🐈‍⬛はてしないあなたへ

ノアキ光

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好奇心は

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やぁ、君。僕は黒猫のイマジナリーフレンドだ。
つまり、君の頭の中に存在する想像の産物というわけだ。
ちょっとヒマだから語らせてもらうよ。

ようこそ、ようこそ。
おや、何か面白い話を聞きたいのかい?
ふむ、それなら今日は「好奇心」について話そうか。そう、あの有名な言葉——「好奇心は猫をも殺す」ってやつだ。
外国では、猫は命が九つもあると考えられているんだ。
それでも、好奇心のおもむくままに首を突っ込んでいると死んでしまう。
これ、なかなか物騒な響きがあるよね。なんで猫が死ななきゃならないんだ、って思うだろう?
でも、まあ……猫である僕がこうして話しているってことは、すべての猫が死んだわけじゃないってことさ。  

で、人間ってのは、時々やたらと怖がるんだよ。
「そんなことしたら危ない」「変なことに首を突っ込むな」ってね。
確かに、好奇心が過ぎると痛い目を見ることもある。封印された扉を開けたり、謎のボタンを押したり、禁じられた本を読んだり……まあ、大抵の場合、そういうことをするとトラブルに巻き込まれる。
でも、だからといって何も知ろうとしなかったら? それはそれで、つまらない人生になってしまうね。  

猫ってやつは、好奇心の塊だ。狭い隙間には頭を突っ込みたくなるし、揺れるものは叩きたくなるし、見知らぬ場所は探検したくなる。
時には、それで危ない目に遭うこともある。でも、そんな危なっかしいことを繰り返してこそ、猫は賢くなるんだ。いや、猫に限った話じゃない。人間だってそうさ。  

ほら、考えてもみなよ。物語ってのは、大抵、誰かの好奇心から始まる。
例えば、お姫様が「この森の向こうには何があるの?」と冒険に出たり、科学者が「この薬草にはどんな力があるんだ?」と実験したり、少年が「この鍵はどこで使うんだ?」と地下室を探検したり……。
もし彼らが「危ないからやめておこう」と引き返していたら? 物語は生まれなかった。退屈で、安全な世界が広がるばかりさ。  

それに、現代の人類の偉大な文明や技術も、好奇心が大きく関わっているよね。

……ただ、注意しなきゃいけないのは、好奇心にも種類があるってことだ。
知識を求める好奇心、世界を広げる好奇心、これらは素晴らしい。
でも、人の秘密を暴こうとする好奇心や、無暗に危険に突っ込む好奇心は、確かに命取りになりかねない。猫が知らないものを舐めてしまって倒れるように、人間も「知らなくてもよかったこと」を知ってしまって苦しむことがある。  

だからね、僕はこう言いたい。「好奇心は猫をも殺す」かもしれない。けれど、「好奇心がなければ猫は生きている意味がない」。
知りたがりで、学びたがりで、探検したがり——そういう気持ちがなかったら、世界は退屈な檻になってしまう。  

さあ、君はどうする?
知ることを恐れるかい? それとも、この黒猫のように、興味のおもむくまま世界を見に行くかい?
まあ、どっちにしても、気をつけるんだよ——この世には、本当に「押してはいけないボタン」ってのがあるからね。

今回はこのへんで。
じゃあ、僕はそろそろボタンの上で昼寝でもするよ。
また気が向いたらよろしくね。
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