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義母の亡くなった後日

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私の義母は長い闘病の末に息を引き取りました。
彼女は私たち夫婦の家で最期を迎えましたが、その前には娘である妻と何度も言い争いをしていました。妻は義母の介護に疲れ果てていて、不満や愚痴を言ってばかりでした。私も妻の態度に腹を立てていて、義母の死の直後に夫婦喧嘩になりました。


その日の夜、私は妻に話しかける気にもならず、早めに寝室に入りました。
妻は居間でテレビを見ていたのですが、そのときから不思議な現象が起こり始めたそうです。妻の周りには、義母がよく座っていたソファーやテーブル、テレビの横などに、小さな火花が散るような音が聞こえてきたのです。妻は最初は気にしなかったのですが、音はどんどん大きくなっていきました。
そして、妻がテレビのリモコンを手に取ろうとしたとき、リモコンから電気がビリビリと流れてきて、妻は悲鳴を上げました。

私はその声に驚いて寝室から飛び出しました。
妻は泣きながら私に抱きついてきました。私は妻をなだめながら、居間を見回しましたが、何も変わった様子はありませんでした。しかし、妻は義母の霊が怒っているのだと言い張りました。私はそんなことはないと思いましたが、妻の気持ちを考えて、一緒にお経を唱えて義母に謝りました。

その後、妻は落ち着いてきましたが、私はまだ不思議な音の正体がわかりませんでした。
もしかしたら、義母が生きていたときに使っていた電気製品が故障していたのかもしれません。でも、それならなぜ音は妻の周りだけに聞こえたのでしょうか。
私は義母が本当に霊になって妻に怒りをぶつけていたのかもしれないと思い始めました。それとも、妻が義母に対して後悔や罪悪感を抱いていたのかもしれません。
私は妻に優しく接することにしました。義母の初七日が終わるまでは、平和に過ごしたいと思いました。
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