れで移動して攻撃してきます。
ですので、ある程度の経験と実力がないと単身で動くのは命取りとなります。
あと、階層が進むにつれて強くなるのが一般的だと思いますが...区域(エリア)によって異なります。
前回行った時は魔物が強いのは森の奥の方で、手前と中腹の方は弱い魔物ばかりでした。
これも私達兄弟を基準に判断しているので、もしかしたら中腹の方も"強い"分類に入るのかもしれませんけど...あと、奥に進むかセーフティーエリアに入らないと脱出用の魔法陣は存在しません。』
ラース兄さんの言葉を聞いてギルマスの眉間に皺がよりだす。
そう...あの森は通常のダンジョンとは違う。
私達が知るダンジョンは階層毎に先に進む用の階段と脱出用の魔法陣が存在するのだが...この森はセーフティーエリアか奥のボス級魔物がいる森に行かないと脱出用の魔法陣がないのだ。
代わりに区域を攻略すると後退できるようにはなるが、後退するにも入ってきた場所まで戻らないと行けないからかなりきつくなる。
なので...ダンジョンとしてはかなり難易度の高い場所と思われるのだが...この意見はどうやらギルマスも同じ考えが浮かんだようだ。
「なんだその地獄みたいなダンジョンは...よくお前らでてこれたな...。」
地を這うような声で唸りながら呟くギルマスにラース兄さんは正反対の天使の微笑みを浮かべてとんでもない事を言い出す。
『それはスノーとスノーが契約したキュリッチの存在があってこそですよ。』
そう...私達が楽に攻略できたのは私とキュリッチの存在あってのことだからね...。
ギルマスはどういう事だ?と言わんばかりの表情を浮かべて私を見つめる。
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