前世は不遇でしたが、今世では頑張ろうと思います。王子に転生してスキル【領地内政】と【人徳】を武器に異世界を生きる!

しょー

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第38話 セシリアとエミリア

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 入学式が終わって、今日は初めての登校日だ。エミィが一緒に登校したいと言ってきかないから、今日は、エルドとエミィとの登校だ。

 校門をくぐると、ミヤとセシリアが見えた。セシリアは今日も可愛いな。うん。眼福。

「お! ユーリだ!」

「ユーリ君、おはよう!」

「おはよう、セシリア、ミヤ」

「なんで私が後に呼ばれるのよ! 私の方が先に声かけたでしょ!」

「そんな怒るなよ。妹の前だし」

「あ! エミリアさんだ!」

「セシリアさん。いつも兄がお世話になっております。エミリアと申します」

「ちょっ! 無視された!? 私は眼中にないのか……」

「ミヤ、落ち込むな。 俺は見ているぞ」

「エルド~! 君だけだよ! 私を見てくれるのは」

 ごめんな。ミヤ。俺とエミリアはセシリアしか見ていないんだ。エルド、頼んだぞ。エルドの肩に手を置くと、ため息をつきながら、頷いた。エルドもミヤと話すのはまんざらでもなさそうで、僕的にはお似合いなんじゃないか? とは思うが、口には出していない。攻め手のミヤ、受け手のエルド。うん。良いと思うんだけどなぁ……

「エミリアさんっ! 一度会ってみたかったんですぅ! 可愛いっ! 尊いっ!」

 あれ? セシリアさん。キャラ変わってませんか? 手がちぎれるんじゃないかという位に握手している手をブンブン振っている。これこれ、セシリアさんや。エミィが困っているぞ。

「セシリア! 戻ってこーい!」

「はっ! ありがとう。ユーリ君。私またトリップしちゃってた」

 そう。セシリアは可愛い子を見てしまうとトリップしてしまう性格の持ち主なのだ。度々そんなことがあってもう慣れてしまった。この時のセシリアは少し怖いけど、そんなところがあっても僕は好きだよ。できれば治して欲しいけどね。

「エミィ、気にしないであげて。セシリアは可愛い人を見ると興奮してトリップすることがあるんだ」

「そ、そうなんですね。でも可愛いって思ってもらえてうれしいですっ!」

「はうぅぅぅぅぅ」

「大丈夫か!? セシリア! セシリアー!!!」

 やばい。このトリップは長くなりそうだ。即刻目を覚まさせないと!

「……はっ! またまたトリップしてしまった! ごめんね。ユーリ君。何回も」

「いいよ。それよりエミィ。セシリアに対して笑みを浮かべるとトリップする可能性があるから慣れるまでは普通に話しかけてあげて」

「わ、分かりました。よろしくお願いします! セシリアさん!」

「あ、よ、よろしくお願いします! エミリアさん」

「嫌だなぁ、私に対してはため口で大丈夫ですよ?」

「そうだぞ。セシリア。俺に対してはため口なんだから」

「そうだよね。じゃあよろしくね! エミリアちゃん!」

「はい! セシリアお姉さま!」

「ふぇ!? お姉さま?」

「ちょ! エミィ? 何を言っているんだ?」

「だって、セシリアさんはお兄様の――」

 それはまずい!!

「――」

「セシリア~? なんでもないから。じゃ! また後で」

「え? ユーリ君~~!」

「エルド! ユーリ様についていかないと」

「あ! 何してるんですかぁ。もうあの人は。じゃあまた後でな。ミヤ」

「うん!」

 まじで、危なかった。咄嗟に口を塞いで正解だった。エミィには一度しっかりとオハナシしないとね。

「ちょいちょい、エミィ。何を言おうとしてるんだ!」

「だって、セシリアはお兄様の好きな人じゃないんですか?」

「そ、そりゃそうだけど…まだ告白もしてないんだぞ!?」

「え!? ご、ごめんなさい……てっきりお兄様はもう言ってるかと思ってました」

「まぁ、核心はつかれてなかったから良かったものの……」

「でも、遅すぎます! 今度セシリアさんを王宮に連れてきてください!」

「え? 絶対?」

「絶対です! エミィが絶対と言ったら絶対なんです!」

「お、おう」

 ずいずいと顔を近づけて言われると断れないからやめてほしい。でも王宮か……セシリアからするとなかなかに厳しいな。
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