伯爵家の三男は冒険者を目指す!

おとうふ

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プロローグ

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俺の名前は佐藤良太さとうりょうた。極普通の高校2年生だ。今、俺は去年から付き合いだした彼女の伶奈れなと一緒に歩いて下校しているところだ。

彼女は茶髪のセミロングでとても可愛いく優しい、俺にはもったいないくらいの自慢の彼女である。

小学校から高校まで同じで、付き合いは長い。お互いのことはよく知っているし、家族に近い感覚すらある。

「ねぇ、良太」

「ん?」

「夏休みってなにか予定ある?」

そう、今は7月。
ということはもうすぐ夏休みなんだけど、学校がなくなって伶奈と会う回数が減るのは寂しく感じていた。それは向こうもそうらしく、遊びに誘ってくれようとしているんだろう。

「なんもない、めちゃくちゃ暇!」

「そっかー、じゃあ海とか行こうよ!」

「いいね!行こう!」

そんな会話をしながら歩き、丁度十字路の信号を渡っていると、何やら横からトラックが速度を落とす事なくこちらに来るのがわかった。

「ッ....!危ない!」
状況を理解すると、俺は咄嗟に伶奈を突き飛ばしていた。
(...伶奈、ごめん...。海、行きたかったなぁ...)
俺がこの世で最後に見たものは、絶望したような表情で俺を見る伶奈と、明らかに薬物をキメているとしか思えない 、トラックの運転手の狂ったような異常な目だった。

こうして俺は佐藤良太としての生涯に幕を閉じた。

-----------
気がつくと俺は椅子に座っていて、何もない真っ白な世界の真ん中にいた。

(俺は死んだはずじゃ...ハッ!伶奈は!?)

「気がつかれましたか、良太さん」

突如目の前に若いイケメンな男性が現れ、声をかけて来たため身構えるものの、何故かその声を聞いていると気持ちが落ち着いて行く気がした...。

「えっと、あなたは?」

「私はメルシフィアという世界の神をしております。良太さんには私の世界に転生していただきます。」

良太はアニメ、漫画、小説など一切知らない類の者なので、突然何を言い出すのかと混乱するが、なんとか落ち着いて話を聞いていると大凡の事は理解する事が出来た。
話を大雑把にまとめるとこのようになる。

・メルシフィアという世界は中世のヨーロッパのような世界観である。

・そこには魔物と呼ばれる強い力を持つが理性のない生物(?)がいると。

・ステータスという強さの基準のようなものがあり、ステータスを上げるには魔物などを倒してレベルを上げるか、修行をする必要がある事。

・たまに前世で"良い行い"をしていて、若いうちに亡くなってしまった人をメルシフィアに転生させるという、一種の救済措置のようなものであると  

・転生する人は他と比べて成長が早く、スキルも覚えやすいとのこと

・その他魔石や経験値、ステータスの細かい説明、貨幣価値、、、

他にもこの世界で生きて行くのに必要な知識を叩き込まれたが、日本に戻るという事は叶わないらしい。神様と名乗る人(?)にお礼をいうと意識がブラックアウトした。

「今世ではやり残しがないよう、楽しんで来て下さいね!」

薄れゆく意識の中、そんな言葉が聞こえた気がした。





-----------
読みに来てくださって本当にありがとうございます!


主人公は徐々に強くなって行く感じです!
彼女への未練のようなものがあるのでハーレムとかになることは無いです。

今後とも応援よろしくお願い致します!




2019年7月 改稿しました
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