前世は不遇でしたが、今世では頑張ろうと思います。王子に転生してスキル【領地内政】と【人徳】を武器に異世界を生きる!

しょー

文字の大きさ
36 / 43

第36話 月日が経ち①

しおりを挟む
 あの遠足の日から月日が経ち僕たちは4年に進級した。これまでの日々で色んなことがあった。

 まず、ミヤがAクラスに入ってきたのだ。ミヤはその日のうちに両親に話したみたいで、一発OK。その後Bクラスの先生にも許可をもらって無事Aクラスの人になった。Bクラスの先生はあのゴブリン遠足の後で、色々な苦情に対応していたみたいで、忙しくフラっとOKを出してしまったみたいだ。でも、もう覆らない。

 初めは緊張していたミヤも徐々に打ち解けてきて、今では呼び捨てで言い合うような仲だ。すっかり親友だな。ミヤはすぐ僕たちのグループに馴染んだ。茶髪でハツラツとした姿は、見ているこっちも元気になる。ただ、女性的な体の成長は乏しくて、エレンやセシリアのような巨大なものではなく、慎ましい胸になっている。

 ミヤはそのことを気にしているみたいで、しきりに胸を揉んで大きくしようと画策しているらしい。それを男である僕に話すのは良いのか? とは思った。ミヤは特にセシリアと仲が良い。同じドルトスの被害者だからだとは思うが、すぐに打ち解け始めて、今ではお泊り会なんかもしているらしい。羨ましいっ! 

 ただ、ミヤに感謝しているのは、時々セシリアの胸を揉みしだくことだ。しかも、俺たちの前で。恥ずかしがる姿も可愛くて、ついつい目がどことは言わないが行ってしまう。眼福眼福と手を合わせて拝んでいると、お決まりといった様子でエレンから飛び蹴りが飛んでくる。身体能力の高いエレンの飛び蹴りを避けれるわけもなくいつも撃沈している。名誉の負傷だ。

 エレンとトールにも進展があった。一度、トールが決死の告白を行ったのだ。時は、学園祭の夜。エレンとトールを僕たちは全員尾行していた。トールのそわそわした表情で告白すると分かり、尾行することにしたのだ。

 返答は『ごめんなさい』だった。僕たちもこの返答は意外だった。なぜなら、エレンはいつもトールといる時に笑っていて、楽しそうだったからだ。喧嘩は多くしているけど、いつも仲直りしてるし、エレンとトールはお似合いの夫婦の様だった。

 その理由は、アンドレス公爵家だった。あの憎きアンドレス公爵家。エレンはドルトスと婚約の関係を結んでいるらしい。そして、中等部を卒業した後は婚約者として嫁ぎに行かなければならないのだと。

 そう涙ながらにエレンは語った。今は両親と仲たがいしている状態で、滅多に会いに行っていないらしい。

 僕の力で何とかしたいけど、まだ無理だ。アンドレス公爵家を潰すには時間がかかりすぎる。

 トールもそれは仕方ないなと笑い、エレンをそっと腕の中で抱いた。

 いつも強気なエレンが初めて出した弱音だった。僕たちがいない所だから、トールだからこそ吐き出せたのかもしれない。

 トールの顔は暗闇でしっかりとは見えなかったが、瞳にはキラキラと光るものがあった。

 それからというもの皆は平静を装って過ごしている。エレンとトールは今まで通り喧嘩する仲に戻った。だが、その距離は少し近づいているように感じた。

 でも、最も変わったのは、我が家の天使エミリアが学園に入学したことだ。

 正直に言おう。学園の中等部に激震が走った。
しおりを挟む
感想 58

あなたにおすすめの小説

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...