不幸続きの俺は人を辞めることになりました!

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第三話 ギルド

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「おおー!久しぶりに木以外の物見た気がするぞ!」

ルナに案内される事30分、俺達はようやく迷いの森から抜け出せた。

森を抜けた先は見渡す限りの草原で、所々に小川が見える。

少し遠くの方を見てみると、生き物の姿も確認できた。

「あとはこの道を道なりに歩いて行けば、ギルドのある町に着きますよ!」

「よし、それじゃあ先を急ぐとするか!」

「はい!」





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





「さあ、着きましたよ!平和の町【ピークス】です!」

ルナに案内され、大きな門を潜るとそこには、

人々の活気あふれる町が広がっていた。

威勢の良い商人に、品揃えの豊富な屋台。

鎧で身を固めた冒険者にレンガ造りの建物。

そして一際目立つ大きな建物。

一見古城のように見えるが、おそらく・・


「ルナ、あの奥に見える大きな建物がギルドか?」

「はい!この辺りの地域ではおそらく一番大規模なギルド、【エデン】です!」

「なんか見た感じ古城みたいだけどなんか理由はあるの?」

「元々この町は小さな国だったらしく、あの建物はその時のお城を改築して、ギルドにしたみたいです」

「気になったんだけど、その小さな国はどうなったんだ?」

「確か疫病で滅んでしまったとかなんとか・・・」


ええ~・・それやばいやつじゃん。

俺やだよ、幽霊とか怨念とか

というか、随分と図太い神経してるよねギルドの創設者たち。

普通は取り壊してから作り直すと思うよ。

だって嫌じゃん、

廃病院をそのまま学校に改築しましたー!とか。


そんなの学校行ってるうちに半透明の友達増えちゃうよ。

花子さんや太郎さんと友達になるのも夢じゃないよ。

「あの~ルナさん?あの建物で幽霊の報告とかは?」

「え?ないですよそんなの」

「そう?ならよかっ」

「よく階段とかに血が付いてたり、突然窓が割れたりしますが幽霊の報告とかはないです」

怒ってるよ!

それ絶対先代の居住者怒ってるから!

そりゃ勝手に家の中入られたら誰だって怒るよ!

「この辺に酒と塩を売っているところは?」

「え?そうですね~、確かあそこの屋台とあの青い屋根の建物で売ってたと思います」

「でも、なんの料理に使うのですか?私に出来るものなら代わりに作りますよ!」

「いや、確かに使うが、用途が違うんだ・・」

「?」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




俺はルナに教えてもらった店で塩と酒を買い

今ギルドの建物の前にいる。

塩と酒を買ったお金はさっき倒した溶岩龍から剥ぎ取った鱗を道具屋に売って金にした。

ルナが言うには3日はこのお金で生活できるそうだ。

「ヤマトさん?何をしているのですか?」

「ちょっとギルドに入る前に払っとこうと思って」

(ヤマトさんのする事はよくわからないですね・・)

俺は丁寧に塩を盛り、ドアの横に置いておく。

「よし!入ろうか!」

「あ、はい」

俺はギルドのドアに右手をかける。

これから先、長い間ここでお世話になると考えると少しばかり緊張する。

「よし・・いくぞ・・」

ドアノブを回そうとした途端。




「グフォ!?」




ドアが吹っ飛んできた




「あちゃ~、またやってますね・・・」

ルナがやれやれといった感じで首を振る。

俺は突然の出来事に理解が追いつかない。



まず、ドアって突然吹っ飛んで来る物だっけ?

それとも新手の新入りいびり?

実は早速試験みたいな事が始まってるとか?

「大丈夫ですか?ヤマトさん」

「多分平気・・・」

「一体・・何が・・起こったの?」

俺は一向に止まる気配のない鼻血を拭きながらルナに質問する。

鼻血久しぶりだな~血の味がするよ。

「これはお酒の入ったギルドメンバー同士の喧嘩ですよ・・・割と日常茶飯事ですね」

なるほどね、俺はたまたまその喧嘩に巻き込まれた訳か・・・相変わらずな不幸体質でお兄さん安心したよ。

「とりあえず、ここの事はほっといて登録に行きましょうか」

「そうだな、またここにいると誰か吹っ飛んで来るかもしれないし」

「はは・・そうですね」

俺たちはとりあえず中を進み受付に向かって行った。

道中何人かの酔っ払いが外に投げ出されていたが気にしない。


「ただいまです、マリアさん」

「あら、お帰りなさいルナちゃん!クエストは終わった?」

「はい!終わりました。あともう一つ別件でお話があるのですが・・・」

「何かしら?あ!もしかして隣の男の子の事かしら?」

「はい、ではヤマトさん後はご自身でお願いします」

「おう、サンキューな!」

「それで貴方はどのようなご用件ですか?」

「ギルドの方に登録したいんですが」

「ああ!登録の方ですか?私はてっきりルナちゃんの彼氏かと・・」

「え??ちょっとマリアさんやめてくださいよ~」

「ああ・・違うので安心してください」

「・・・・・・・」

「・・・ルナちゃんどんまい!」

「・・・・・・ふぁい」

「?」

ルナは「ちょっと風に当たってきます・・・」と言い残し、外に出て行った。

なんか悪いものでも食べたかな?


「まあ、気を取り直して!とりあえずこの紙に必要事項を記入してください」

「あ、はい。わかりました」

俺はマリアさんから紙を受け取る。

さて、どんなことを書くのかな?


1.名前

2.年齢

3.ルナちゃんについてどう思いますか?


1と2はともかく3はなんなのさ?

しかも、殴り書きだし・・

とりあえず3番は空欄でいいか。

「あ、3番も応えないと登録させません」

クッソ!職権乱用じゃないか!

これだから大人はずるい!

まあ、書くだけならいいけどさ、

「はい、これでお願いします」

「はいはーい、受け取りました。どれどれ・・」

「名前はカンザキ・ヤマトさんね、年齢は16歳ルナちゃんと同い年ね!」

「それで・・3番は~、『とても素直でいい子だと思います。全部策略じゃないなら』か・・・私も計算してるんじゃないかって思う時があるわ・・」

「ですよね・・」

多分マリアさんも被害に遭った事があるんだろうな

さっきまであんなにテンション上がってたのに急に遠くを見つめ始めちゃったもん。

「・・・おっと、いけないいけない!それじゃあ記入事項は大丈夫なので、次は計測に移りまーす」





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





所変わってエデンの地下一階

エデンは地下一階に闘技場があり、ここで計測を行う。

ここでは実戦形式の戦闘訓練をする事ができるらしく、腕試しに使うこともできるので、ギルドメンバーは頻繁にお世話になるそうだ。

「それじゃあ今から計測のやり方を説明するよ」

「魔力の計測はこの『マナストーン』を使って計測するわ!」

「計測の時はその石を握っているだけでいいからね、多分30秒もすれば結果が出てくるから」

「それじゃあ、張り切っていってみよ!」

マリアさんはそう言い俺に石を渡してくる。

『マナストーン』と呼ばれている石は赤紫色で透明感があり、ピンポン玉くらいの大きさだった。

マリアさんは石と呼んでいたが、俺から見れば宝石にしか見えない。

効果はリトマス紙みたいなもんだけど。

「これっていくらぐらいですか?」

やっぱりこんなに綺麗な物だから、かなりいい値段するんじゃないか?

「マナストーンは性質にもよるけど、確か500Gくらいだったはずよ」

安いな。


「というか、値段なんて気にしなくていいからいいから、ちゃっちゃとやっちゃいましょ!」

「あ、はい」

俺はマナストーンを右手で握る。

早くしないと仕事終わらないよ~!なんて言ってる奴がいるが、今は気にしない。

マナストーンを握る右手が次第に熱くなってくる。

「もういいんじゃないかな?手を開いて見せて」

俺はマリアさんに言われた通り手を開いた。

するとそこには赤紫色のマナストーンではなく綺麗な赤色のマナストーンが乗っていた。

「おお!随分と綺麗なマナストーンになったね~」

「こんなに綺麗なマナストーンを見るのは久しぶりだよー!」

「これってすごい事なんですか?」

「もちろんすごい事よ!」

「このマナストーンの性質は吸収だから吸収した魔力によって色が変わるの。それでその吸収した魔力の質が良ければこのマナストーンみたいに綺麗な赤色に変化したりするのだけれど、逆に質が悪いと赤と所々に紫色みたいな変化をするのよ」

「それにね、大体の人は混じり気のある色に変化するからこんなに綺麗な赤色に変化するのは珍しい事なのよ」

「赤色に変化したってことは火属性の魔力って事ですか?」

「そうよ!」

火属性か~・・・

悪くないといえば悪くないんだけど、もっとこう全属性とか欲しかったな・・・

一応転生者なんだし・・

「それじゃあこの結果で登録してくるから少し待っててね!」

「あれ?魔力の量はいいんですか?」

「ええ、大丈夫よ。マナストーンから調べればわかるから」

「じゃあ行ってきまーす!」

そう言いながらマリアさんは走り去って行った・・

しかしマナストーンすごいな!

属性と質、それに魔力量が一気に調べられるなんて500Gの割に凄いものじゃないか!

でも、複数の属性を持つ人はどんな風に色が変わるんだろう?

火と雷ならオレンジって感じかな?


「あ、ヤマトさん!終わりましたか?」

元気を取り戻したルナがわざわざ闘技場までやってきた。

その表情はさっきまでの暗い顔とは全く違う明るいものだった。

「おかえりルナ、登録作業は全部終わったよ」

「そうですか!それで属性はなんでした?」

「火属性だってさ」

「火属性ですか・・・私は水属性なのでヤマトさんに教えられる魔法がないですね・・」

「しょうがないさ、自分で勉強するよ」

「私も手伝える所は手伝いますね!」

「おう、ありがとな!」

「いえいえ!」

ルナとそんなやり取りをしている時だった。

突然の怒鳴り声が聞こえた。


「カンザキヤマトーー!!!!」

「!?」

「この私と勝負しろぉ!!」



そう怒鳴りながら、闘技場に飛び込んできたのは大剣を担いだ女性だった。




ただし飛び込んできたのは女性だけでなくマリアさんとドアも一緒だった・・・




しかし今日はよくドアが吹っ飛ぶな~~

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