31 / 43
第31話 遠足⑦
しおりを挟む
現時点で集まっている皆にレオ兄から演説を行う。
「皆、既に勘づいている者もいるかもしれないが、僕たちは危機に瀕している。更には街までも危機に瀕していると言ってもいいだろう。ゴブリンの大群がすぐそこまで迫ってきている。その数およそ5000!」
集まっている生徒がざわついた。それも無理はない。今まで相手にしていた数は精々5~6のゴブリンの集団だ。それが、大群になって押し寄せてくるのだ。
「だが、俺は屈しない。同じく、ユーリ、ガイトスも屈しないと誓ってくれた。去る者は追わない。だが、これだけは覚えておいてほしい。俺たち王族は国民を見捨てない。決して屈しない。逃げはしない。俺はここにいる皆が集まれば苦しい戦いでも勝てると確信している。だってここにいる者は! 選ばれしものだから! だからどうか俺たちに! この国に! その力を貸してくれないか? 俺たちには君たちの力が必要だ! もう一度言う! ゴブリンの大群がここに迫ってきている! それでもひるまずに英雄にならんとするものはいるか? 僕はいると信じてる。必ず俺たちを助けてくれると。その勇気のあるものは俺たちについてこい! 必ず勝負に導いてやる!」
その場が一瞬の静寂に包まれる。少しあって、一人の生徒が雄叫びをあげた。それに呼応するかのように続々と声が上がる!
「「「「「うぉぉぉぉ!!! アレクシオール王国に栄光あれ! レオルグ様に栄光あれ!」」」」」
これで士気は上々だ。80まで上昇した。あとはゴブリンたちを待つのみだ。
◆
徐々に僕の領地に大群が押し寄せてきた。もう視認できる段階にまで敵が到達している。ここが味方の強化の頃合いか。
「ここにいる皆! いまから俺のスキルを発動する。味方を強化するものだ。いつもと体の感覚が違うだろうから、できるだけ慣らしてくれ!」
初めての能力の使用だ。正直どうなるのかは分からない。でも、ワクワクしている部分もある。
「【味方強化】」
僕を中心にしてこの場にいる全ての者へ放物線上に光が伸びていく。何とも幻想的な情景だ。
「お、おい! なんだ。この感覚は! 自分の体じゃねぇみたいだ!」
「なんだか力が湧いてくる。な、なんだ。この感覚は!」
「おい! ユーリ。この能力はやばいぞ。力が湧き出てくる。まるで全盛期のころに戻ったかのようだ」
「その認識で合ってますよ、ガイトス先生。どうやら全盛期の力を一時的に使用できるものらしいです。」
「おいおい! そりゃえぐいぞ? 正直戦争に革命が起きる」
「でも、この能力は必要なレベルまで士気を上げる必要があるので、軍全体に使用するのは難しそうです。」
「そうかぁ。レオルグはどうだ!?」
「やばいぞ! ユーリ! 最高だ! 今なら父上と張り合えるかもしれない!」
「がんばりましょう!」
「おう!」
少し離れたところには、驚いたような顔をしている皆がいる。エルドやエレン、トールにセシリア、ミルトだ。こんなことに巻き込んだのは僕のせいだから謝らないとね。
「皆!」
「おう! ユーリ! 凄いな! お前のスキル!」
「ありがとう! エレン。でも、こんなことに巻き込んじゃってごめんね」
「気にするこたぁねぇよ。俺たちもこの戦いを経て成長できるんだ。元々の目的は経験を積むことだろ?」
「ハハハッ。確かにそうだね。ありがとう、トール」
「怪我したら私がみんなを治してあげるからね!」
「頼むね。セシリア」
セシリアもフンスッといった状態で戦意に満ちあふれてる。
「ユーリ様は気にしなくていいんですよ。俺はただついていくだけです」
「あぁ、頼むぞ。エルド」
「僕も頑張るから!」
「ミルトまで。みんなありがとう! 僕たちは他の皆を勢いづけるためにレオ兄たちと共に先陣をきることになる」
皆がいてくれてよかった。本当に良かった。
「セシリアは後方支援を頼む。光魔法持ちは貴重だ! 頼むよ」
「分かった。無理しないでね。」
「ああ。ミルトは相手の指揮官に矢を当てていってほしい。ゴブリン軍は指揮系統を潰せば瓦解するからな」
「分かった。任せてよ」
「他のみんなは僕についてきてくれ。レオ兄たちと共に敵を蹴散らして首を獲る。短期決戦で終わらせなければ勝機はない」
「「「了解」」」
これで準備は整った。あとは待つだけだ。
レオ兄から号令がかかる。
「魔法使いは一つに固まってくれ。後衛のものも後衛で固まること。近接攻撃ができるものは俺たちについてきてくれ。後方の指揮はアリスが頼む!」
「分かったわ。死なないでよ! レオ!」
「あぁ」
「では、もうすぐ接敵する。今回は短期決戦だ。俺たちができるだけ早く向こうの首をあげる。もう少しで騎士団も来るはずだ。それまで何とか持ちこたえてくれ。守ってほしいことは一つ。死なないこと。いいな?」
全員が頷く。最後は気持ちの問題だ。
「それでは俺たちの進撃を始めようか」
――戦いが始まる。
「皆、既に勘づいている者もいるかもしれないが、僕たちは危機に瀕している。更には街までも危機に瀕していると言ってもいいだろう。ゴブリンの大群がすぐそこまで迫ってきている。その数およそ5000!」
集まっている生徒がざわついた。それも無理はない。今まで相手にしていた数は精々5~6のゴブリンの集団だ。それが、大群になって押し寄せてくるのだ。
「だが、俺は屈しない。同じく、ユーリ、ガイトスも屈しないと誓ってくれた。去る者は追わない。だが、これだけは覚えておいてほしい。俺たち王族は国民を見捨てない。決して屈しない。逃げはしない。俺はここにいる皆が集まれば苦しい戦いでも勝てると確信している。だってここにいる者は! 選ばれしものだから! だからどうか俺たちに! この国に! その力を貸してくれないか? 俺たちには君たちの力が必要だ! もう一度言う! ゴブリンの大群がここに迫ってきている! それでもひるまずに英雄にならんとするものはいるか? 僕はいると信じてる。必ず俺たちを助けてくれると。その勇気のあるものは俺たちについてこい! 必ず勝負に導いてやる!」
その場が一瞬の静寂に包まれる。少しあって、一人の生徒が雄叫びをあげた。それに呼応するかのように続々と声が上がる!
