見上げた空は青かった

ダクトリオ

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テルヒコ

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鈴太郎たちは学校で晴樹たちが来るのを待っていた。
時間はとっくにすぎているのになかなか来ない。
「それにしても、こんなに暑いのに野球部のやつらよくやるなぁ。野球をやるくらいなら、遊んでたいな。」
「でも、おにいちゃん褒められてたじゃん。いいボール投げるねって。野球やってみたら?ちょうどグローブもあるし。私も入ろうかな。女の子もいるみたいだし。」
「褒められたのは、人数が足りなくて入ってほしいからだよ!きっと、部員を探してるんだ。っていうか、晴樹たち遅いなぁ。」
「もう1時間くらい過ぎてるね。ねぇおにいちゃん、野球部の練習もう少し見に行かない?」
玲香は野球が気に入ったようだ。
「野球ってさ、実はおもしろいスポーツなんじゃない?サッカーと違って守ったり、走ったり打ったり、投げたり。いろんなことできるじゃん。」
「おまえ、やけに野球に興味あるんだな。まぁ、確かにサッカーよりもやることたくさんありそうだな。暇だし見に行くか!」
二人は再びグランドに行った。

グランドに行くと、さっきのでかいオッサン、いや、野球部の監督がバットを持って、自分でボールをあげてボールを打っている。
「これは、捕る練習かな?同じクラスの宮田と近藤がいるな。あっ、テルユキだ。」
宮田と近藤は見てるとあんまりボールを捕れていない。
テルユキは、、
シュタッタッ、
バシッ、
シュッ、
「うめぇ~な、あいつ。動きが一人だけ違うぞ。」
「ほんとだテルユキくん上手だね。」

「守備練習終わり!!」
監督が叫んだ。 
「ありがとうございました!!」
「よし、少し休憩だ!」
「はい!」

宮田と近藤、テルユキは3人で話していた。どうやら、ちらちらとこっちを見ているみたいだ。
「お~い!鈴太郎!」
宮田が呼んだ。
「おまえ、サッカーやめたんだろ?野球部入るのかよ?」
「えっ、、えっと、俺はただ見に来ただけだよ!」
鈴太郎は恥ずかしそうに言った。
すると、監督が、
「そうそう、さっきあの子と喋ってたら、どうやら野球に興味があるみたいなんだ。お~い!君!ちょっと来てくれるかい?」
鈴太郎はしぶしぶグランドのほうへ行った。
そんなはずじゃなかったのに。
玲香はなぜか嬉しそう。

「おっ、おう。宮田に近藤。そして、、、」
「車田輝彦だよ。テルヒコって呼んで。」
テルユキじゃなくて、テルヒコだったのか!
「テルヒコ、よろしく。俺は鈴太郎。」
「鈴太郎くん、よろしく。一緒に野球やろうよ。」
「まぁ、、ちょっとだけならな。俺も用事があるし。」
「用事って、なに?」
「あっいや、なんでもない。」
「鈴太郎くんって名前なんだね。じゃあ、バッティングでもやってみる?」
さっき話したでかいオッサンが話しかけた。
「は、はい。ちょっとだけ。」
鈴太郎は少しどきどき。
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