不幸続きの俺は人を辞めることになりました!

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第一話 転生

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「あ~あ・・何で今さら学校なんかに行かなきゃ行けないんだよ・・」

学校にはもう2ヶ月くらいは行ってないと思う。

というか、高校に入ってからは入学式くらいしか行ってないんじゃないか?

そんな俺に昨夜、担任を名乗る男から電話が来た。

『神崎大和(かんざきやまと)君だね?入学式のとき以来、学校に登校してこないから気になって電話したんだ。もし良ければ明日君の家に伺ってもいいかな?渡したい物も沢山あるし』

「すいません・・・明日から行くんでその時貰います・・」

『本当かい?それじゃあ明日待っているよ』

担任の言葉を最後に電話が終わる。

家に来られるなんてたまったもんじゃない。

「2ヶ月も放置して置いて今さらなんだよ・・」

そんな悪態をつきながら俺は再び暗い部屋に戻って行った・・・






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~







「・・・暑い」

六月の終わり頃、学校では衣替えも終わっているだろう。

しかし、俺はそんな事知るはずもないのでブレザーを着て登校している。

「しばらく引きこもりをしていた俺には辛い・・今すぐにでも帰りたい・・・」

そんな俺の呟きも公園で遊ぶ子供たちにかき消される。

「よくこんな暑い中公園でボール遊びなんて出来るな・・」

元気よく遊ぶ子供たちに感心していると、

ボールが道路の方に転がって行った。

慌てて一人の子供がそのボールを追いかける

トラックが近づいていることに気付かずに・・・

「馬鹿野郎!!死ぬ気か!!」

俺は無意識のうちに子供の元に駆け出す



そして・・・



キキーーーーーー!


そこで俺の意識は途絶えた・・・






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





「・・・・・・・さん・・・・」


・・・・・何だ?



「・・・・・・・まと・・・さん・・」


呼ばれてる・・・?


「・・・ざきやまと・・・さん」


チッ、・・・いまいち頭が回らない。

そういえば俺は・・・・どうして寝ていたんだ・・・?

確か子供を助けようとして・・・

その後確か・・・・


「神崎大和さん!」


「ハッ!・・・あの子は!?」

「子供なら無事ですよ、貴方のおかげでね」

「そうか・・・なら良かった・・・」

本当に良かった、あそこであの子が死んでしまったらきっと・・・家族の方が悲しむはずだ。

「そういえばここは・・・一体どこだ?」

「ここは貴方達の世界で言う所の死後の世界とでも言うところでしょうか」

死後の世界・・・

そうか、やはり俺は死んだのか・・・

それはトラックに轢かれたんだ、生きているはずがない。

「貴方の名前は・・・?」

「名前ですか?そうですね、タイムとでもお呼びください」

「タイム・・・時の女神なんですか?」

「はい、私は時を司る女神です」

女神か・・・普段の俺なら鼻で笑って一蹴してる所だけど、実際こういう状況になると案外信じられるもんだな。

「これから先、俺はどうなるんですか?」

「はい、死んでしまった人間はここで今まで培ってきた人格や記憶を魂から消去し、真っ白な状態の魂にして、次の世界に送り出します」

「また、前世で悪行や、他の生物との縁が強い者は、他の生物として転生することもあります。」

なるほどな、よく異世界転生物の小説とか読んでたけど、本当にあるんだ、そんな事。

「そういえば、天国や地獄の様な所は無いのですか?」

「そうですね・・・確かに無いことは無いのですが、貴方たちの考えるそれとはおそらく違います」

「実際の天国と地獄は同じ場所で、そこに空間があるだけで時間の概念も無ければ、生物として存在する事のできない世界ならありますね」

「天国と地獄というのは人間の勝手な想像なんですよ」

「さて、あまり時間も残されてないので本題に入りますね」

本題というと転生のことかな?

俺としては自分の人生にはもううんざりしているから、今すぐにでも真っさらにして欲しいんだけど・・・

「貴方には他の人達とは違い、別の選択肢を与えましょう」

「え?」

「貴方の前世は余りにも悲惨すぎました」

「というのも、本来貴方の辿る運命はここまで悲惨なものではありません」

「悲惨じゃないって・・・一体どういうことですか?」

「私たちは世界に対するありとあらゆる情報を待っています。それはその世界に住んでいる生き物すべての生涯についても記載されています」

「しかし、どういう訳か貴方の情報は一切ないのです」

「これはあくまで私の推論ですが、おそらく管轄外の神による悪戯だと思われます」

「悪戯って・・・どうして・・・?」

「嫌がらせだと思います。私を世界の管理から外す為に」

そんな・・・馬鹿みたいな理由で俺は・・・あんな目にあったのか・・・?

ポロッ・・ポロ・・

「・・・クソッ・・・・」

涙が止まらない・・そんなつまらない理由であいつらは殺されたのか・・・


「この件については私の落ち度です」

「しかし、終わってしまった命はもう、どうすることもできません」

「なので私は貴方に今の状態のまま、別世界に転生する権利を与えます」

「転生する世界の名は【リベラル】貴方の住んでいた地球とは違い魔法の発展した世界です」

「そして、貴方がその世界で幸せに暮らせるよう私からギフトを一つ送りましょう」

「さあ!貴方は何を望みますか?」

異世界転生?