「「「「「うぉぉぉぉ!!! アレクシオール王国に栄光あれ! レオルグ様に栄光あれ!」」」」」
これで士気は上々だ。80まで上昇した。あとはゴブリンたちを待つのみだ。
◆
徐々に僕の領地に大群が押し寄せてきた。もう視認できる段階にまで敵が到達している。ここが味方の強化の頃合いか。
「ここにいる皆! いまから俺のスキルを発動する。味方を強化するものだ。いつもと体の感覚が違うだろうから、できるだけ慣らしてくれ!」
初めての能力の使用だ。正直どうなるのかは分からない。でも、ワクワクしている部分もある。
「【味方強化】」
僕を中心にしてこの場にいる全ての者へ放物線上に光が伸びていく。何とも幻想的な情景だ。
「お、おい! なんだ。この感覚は! 自分の体じゃねぇみたいだ!」
「なんだか力が湧いてくる。な、なんだ。この感覚は!」
「おい! ユーリ。この能力はやばいぞ。力が湧き出てくる。まるで全盛期のころに戻ったかのようだ」
「その認識で合ってますよ、ガイトス先生。どうやら全盛期の力を一時的に使用できるものらしいです。」
「おいおい! そりゃえぐいぞ? 正直戦争に革命が起きる」
「でも、この能力は必要なレベルまで士気を上げる必要があるので、軍全体に使用するのは難しそうです。」
「そうかぁ。レオルグはどうだ!?」
「やばいぞ! ユーリ! 最高だ! 今なら父上と張り合えるかもしれない!」
「がんばりましょう!」
「おう!」
少し離れたところには、驚いたような顔をしている皆がいる。エルドやエレン、トールにセシリア、ミルトだ。こんなことに巻き込んだのは僕のせいだから謝らないとね。
「皆!」
「おう! ユーリ! 凄いな! お前のスキル!」
「ありがとう! エレン。でも、こんなことに巻き込んじゃってごめんね」
「気にするこたぁねぇよ。俺たちもこの戦いを経て成長できるんだ。元々の目的は経験を積むことだろ?」
「ハハハッ。確かにそうだね。ありがとう、トール」
「怪我したら私がみんなを治してあげるからね!」
「頼むね。セシリア」
セシリアもフンスッといった状態で戦意に満ちあふれてる。
「ユーリ様は気にしなくていいんですよ。俺はただついていくだけです」
「あぁ、頼むぞ。エルド」
「僕も頑張るから!」
「ミルトまで。みんなありがとう! 僕たちは他の皆を勢いづけるためにレオ兄たちと共に先陣をきることになる」
皆がいてくれてよかった。本当に良かった。
「セシリアは後方支援を頼む。光魔法持ちは貴重だ! 頼むよ」
「分かった。無理しないでね。」
「ああ。ミルトは相手の指揮官に矢を当てていってほしい。ゴブリン軍は指揮系統を潰せば瓦解するからな」
「分かった。任せてよ」
「他のみんなは僕についてきてくれ。レオ兄たちと共に敵を蹴散らして首を獲る。短期決戦で終わらせなければ勝機はない」
「「「了解」」」
これで準備は整った。あとは待つだけだ。
レオ兄から号令がかかる。
「魔法使いは一つに固まってくれ。後衛のものも後衛で固まること。近接攻撃ができるものは俺たちについてきてくれ。後方の指揮はアリスが頼む!」
「分かったわ。死なないでよ! レオ!」
「あぁ」
「では、もうすぐ接敵する。今回は短期決戦だ。俺たちができるだけ早く向こうの首をあげる。もう少しで騎士団も来るはずだ。それまで何とか持ちこたえてくれ。守ってほしいことは一つ。死なないこと。いいな?」
全員が頷く。最後は気持ちの問題だ。
「それでは俺たちの進撃を始めようか」
――戦いが始まる。
1
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!
雪奈 水無月
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。
ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。
観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中…
ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。
それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。
帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく…
さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる