Result~選ばれた者の選択~

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第1話 聖剣

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 鬱蒼と生い茂る木々と真っ直ぐな一本道、昼間だと言うのに日光は殆ど届かず薄暗い。

 視界は常に霞みがかっていて気味悪さも感じられる。

 私がここに来るのはこれで3回目となってしまった。

 私がここに来る目的は3回とも変わらない。

 湖の乙女にこの剣を返還するため私はここにやって来る。

 だが、私は2度も失敗した、私は返還することを躊躇ってしまった。

 この剣を乙女に返還してしまうということは国の滅びを受け容れると言うことだからだ。

 私は受け入れられなかった。

 私は彼の方の行動は常に正しいものであったと今でも信じている。

 彼の方さえ生き残れば、再び国は蘇る。

 私はそう思い続けたかった・・

 しかし、彼の方は私が剣を携え湖から戻って来るたびに私に命ずる。

 『その剣を湖の乙女へ』

 彼の方は先の戦いで致命傷を負ってしまった。

 彼の方が剣の返還を望むのはもう先が無いことを考えての事だと私は思っていた。

 しかし、私は3回目にしてその言葉の真意に気付かされた。

 先が無いのは彼の方だけではないのだと。

 その事実に気付かされた私の足に迷いはなかった。

 彼の方・・王はその結末を受け入れたのだ。

 臣下の私がその事実を受け入れない訳にはいかない。

 そして、私は湖へと辿り着いた。

 城の幻影が見えるその湖へと私は声を掛ける。

 「湖の乙女、ヴィヴィアンよ!! 私は王の命により聖剣の返還にやって来た!!」

 私の声に呼応するかのように湖の奥から波紋が広がる。

 暫くすると幻影の城の方から美しい女性が水面を歩いて此方にやって来た。

 「円卓の騎士、ベディヴィエール・・王はなんと申していたか?」

 私は王の言葉をそのまま湖の乙女へと伝える。

 「『その剣を湖の乙女へ』と命じられた」

 湖の乙女は私の言葉を聞いた後、目を瞑り、少しすると再び目を開き私に視線を向けた。

 「わかりました。では、ベディヴィエール。その聖剣を此方へ」

 湖の乙女は両手を此方に差し出して来る。

 しかし、私には一つだけ聞かなければならない事があった。

 「その前に一つだけ聞きたい事があります」

 湖の乙女は一度手を元に戻し返事を返す。

 「私に答えられる事なら答えましょう」

 私は王の命を受けた時からの疑問を湖の乙女へ投げ掛けた。

 「選定の剣による選定は真の王を見つけるものだった・・ならば剣に選ばれた我等の王の選択は王として正しいものだったのか?」

 湖の乙女は少し考えた後答えを返す。

 「王の選択は常に正しいものでした。王は常に国を最優先にし、行動を決めていました。なので、彼の選択は王として正しいものなのでしょう」

 「ならば・・何故・・このような事に・・」

 「それは王の選択が間違えていたからでしょう」

 「それはどう言う事ですか? 貴女はたった今、王は正しいと申したでは無いですか?」

 「正しいのは王としての選択であって、人としての選択ではありません。王は国を最優先にするあまり国民に対する配慮が欠けてしまった。
 人の王は人で無くてはなれません。なのに彼は王である事に徹し、人である事を辞めてしまったのですよ、だから私はその選択が間違えていると言っているのです」

 私はその答えに対し何も返せなかった。

 彼女の答えがあまりにも正しいものだったからだ。

 王が致命傷を受けた原因、それは臣下による反逆。

 そして、その臣下に付いていた貴族は王の無慈悲な選択に恐れをなしていた者たちが多数いたそうだ。

 私は彼女の答えに納得せざるを得なかった・・

 「湖の乙女よ、ありがとう。私の疑問は解消された。この剣を貴女へ返還しよう」

 私の手から差し出された聖剣を湖の乙女は受け取る。

 「その剣を貴女はどうするのだ?」

 「私はどうもしません。ただ、この剣は選ばれた者のみが扱える物。この先、王の様な適正者が現れればその者の元に自然と辿り着くでしょう」

 「そうか・・その聖剣は魔法の力を宿している。どうかその者が聖剣の力を正しい選択に使う事を願おう」

 「そうですね・・この聖剣エクスカリバーの次の担い手に期待しましょう」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 まだ少し肌寒さを感じる四月の夜の事。

 バイトを終えた俺は晩御飯を買う為にコンビニに向かっていた。

 普段は自炊をするのだが、ここ最近何かと忙しく買い物に行く事が出来なかった為コンビニ弁当で済ませてしまうと言う魂胆だ。

 朝比奈 春人(あさひな はると)は訳あって一人暮らしをしている。

 一人暮らし自体特段珍しい事では無いと思うが高校一年生での一人暮らしは俺の周りには俺しかいない。

 その為、コンビニ弁当が晩御飯は珍しい事では無い。

 ただ、何時もより食費がかかってしまうので多用はしない。

 普段お世話になっているコンビニに向かう途中、道路を歩いていると一際目を引く女の子とすれ違った。

 (外国の人かな?)
 
 その女の子はパーカーのフードを被っていたが正面からすれ違った為、顔を確認する事が出来た。

 綺麗な金髪の髪に、端正な顔立ち、青色の大きな瞳が人形を彷彿とさせるとても綺麗な人だった。

 だが、目を引く点はもう一つあり女の子の左肩には竹刀ケースの様な物を提げていた。

 (うん?剣道でも習いに来たのかな?」

 そんな事を考えていると背後から突然声を掛けられる。

 「Exucuse me?」

 「え? あ、はい! 何でしょうか?」

 突然英語で声を掛けられたことによって焦ってしまい日本語で返してしまう。

 「あ! すいません。日本だから日本語で話さないと。道を尋ねたいんですけど良いですか?」

 フードの女の子は流暢な日本語で言い直し俺に道を尋ねてくる。

 「ええ、大丈夫ですよ」

 俺は内心、フードの女の子が日本語を話せる事にホッとしながら返事を返した。

 「ありがとう! えっと、この辺に大きな公園ってあるかな?」

 「え? ああ、この先を真っ直ぐ行けば白山公園って所がありますよ」

 「本当ですか! ありがとう!」

 そう言うとフードの女の子は再び歩き出したが直ぐにこちらを振り向き、

 「そうだ、今日はこの辺、風が強くなるだろうから早く帰った方が良いよ!」

 そして、再び彼女は公園に向かって歩き出した。

 「・・・・コンビニいこ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 コンビニで千円分の晩御飯を買った後俺は家に帰ろうとしていたが一つ気がかりな事があった。

 (そういえば、公園の道を聞いて来たけど風が強くなるって言ってなかったっけ?)

 「少し見てくるか」

 公園に向かうまでの道中、俺は違和感に気付いた。

 「人通りが・・全く無いぞ? まだそこまで遅い時間じゃ無いのに・・どうしてだ?」

 俺はフードの女の子が心配になり、急いで白山公園に向かった。

 「おいおい・・流石に嘘だろ?」

 俺が白山公園につくとそこには人っ子一人いない公園が広がっていた。

 普段はこの時間ならランニングをしている人や、カップルがそこそこいるのだが、今日は一人もいない。

 俺は少し気味悪く思ったがフードの女の子に何かあったらと考えると居ても立っても居られなくなり、園内に入っていった。

 この公園はかなり広く、遊具や広場、水場にキャンプ施設などがあり、人を探すとなると少々骨が折れる。

 俺は数時間はかかるだろうと思っていたが、直ぐに手掛かりを掴む事になる。

 「これって・・あの子の持ってた竹刀ケースじゃ・・?」

 遊具エリアの入り口落ちていた紺色の布は確かに彼女が持っていた竹刀ケースと同じ物だった。

 「それじゃあ、この辺にいるのか?」

 俺は辺りを暫く歩いていると、

 「うん?何で水が溜まっているんだ?」

 ここ数日間この辺では雨が降っていない上に、周りのコンクリートは乾いている為、その水溜りだけが目立っていた。

 気になった俺はその水溜りの近くに行ってみたのだが。

 「これは・・水なんかじゃ無い!!」

 俺は背筋が冷たくなる。

赤黒い色をした液体は間違いなく血液だった。

 全く予想していなかったと言うわけではなかったが、実際に目の当たりにすると急に恐ろしくなる。

 「・・・・まだ、そうと決まった訳じゃない!」

 俺は他にも手掛かりがないかと周囲を見渡すと、よく見るとキャンプエリアの方に血痕が続いていた。

 「どうか、生きててくれよ!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「・・・・・・はぁ…はぁ…」

 キャンプエリアにあるログハウスの近くに来ると痛みを我慢しているかの様な呼吸が聞こえた。

 俺は音のする方に向かうとそこには、腹部が赤く染まった先程の女の子が傷口と思われる部分を抑えながら辛そうに座っていた。

 「おい! 大丈夫か!」

 女の子はゆっくりと顔を上げ、

 「・・・・あれぇ?・・さっきの・・ダメだよぉ・・ここにいたら・・やられるよ・・」

 「やられるって一体どう言う事だよ?! それよりも早く傷口を手当てしないと大変な事に・・」

 「いや、もう手遅れだ」

 俺が女の子を移動させようとすると背後から声を掛けられる。

 「誰だ!!」

 「・・チッ、・・もう追いつかれたか・・」

 背後からの声の正体はローブを身に纏った長身の男で異様な雰囲気を放ちながら佇んでいた。

 「小僧、悪いことは言わない。直ちにそこから消えるがいい」

 「この子を一体どうするつもりだ?!」

 俺は恐怖を抑えながら女の子を庇うようにローブの男と女の子の間に入る。

 「小僧には関係あるまい」

 「これ以上この子に手を掛けようと言うなら俺はここを退くわけには行かない!!」

 「フン、何も知らぬ小僧が何を言うか。それにその足でどうやって立ち向かうと言うのか?」

 ローブの男に言われるまで全く気づかなかったが、俺の両足は得体の知れぬ恐怖で震えていた。

 「はぁ…はぁ…・・・・ねぇ・・きみ・・」

 「どうした?」

 「今すぐ・・にげて」

 女の子言葉に俺は振り返る。

 「そしたら君は!」

 「私なら・・大丈夫・・魔法もあるし・・それに・・今はただの剣だけど・・こいつもあるから」

 彼女はそう言い、床に置いてあった剣に触れる。

 その剣は両刃の剣で黄金の装飾が施された美しい剣だった。

 「でも、その傷じゃ戦うことなんて・・」

 「私は・・・・貴方に・・死んでほしくないの・・」

 そう言った彼女の目は潤んでいて声は震えていた。

 「・・・・俺は・・何も・・出来ないのか…?」

 「小僧、覚悟は認めよう。だが、覚悟だけではどうにもならない事もこの世界にはある。まして、小僧には対抗するだけの力も無いだろう」

 男の言うことは正しい事だと理解できる。

 だが、それでも俺は・・・・

 『貴殿はその選択で満足するのか?』

 不意の問い掛けに焦っていた俺は声を荒げる。

 「今度は誰だ!?一体どこにいる!?」

 『もう一度問おう、貴殿はその選択で満足するのか?』

 聞こえて来るその声は何処から聞こえて来るのか判断する事は出来ず、声質は男性とも女性とも取れる声だった。

 だが、驚くべきは俺の今置かれている状況だった。
 
 ローブの男も傷を負った女の子も一切動くことは無く、木の枝から落ちた木の葉は空中で静止していた。
 
 「これは・・時が止まってるのか?」

 俺は周囲を見渡し今置かれている状況を確認しようとするが、特に新しい発見は見つけられない。

 今の状態を作り出しているのがこの声の主だと言うのなら今は質問に答えることが先決だろうと思った俺は謎の声に自分の答えを返す。

 「俺にはあいつに対抗する力も・・術も何も持っていない。

