刈リ取ル者 ~俺をいじめた奴を悪魔の力で叩き潰した挙句正義の味方名乗ってるけど文句あるか?~

あがつま ゆい

文字の大きさ
21 / 56
復讐しろ 絶対に赦すな

Scene.21 いやぁ、復讐って本当にいいもんですね~ 後編

しおりを挟む
 30歳を迎えた事を記念に開かれた中学校の同窓会にマサヤは参加していた。

「オイ、希来里きらり希里亜きりあ

 仲良く談笑していた二人の男の間にマサヤが割って入る。

「オレをいじめておいてよくもまあこんなところに堂々と顔出しできるな? 何様のつもりだ?」
「ああ、いじめ? ああ、あれか。いやぁ~。あの頃はヤンチャしてたからなぁ」

 ……ヤンチャ。自分が味わった苦痛に満ちた学校生活をその一言で片づけた。

「じゃあテメェのヤンチャの被害者なオレは何なんだよ?」
「お前まだ覚えてんのか? もう忘れろよ。15年も前の話だぜ?」
「そうそう。若気の至りって奴だ。水に流せよ」
「って言うかお前のオヤジどうせ今でもナマポ受給してんだろ? オレの税金でタダ飯食ってるお前こそよくのこのこと顔出しできるな? お前こそ何様のつもりだよ? 厚かましいにも程があるぜ?」

 希来里きらり希里亜きりあのその言葉で彼は壊れた。心の中の堤防が轟音を立てて決壊した。

 そばのテーブルに置いてあった栓を空けてないビール瓶を手に取り希里亜きりあの脳天をぶっ叩いた。
 ガゴッ! という硬い物と硬い物とがぶつかり合う鈍い音が会場に響いた。女性の悲鳴で異変に気付いたスタッフが飛んできてマサヤを押さえつける。

「コラ! 暴れるな!」
「うるせえ! 離せ! 希来里きらり! 希里亜きりあ! テメェらだけは許さねえ! 絶対にぶっ殺してやるからな! 覚えとけよ! 絶対にぶっ殺してやるからなぁ!」



 絶対にぶっ殺してやるからな。その犯行予告は現実のものとなった。正確に言えば、今まさに現実のものになろうとしていた。となるが。



「パパアアアアア! ママアアアアア!」

 寝室で寝ていた3人を突如襲った3人の人影。両手両足をブチ折られた5歳の娘が激痛にのた打ち回りながら泣き叫ぶ。それをかき消すようにマサヤのぶっ壊れた嗤い声が響く。
 父親は怪物に、母親は角のある少女に押さえつけられている中、彼は足の骨を両口ハンマーで殴り折って動けなくした幼女に向かって暴行を振るう。

「止めろ! 俺はどうなってもいい! でも娘は! 娘に手を出すのだけは辞めてくれ!」
「嫌だね。テメェの遺伝子を受け継いでる奴なんてどうせクズにしか育たねえだろ? だったら今、殺した方が世のため人のためになるじゃねえか。これは社会をよくするための善意の行為だ。慈善活動さ。清い心で社会に奉仕するボランティアなんだよ。ケヒャヒャヒャハハハハ!」

 手足を砕かれ横たわる幼女の胴体に情け容赦なくハンマーの暴力と壊れた嗤い声を浴びせられる。

「ガハッ!」

 血を吐きだし、ぐったりとした自分の娘をぼろぼろに泣きながら見つめる。

「もう止めてくれ! 金が欲しけりゃいくらでもやる! 家だってやる! オレを殺したければ殺せ! でも娘は、娘だけは関係ない!」
「バッカじゃねえの? お前を最高に苦しませてから殺さねえと復讐にならねえだろ? お前みたいなクズが持ってるモノを全部叩き壊さねえと気が済まねえ」

 マサヤは希里亜きりあを突き刺すようににらみつける。その眼は完全に常軌を逸脱した狂人の瞳であった。
 マサヤは壊れた嗤い声を上げながら今度は彼の妻に暴力をふるう。ハンマーのフルスイングで顎を砕き、手足、そして全身の骨をバキバキにブチ折っていく。内出血で身体のいたるところがどす黒く変色する。
 ぐったりとして動かない娘と妻を見て絶望する希里亜きりあを見てマサヤは甲高く壊れた嗤い声をあげる。

「これで仕上げだ」

 マサヤは持参してきたポリ容器に入っていた透明の液体を3人にぶっかける。ツンとする、ガソリンスタンドで嗅ぎ慣れた刺激臭が鼻をつく……中身はガソリンだった。びっしょりと濡れた家族に向かって彼はそれに一切の迷いなく火をつける。

「ああああああああああああああああああああ!!!」
「助けて! 助けてぇ!」
「ウホ! ウホホホ! ウホホホホホ!」

 彼は希里亜きりあ一家が炎に焼かれてもだえ苦しむ様子を見て自慰を始める。彼らが熱さに苦しむ叫び声をオカズ・・・にして絶頂に達し、射精する。
 と同時に3人の身体から魂が出てきた。

「スッキリしたか?」
「ああ。最高だ。今日は人生の中で最高の一日だ。復讐って、本当にいいものだな」

 部屋がメラメラと燃え盛る炎に包まれるのを見て心の底から満足した表情を浮かべた。
 消防車のサイレンが聞こえるのを聞いて彼らはその場を後にした。



 仕事が終わって、乃亜のあ達は自宅へと帰ってきた。

「なぁ乃亜」
「何だ? ミスト。神妙な顔して」
「乃亜は今日の依頼者の考えてる事とか気持ちとか理解できるのかい?」
「手に取るようにわかるさ」

「マジかよ。俺には全然理解できないね。だってさあ、土下座して詫び入れてる相手の頭にウ○コなんてしたり、家族3人が焼け死ぬところみてあんなこと・・・・・するんだぜ?
 悪魔の俺から見ても正気の沙汰じゃねえよ。俺産まれて初めて人間の事怖えって思ったもん」

「それだけ相手が憎かったって事だろ。俺だっていじめられてた時は何もかも皆殺しにしてやる。っていう狂気を抱えてたからな。
 というか、実際全員殺したけどな。もし大人になってアイツラが結婚して子供が出来たとしたら彼と同じことをやるだろうな。
 俺だって『オメエの教育が失敗したせいで俺をいじめるクズに育っちまったんだから責任とれ!』って言っていじめた奴の親まで殺す事も考えてた時期はあったさ。まぁ手間がかかるからやめたけど」
「……」

 ミストはその凄惨ぶりに黙る。

「……業が深いな。人間って。悪いけど今日はメシを作れる気分じゃない。外食にしようぜ」
「そうか。じゃあ行こうか」

 明らかに引いているミストをよそに乃亜はごく当たり前のように外出の準備をするのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる

まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」 父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。 清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。 なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。 学校では誰もが憧れる高嶺の花。 家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。 しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。 「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」 秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。 彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。 「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」 これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。 完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。 『著者より』 もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。 https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...