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霧の世界

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私が体験した霧にまつわる不思議な出来事です。

ある朝のことでした。

私が住んでいる地域は、秋から冬にかけて霧が立ちこめることがよくあります。その日も、窓の外を見ると白い霧が深く立ちこめていました。


通勤のために家を出ると、霧の中は深くて周囲が見えないほどでした。しかし、私は毎日同じ道を通っていたので、目を閉じて歩いても道に迷うことはなかったのです。

しかし、その日は違いました。霧の中を歩いていると、いつもの道から外れてしまったような気がして、不安になってきました。

そこで、私はスマートフォンのマップアプリを開いて、現在地を確認しようとしました。しかし、なぜかアプリは正しく動作しないまま、画面にはただ真っ白な霧が映し出されるだけでした。

不思議なことに、霧の中にいる私には、スマートフォンの画面すら正常に表示されなかったのです。私は再び周囲を見回しましたが、霧は深く、どこにいるかも分かりませんでした。

不安になって歩き続けると、突然霧の中から誰かの声が聞こえてきました。その声は遠くから聞こえてくるような感じで、何とか耳を澄ませて聞いてみると、その声は「こっちだよ」と私を呼ぶようなものでした。

私は声の方向に歩いていくと、やがて霧が晴れて、見覚えのある通りに出ました。そして、目の前にいたのは、なんと知り合いの女性でした。

彼女は私を待っていてくれたようで、私が霧の中で迷子になったとわかると、声をかけて探しに来てくれたのでした。

それ以来、私は霧の中で迷子になったときには、彼女が現れてくれると信じています。不思議な体験でしたが、あの声がなければ、今でも霧の中でさまよっていたかもしれません。
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