46 / 302
四十五話 お題:ナイチンゲール 縛り:花笠、戯れ事
しおりを挟む
専門学校で知り合った悪友の話である。彼は自他共に認める女好きで、しょっちゅう街中でナンパをしているのだが、一度花笠祭りでナンパをしたことがあるという。
「夏に友達と普段行かないようなところ行かねぇかってことになってさ。車で山形まで行ったんだけど普通に祭りがすげぇから、なんていうかナンパする空気でもなくなって単なる旅行になっちまったんだよな」
とはいえなんだかんだ祭りを楽しんでいたそうなのだが、その最中にふとすれ違った女性に彼は一目惚れをした。
「友達に悪い、俺ちょっと行ってくるわって言って追いかけてさ。花笠で顔隠れてたけどそれでも俺の好みドンピシャだっていうのわかったし」
幸いすぐに追いつくことができ、彼はそのままナンパを開始した。しかしどれだけ話しかけても反応がない。一体どうしたのかと彼が不審に思うと、彼女は二コリと笑って、
「声は出してくれたんだけど人の声じゃねぇんだよ。鳥の鳴き声。鳴き真似にしても上手いとかそういうレベルじゃなかった」
それでも彼は諦めず、鳥の鳴き真似上手いねと話しかけたりしてねばったそうなのだが、彼女は笑顔を浮かべて鳥の声で鳴き続けるだけなのでとうとう諦めて退散したという。
「友達からは駄目だったか、ざまぁみろとかからかわれるしさ。忘れようにも声以外はほんと好みだったから中々忘れられないし、すっかり嫌な思い出になったよ」
それからしばらくして、彼はドイツに旅行に行ったそうなのだが、そこで花笠祭りで出会った女性と同じ鳴き声を聞いたそうだ。
「調べたらナイチンゲールって鳥で日本にはいないんだよ。それであの祭りの時のは本当に戯れ事だったんだってことがわかったんだ。こっちは本気だったのに」
流石にかわいそうになったので、今度飯でもおごってやるよ、と言っておいた。
「夏に友達と普段行かないようなところ行かねぇかってことになってさ。車で山形まで行ったんだけど普通に祭りがすげぇから、なんていうかナンパする空気でもなくなって単なる旅行になっちまったんだよな」
とはいえなんだかんだ祭りを楽しんでいたそうなのだが、その最中にふとすれ違った女性に彼は一目惚れをした。
「友達に悪い、俺ちょっと行ってくるわって言って追いかけてさ。花笠で顔隠れてたけどそれでも俺の好みドンピシャだっていうのわかったし」
幸いすぐに追いつくことができ、彼はそのままナンパを開始した。しかしどれだけ話しかけても反応がない。一体どうしたのかと彼が不審に思うと、彼女は二コリと笑って、
「声は出してくれたんだけど人の声じゃねぇんだよ。鳥の鳴き声。鳴き真似にしても上手いとかそういうレベルじゃなかった」
それでも彼は諦めず、鳥の鳴き真似上手いねと話しかけたりしてねばったそうなのだが、彼女は笑顔を浮かべて鳥の声で鳴き続けるだけなのでとうとう諦めて退散したという。
「友達からは駄目だったか、ざまぁみろとかからかわれるしさ。忘れようにも声以外はほんと好みだったから中々忘れられないし、すっかり嫌な思い出になったよ」
それからしばらくして、彼はドイツに旅行に行ったそうなのだが、そこで花笠祭りで出会った女性と同じ鳴き声を聞いたそうだ。
「調べたらナイチンゲールって鳥で日本にはいないんだよ。それであの祭りの時のは本当に戯れ事だったんだってことがわかったんだ。こっちは本気だったのに」
流石にかわいそうになったので、今度飯でもおごってやるよ、と言っておいた。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
余命僅かな大富豪を看取って、円満に未亡人になるはずでした
ぜんだ 夕里
恋愛
傾きかけた家を救うため、私が結んだのはあまりにも不謹慎な契約――余命いくばくもない大富豪の辺境伯様と結婚し、彼の最期を穏やかに看取ることで莫大な遺産を相続する、というものだった。
しかし、人の死を利用して富を得るなど不正義!
そう考えた私が立てたのは、前代未聞の計画。
「そうだ、遺産が残らないくらい贅沢の限りを尽くしてもらえば、すべて丸く収まるじゃない!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる