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翠樹高等専門学校
しおりを挟む学校の窓から外を見た。夕日が空を染め上げる様子は、まるで神秘的な色彩の絵画を描いているかのようだ。
あの日から約2ヶ月が過ぎ、今日は初めての登校日だ。
この学校は夜間定時制ではないため普段なら朝から学校があるらしいが、今日は妖怪関係で色々あったらしく夕方から学校があるらしい。
「こはくちゃん、教室そっちじゃないよこっちだよ」
と、湊くんが教えてくれた。
『え、ごめん。ありがと』
初っ端から教室の場所を間違えてしまった。恥ずかしい。
湊くんは何の躊躇いもなく、教室のドアを開け中に入っていく。私も湊くんの後を追って教室に入った。
教室にいた人たちがチラチラとこちらを見てくる。私は他人に見られることがあまり好きではない。
(まぁ、みんな同じクラスの人がどういう人か気になるだろうし、見られるのは仕方ない)
と、思いながらクラスを見渡した
結ちゃんがいないか探していたのだ。
「あれ、こはくちゃん…?」
後ろから名前を呼ばれた、この声は…!
『結ちゃん!』
「おー、久しぶり」
『2人とも合格できて良かったね』
嬉しい再会に、私たちは笑顔で話し始めた。しかし、その、一方で誰かが私たちの話を妨害するような言葉を放った。
「チッ...おい、邪魔だ退け」
声のした方を見ると、私たちを睨みつける不機嫌な顔をした人が立っていた。
「あれ、君は」
『刻み生姜…じゃなかった風弥豹牙!』
「風弥…?」
湊くんがなんとも言えない表情で風弥豹牙を見る。
『知り合い?』
「いや、そういう訳じゃないけど…」
「おいクソ女!てめぇ俺の名前馬鹿にしてんじゃねぇぞ!」
風弥豹牙は激昂し、私の胸ぐらを掴み上げた。
『離してくれない?制服にシワがつく。』
私と風弥豹牙はお互いを睨みつける
「ちょっとちょっと、初日から乱闘騒ぎ起こす気?」
『水流園先生……』
「ほらほら、自分の席に座って」
「チッ…」
先生にそう言われると、風弥豹牙は私の胸ぐらから手を離し自分の席に座った。
私も教卓に置いてある座席表を確認して、自分の席に座る。
「君たちの担任になりました、眉目秀麗で才徳兼備の水流園蓮です、ヨロシク~」
クラスには何ともいえない雰囲気が漂った。
(普通自分で言うか、それ)
「水流園先生…初めて実物見た……」
私の隣の隣の席の子はキラキラ輝く瞳で先生を見ていた。
「じゃあ、1番から出席番号順に自己紹介していこうか」
「葵stand up!!」
「えー、葵裕也です。鹿児島の西越中学校出身です、3年間サッカー部でした。よろしくお願いします」
「芥生小百合、治癒が得意で死んでなければどんな傷でも治せまーす。よろしく」
(治癒って難しいのに、どんな傷でも治せるって凄いな)
「榎本彩葉です!福岡から来ました。よろしくお願いします!」
「管野禅です!音楽が好きで中学では吹奏楽部でした!よろしくお願いします!」
「…風弥豹牙、赤桐中出身」
「日下結です、カフェが好きで休日はよくカフェ巡りをしています。おすすめのカフェがあったら教えてください!あと、今週の土曜日にもカフェ行くんですけど1人じゃ寂しいので誰か一緒に行きませんか?」
結ちゃんは、周囲を見回しながら微笑みを浮かべた。その微笑みは、まるで太陽のように明るく、周囲の人々を魅了した。
(流石結ちゃん天使の微笑みだわ…)
「久高椋です、よろしくお願いします。」
「椿、よろしく。」
そう言うと、ドカッと自分の席に座りそっぽを向いた。
(え、苗字は?)
クラス全員が思ったことだろう。
「南條瑛太です、自分は中学校3年間野球部に所属していました。ガッツと根性には自信があります!よろしくお願いします!」
(次、私の番か…どうしよ、私中学部活入ってなかったし。趣味もなー特に無いんだよな)
(名前を覚えてもらうためにもあれで行くか…)
『苗字はよく間違えられるのですが月が出ると書いて、「ひだち」と読みます「つきで」じゃありません、月出こはくです。よろしくお願いします。』
「月出って…」
教室内がザワザワし出した。
(そんなに私の苗字珍しかったかな?それとも自己紹介が変だった?)
「俺は雷閃咲玖、バンドとゲームが好きで休日はよくゲームやってます、おすすめのゲームがあったら教えてください。おなっしゃ~す!」
「流川湊です、よろしくお願いします。」
「わ~美男や…」
「普通クラスの方で、めっちゃ話題になってるって聞いた」
(そうなんだよ~私の幼馴染めっちゃ顔良いんだよ~!)
「これで自己紹介は全員終わったね」
「ここにいる12人は、お互い競い合うライバルであり、同時に助け合う仲間でもある」
「5年間お互い切磋琢磨しながら頑張っていきましょう」
「エイエイオー!」
先生が掛け声をかけた。これを返してくれる子はいるのだろうか。ちなみに私は返さないよ。
「「エイエイオー!」」
(2人いたわ、名前は確か彩葉さんと、管野くん)
「うっうっ…先生嬉しいよ返してくれるなんて…」
ガラガラッ、と音を立てて教室のドアが勢いよく開いた。男の人が少し焦った表情で先生に近づいていく。
「何?柳井、今生徒達と…」
「事情は後で説明しますので、至急職員室まで来てください」
「はぁぁぁ…それ今じゃなきゃダメ?」
「緊急事態です。」
「…ハイハイ、みんな僕が戻るまで自由時間ね。この教室からは出ないように」
そう言うと、先生は男の人と一緒に教室から出ていった。
みんな自由時間と言われたことでそれぞれ話始める。
何人かが結ちゃんの机の周りに集まっていた。
「月出って宗家の苗字だよな」
「日下すげぇな、月出家の人間と友達って」
『……』
(なんか、やだなこの感じ…中学の時のこと思い出す)
私の家は、家業でかなり稼いでおり、私は中学の時、クラスの人に『あの子はお嬢様で私たちと生きてる次元が違う』ということで距離を置かれていた。
(……大丈夫、慣れたら問題ない…)
「んふふ、羨ましいでしょ、あの可愛い子私の友達なんだよ」
「月出、俺が入試の実技試験で妖怪にやられそうになってたら助けてくれたんだぜ」
「へー、すげぇ!」
(恥ずかしいいいい…褒められるのあんまり慣れてないから耐性無いんだよやめてぇ…)
「面白くて優しい子だよ、話しかけて来たら?」
「月出、俺南條瑛太っていうんだよろしくな!」
「私は榎本彩葉、よろしくねこはくちゃん!」
「月出この間の入試サンキューな!月出が助けてくれなかったら俺やられてた」
『…よろしくね、南條くん彩葉ちゃん、雷閃くん』
3人共嬉しそうに笑ってくれた。私は結ちゃんの方を見る、結ちゃんもニコニコしていた。
「あ、月出スマホ持ってる?」
『持ってるよ』
「連絡先交換しようぜ!」
「え、私も連絡先交換したーい」
結ちゃんが自分の席から立ち上がり、私の席に来た。
『ありがとう、結ちゃん』
私は結ちゃんにだけ聞こえるように小声でお礼を言った。
「ん?私は何もしてないけど?」
『結ちゃんカッコよすぎる、惚れたわ』
「んふふ~」
教室のドアが開く音がした。先生と柳井と呼ばれていた男性が戻って来たため、みんな自分の席に戻る。
「んーと、妖怪関係で緊急事態が発生して色々大変な状況らしいので1年A組は今からその加勢に向かいます」
「駐車場に止まっているバスにみんな乗ってね~」
私たちは、戦闘用の服に着替えそれぞれ必要な道具を準備してバスに乗り込んだ。全員が座席に座るとバスが動き出した
席はこんな感じです!
日下結のイメ画
榎本彩葉のイメ画
私の小説は、暴力表現・流血表現・死ネタが沢山出てくるのでお気をつけください。
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