全マシ。チートを貰った俺の領地経営勇者伝 -いつかはもふもふの国-

のみかん

文字の大きさ
18 / 169
『全マシ。チートを貰った俺』編

第18話『やっておしまいなさい!』

しおりを挟む



 この世界に来てから一か月が経過した。

「ベルナデット。そっちに行ったぞ!」

「任せてください、ジロー様!」

 俺たちは今日も元気に森の中で魔物を狩っていた。

 あれから俺たちはほぼ毎日森に入って狩りをしていた。

 最近ではベルナデットの腕も上がってきたので、森の奥まで潜って狩りをするようにもなっていた。

「シッ――!」

 俺が追い立てた獲物をベルナデットが一閃する。
 トカゲ型の魔物の首が一瞬で撥ね飛ばされて宙を舞った。
 ふっ、圧倒的ではないか……。

「なかなかいい剣筋だな。強くなったじゃないか」

「ありがとうございます。ジロー様のご指導のおかげです」

「俺なんかしたかな」

 後ろのほうで『強くなれ!』とか『もっと熱くなれ!』とか叫んでるだけだったけど。
 そういえばベルナデットはいつの間にか俺のことを名前で呼ぶようになっていた。
 心の距離が近づいたのか、そっちのほうが短くて呼びやすいからなのかは知らん。



 ベルナデットの成長は著しい。
 戦闘の腕前もそうだが、身体の成長も急曲線を描いて伸び盛りであった。

 出会った当初は10歳児相当の幼児体型だった彼女は現在、外見年齢13~14歳くらいにまで成長していた。

 身長は150センチ後半まで伸び、凹凸のなかった身体は胸に僅かな膨らみが出てきたり、腰が括れたり、尻が大きくなってきたりと、女性らしい体つきに変わりつつある。

 髪の毛も伸びるがままだったのを肩のあたりで綺麗に切り揃え、どことなく顔つきも大人っぽくなっているような気がした。

 一か月で変わり過ぎだろうと思うが、獣人の成長期とはこういうものらしい。

 彼女に関しては栄養状態の悪いこれまでの環境から一転したことで、抑圧されていたぶんが一気に解放されたというのもあるみたいだが。

 おかげでエネルギー消費が激しくて飯を大量に食うわ、服や武器はすぐに取り替えないといけないわで出費がかさむことかさむこと。

 俺の全体資産からすれば屁でもない額だが、すぐに使えなくなる服や武器などは非常にもったいない。

 ちなみにサイズの合わなくなった服や武器はアイテムバッグにすべて保存してある。

 使い道はないが捨てるのも惜しいので彼女の成長の軌跡としてとっておくつもりだ。




『きゃあああ――っ!』

 本日の狩りを終えて帰宅の途に就いていると森のどこからか女性の悲鳴が聞こえてきた。
 ベルナデットに視線を向けると俺に判断を委ねるように頷いた。
 この辺のやり取りがツーカーでできるようになったのは感慨深い。

「よし、助けに行くか。ここにいるってことは冒険者だろうし。助け合いの精神だ」

「了解しました」

 索敵のスキルを用いて気配を探る。
 大体の方角が頭に浮かんだ。

 森の中を走り抜けて赴くと一匹のオーガに追い詰められている少女がいた。

 一人か……。ここって森の深部だぞ。魔王城にもほど近い危険地帯。
 こんなとこにソロで潜るってアホなのかな。
 俺たちも二人で来てるけど。


「こ、こんなところであたしは負けない!」


 少女は叫んでいた。頭や口から血を流す大怪我を負った状態で。
 紫色のトンガリハットにローブ。値段が張りそうな荘厳な杖。
 格好からして魔法使い、メイジってやつか。

 メイジが盾ナシで単独行動とか死ぬ気なの?
 せめて鎧を着込むなりして装備を固めてくるべきだろうに……。


「あたしは魔王を倒すまで死ねないんだからっ……!」

 
 魔法少女はバタッと倒れて気絶した。
 覚悟を言い切って満足したのかな。あれは遺言のつもりか?


『グオオオオオォオォ――ッ!』


 意識を失った少女に襲い掛かろうとするオーガ。
 いけない。このままだといろいろ始まってしまう。
 異種間モノは趣味じゃないんだよ。

「ベルナデットさん。やっておしまいなさい!」

「…………? はい」

 変なもんを見る目で見られたわwww
 ネタが伝わらないって悲しいね。
 世界が違うと共有できることが少なくて寂しい。

 でもベルナデットさんはしっかりオーガを瞬殺してくれました。
 強くなっててパパ嬉しいぞ。

しおりを挟む
感想 144

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

狙って追放された創聖魔法使いは異世界を謳歌する

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーから追放される~異世界転生前の記憶が戻ったのにこのままいいように使われてたまるか!  【第15回ファンタジー小説大賞の爽快バトル賞を受賞しました】 ここは異世界エールドラド。その中の国家の1つ⋯⋯グランドダイン帝国の首都シュバルツバイン。  主人公リックはグランドダイン帝国子爵家の次男であり、回復、支援を主とする補助魔法の使い手で勇者パーティーの一員だった。  そんな中グランドダイン帝国の第二皇子で勇者のハインツに公衆の面前で宣言される。 「リック⋯⋯お前は勇者パーティーから追放する」  その言葉にリックは絶望し地面に膝を着く。 「もう2度と俺達の前に現れるな」  そう言って勇者パーティーはリックの前から去っていった。  それを見ていた周囲の人達もリックに声をかけるわけでもなく、1人2人と消えていく。  そしてこの場に誰もいなくなった時リックは⋯⋯笑っていた。 「記憶が戻った今、あんなワガママ皇子には従っていられない。俺はこれからこの異世界を謳歌するぞ」  そう⋯⋯リックは以前生きていた前世の記憶があり、女神の力で異世界転生した者だった。  これは狙って勇者パーティーから追放され、前世の記憶と女神から貰った力を使って無双するリックのドタバタハーレム物語である。 *他サイトにも掲載しています。

処理中です...