 でも・・今ここで引いたら必ず後で後悔する。
 
 だから俺は・・自分で後悔しない選択をしたい・・

 だけど・・今の俺の実力じゃその選択をする事すら出来ない・・」

 俺は実際に奴の攻撃を見た訳では無いが彼女の発言、そして彼女の傷や服を見てわかった事がある。

 あいつは魔法使いだと言うことを。

 そして、その実力は人を容易く殺せる程のものだと言うことを。

 そんな相手になんの力も持たない俺が勝てる訳が無い。

 けれど・・見捨てる事なんて出来なかった。

 だから俺は立ち向かおうとしたんだ・・

 けれど・・

 『確かに今の貴殿では奴に敵うはずは無いだろうな』

 「だから俺は・・」

 一度引こうとしてしまった。

 『だが、貴殿は立ち向かおうとした。それは彼女を思っての事だろう?』

 「・・ああ」

 『私の前の持ち主はそのような事を考えなかった』

 「・・持ち主?お前はもしかして・・彼女の持っていた剣か?」

 『そうだ。私の前の持ち主は民よりも国を優先した、それは王として正しい行動なのだろう。

 だが、その結末はとても悲惨なものだった。

 統治する国は滅び、肉親から死に至るほどの致命傷を受け、多くの者に裏切られた。

 だから、私は貴殿の様に見知らぬ人を命懸けで助けようとする者の結末を見てみたくなった。

 勇気ある若者よ! 率直に言うと私は貴殿が気に入った。

 自身を省みぬその心意気、そして、かの王が持ち得なかった王としての素質。

 今置かれているこの絶望的な状況を私を使い打破して見せよ!

 そして、私に貴殿の選択とその結末を見せてみよ!』

 彼女の持っていた剣の声はそこで途絶えた。

 声が止むと同時に再び時間が動き出す。

 「どうした? 小僧、早く立ち去るが良い」

 「・・・・・・・・・」

 俺は後ろの女の子を確認する。

 彼女は目を瞑り苦悶の表情を浮かべていた。

 その表情が俺に覚悟を決めさせる。

 「・・・・・・・・やるよ」

 「む?」

 「・・・・・・せてやるよ」

 彼女の隣にあった剣が眩い光を放ち始める

 「何!? その光まさか聖剣が、そんなはずはない!! あれはブリテンの王でなければ!!」

 「俺には自分が今置かれている状況も・・何と戦おうとしているかも分からない・・でも・・俺は・・目の前で殺されそうになっている人を見捨てる事なんて出来ない! それが例え間違っていた選択だとしても俺は絶対に後悔しない!! だから俺はこの状況を打ち砕く!!」

 聖剣と呼ばれていたその剣は俺の言葉に答えたかの様に俺の目の前に突き刺さった。

 『さぁ、私を引き抜け! 新たな王よ!』

 「力を貸してくれ!! 聖剣!!」

 俺は地面から聖剣を引き抜く。

 すると体の奥から徐々に力が溢れてきた。

 「この力は・・?」

 「チッ!! とっとと始末するべきだったか!!」

 ローブの男は俺に向けて火球を放つ。

 「ハッ!!」

 俺はすかさず火球を聖剣で切り落とす。

 俺は聖剣を構え直しローブの男へ切りかかった。

 「もう、やめろぉぉ!」

 「クッ、そんな直線的な動きで当たると思うなぁ!!」

 ローブの男はバックステップで俺の攻撃を回避しようとする。

 しかし、男の思惑通りにはならなかった。

 俺の剣による攻撃は男に当たる事は無かった、しかし。

 「グハァ!!」

 男は勢いよく遠くの大木まで吹っ飛んで行く。

 「・・・・まさか・・魔力まで使えるようになっているとは・・・・」

 「今のは・・一体? 奴には当たってなかった筈だが・・」

 男はよろけながら立ち上がる。

 男のローブは縦一線に引き裂かれていた。

 「小僧・・・・今回は引いてやる・・・・次会った時は必ず殺してやる」

 男は鋭い目付きでこちらを睨みつけ殺気の篭った声で言い放つ。

 ローブの男は地面に魔法陣の様なものを描くとその場から消えていった。

 「おい!! ちょっと待てよ!!」

 キャンプエリアに取り残された俺は強敵と対峙した事から一気に疲労の色が現れる。

 立っていることも一苦労だったが、俺は女の子の元に行き容態を確認する。

 女の子は苦悶の表情を浮かべているものの、出血は止まっており一先ずは安心と言ったところだった。

 俺は右手に持っている聖剣を見て誰に尋ねるわけでもなく、独り言の様に呟いた。

 「一体・・何が起こってるんだよ・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 春人がローブの男と戦っている頃、

 辺り一面に広がる草原に一人の男が佇んでいた。

 その男は目を瞑っていて少しも動く事は無かった。

 暫くすると男は突然目を見開き。

 「ようやく現れたか。全く・・随分と待たせてくれるね!」

 男は地面に落ちているローブと一冊の本を手に取ると遠くを見つめ呟いた。

 「さぁ、君はどの様な選択をし、どの様な結末を辿るのかな?」

 男は不敵な笑みを浮かべ、その場から消えていった。
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