まさか俺がその立場になるとはな・・・

でも、俺はもう・・・今の記憶や人格・・そして何より人間として生きることがもう嫌なんだ・・・

だから・・・俺は・・・

「俺は・・・人間を辞めたい・・・」


俺はもう人にはなりたくない・・・


「そうですか・・・ならば仕方がありませんね・・・・貴方の願い聞き入れましょう」

「では、目を瞑り、リラックスして下さい」

俺は言われるがまま目を瞑る。

これでようやく終わるんだな・・・

あんな苦しい思い・・もう二度としなくて済む・・

「それでは、貴方の願いに祝福を・・・」


それじゃあな・・・俺の人生・・・




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




チュンチュン・・・



鳥が鳴いている・・

どうやらさっきの場所ではないみたいだ。

うん?

俺は一体何を言っている?

確か俺は転生したはずだ・・・人間ではない何かに・・・

なんで・・・?


俺は


いや、待てよ?

動物にも考えられる個体はいるはずだ。

まずは自分の体を調べるべきだろう。

とりあえず目を開けるか・・

「これは・・・すごいな・・・!」

目を開けるとそこには木々が広がっていた。

「これは森か?すごい量の木だ・・こんなの初めて見る」

しかし、今はそんな事よりも・・・

「やっぱり人間のままじゃないか・・」

何も変わってない。

地球の時と同じよく見慣れた人間の姿だった。

「クッソ!あの女神騙しやがって!」

俺は頭に来て近くの木を殴る


バキャ!


「おいおい・・マジかよ」

自分の身長を遥かに上回る木が真っ二つに折れた。

「もしかして人間を辞めたいってそういう風に捉えたのか?」

確かに俺は人間を辞めたいって言った。

でも、そうじゃねえだろ!

そんな実力的に辞めたいって訳じゃねえよ!!

「クソッ・・・・面倒なことになった・・・」

あの女神、もし次会うことがあったらただじゃおかねぇ!

「こんな所でキレてても仕方がない、とりあえず移動するか」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「しっかし、全然景色が変わんねえな、いつまでも木ばっかりだ」

かれこれ一時間、ずっと歩き続けているのだが、

辺り一面見渡す限りの木々

いい加減嫌になってくる。

「それにしても随分と不思議な生き物ばっかりだな」

一時間も森を歩いているとたくさんの生き物に出会う。

それらは全て地球にいた物とは違いかなり凶暴なものばかりだった。

しかし、今の俺には並大抵の生き物ではダメージを与える事は出来ず、全て返り討ちにあっていた。

「今まであった生き物たちは手応えのない奴らばかりだけど、やっぱりボス的な奴はいんのかな?ドラゴンとか?」

そんなことを呟いた直後である。




ゴアァァァァ!!




今まで聞いたことないような、轟音が聞こえた


「すごいな!異世界のフラグ回収率は!」



俺は急いで声の方へと駆けて行った。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




私はギルドの依頼で【迷いの森】に来ていた。

薬に使われる木の実を取るために。

依頼はあまり難しいものではなかった筈だった、

そう、

あの時、早く帰っていればこんな事にはならなかった・・・



「ふぅ、木の実の回収終わりっと」

「あとは目印通り帰れば終わりだね」

私は木についているマーカーを頼りに街に帰ろうとしていた。

そこでふと、気になるものを見つけた。

「この足跡・・・ここら辺じゃ見かけない個体のだ」

迷いの森は比較的大きな生物は存在しない。

いたとしても精々人間よりも二回りくらい大きな奴だ、

しかしこの足跡は余りにも大き過ぎる

私は興味本位でその足跡を追ってしまった。


「ここは・・・巣かな?」


辿り着いた先には半径50mくらいの範囲で木が倒されていた。

「この規模の生き物が本当に住み着いたとしたら・・・今すぐギルドに報告しないと大変な事になる!!」

私がその場を立ち去ろうとした時、

背後から轟音が鳴り響いた。

ゴアァァァァ!!

私は覚悟を決め振り返った、するとそこには・・

巨大な龍が空に浮いていた

「そんな・・・」

私は龍と目が合う

龍は口を開き魔力を溜めていた。

殺される・・・

ゴアァ!!

龍の口からブレスが放たれる

私は諦め、静かに目を閉じた・・・・







「まだ諦めるには早いんじゃないの!?」



私はその言葉に驚き閉じていた目を見開く。

そこには、私と同じくらいの歳の男の人が立っていた。

「なんでここにきたんですか!!私を見捨てれば死なずに済んだのに!!」

「うるせぇ!まだ死ぬって決まった訳じゃないんだから、諦めるな!」

次第にブレスは近づいてくる・・・

私は膝から崩れ落ちた。

「もう・・ダメだ・・・」

ブレスは目前に迫っている。

しかし、

「だから!!諦めるのは早いって言ってんだろうがぁ!!」




そう言って彼は




ブレスを殴り飛ばした・・

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