本当にあったかもしれない不思議な話

シャボン玉

私はある日、仕事帰りに交通量の多い道路を運転していました。
暑いので、窓はすべて開けていました。すると、突然、助手席側からシャボン玉が1つ飛んできて、私の目の前を横切りました。
シャボン玉はハンドルを握っている手の上を滑り、運転席側の窓から出ていきました。私は驚いて、周りを見回しましたが、シャボン玉を飛ばしている人は見当たりませんでした。
どうやって入ってきたんだろうと思いましたが、別に気にせずに運転を続けました。

しかし、その後も同じ現象が何度も起こりました。いつも同じ場所で、同じ方向から、同じようにシャボン玉が飛んできて、私の手の上を通って、窓から出ていきました。
私は不思議に思って、その場所について調べてみました。すると、衝撃的な事実を知りました。
その場所は、数年前に起きた大きな事故の現場だったのです。その事故では、子供を乗せた車がトラックに追突されて、炎上しました。子供はシャボン玉が大好きで、いつも車の中で飛ばしていたそうです。
その子供の霊が、シャボン玉を飛ばしているのではないかという噂がありました。私は恐怖に震えました。私の車には、その子供の霊が乗り移っているのでしょうか。それとも、私に何か伝えたいことがあるのでしょうか。
私はもう、あの道を通ることができません。あのシャボン玉が、私の手の上をスーッと滑る感触が、今でも忘れられません。