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話のタネになる雑学
生物は一つの細胞から生まれた!?
しおりを挟む現代の生物学では、私たち人間を含む地球上のすべての生命は、最的に共通の祖先に行き着くと考えられています。
この存在は LUCA(Last Universal Common Ancestor:最後の共通祖先) と呼ばれ、およそ42億年前に生きていたと推定されます。LUCAは単純な分子ではなく、すでに数千種類ものタンパク質をつくれる複雑な構造を持ち、DNA・RNA・タンパク質を使って生命活動を行う、立派な微生物のような存在だったと考えられます。
ではLUCAこそが「最初の生命」だったのかというと、そうではありません。
LUCAの前には、もっと原始的で不安定な生命もどきが存在していたはずです。これらは互いに遺伝子を交換し合いながら進化し、やがて一つの系統にまとまってLUCAへとつながったと考えられています。
このため、「生命は一つの細胞から始まった」と単純に言うのは正確ではありませんが、「今の生物はすべて一つの祖先を共有する」という意味では正しいのです。
生命の起源については複数の有力な仮説があります。代表的な一つはRNAワールド仮説で、「RNA」という分子が最初に情報の保存と化学反応の触媒という二つの役割を担い、そこからDNAやタンパク質を使う生命へ進化したと考えます。
実験室でもRNAが触媒として働く例が見つかっており、支持されています。ただし、自然界で長いRNAがどうやって最初にできたのかは謎です。
もう一つは代謝先行説で、生命の始まりは遺伝情報ではなく、エネルギーをやりとりする化学反応の循環だったという考えです。特に海底のアルカリ性熱水噴出孔は、ミネラルの壁が化学反応を助ける「天然の反応炉」として有力視されています。また、温泉や干潟の湿乾サイクルによって分子が濃縮・結合し、膜で包まれた原始的な細胞(プロトセル)ができたという説もあります。
さらに、パンスペルミア説は、生命やその材料が宇宙からもたらされた可能性を指摘します。隕石からはアミノ酸や糖など、生命に必要な有機分子が見つかっていますが、それがそのまま生命になった証拠はありません。
地質学的には、35億年以上前の化石や同位体の痕跡から、生命は非常に古くから存在していたことがわかります。もし42億年前までさかのぼれるなら、地球が安定した直後に生命が生まれたことになります。
まとめると、生命の歴史は「無生物からの化学進化 → 原始的生命の多様な試み → LUCAの誕生 → 現在の生物へ」という長い道のりです。私たちの体をつくる分子の設計図や化学の仕組みは、その最初期から受け継がれてきた共通の遺産なのです。
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