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錬金術士の弟子になる
朝食/錬金講座/貧乏と約束
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昨日のこと。
猫に転生した男は、使い魔になろうとしてなぜか主人となってしまった。
その男の前世での本名は、山中 虎次郎(32)と言うのだが、猫となった現在はトラジ(野良につき年齢不明)と名乗っている。
黒白の比率が逆のホワイトタイガーのような柄の猫で、顔にはバツ印のような傷痕がある。
そして、トラジは昨日の出来事で体力をフルで使い現在爆睡中である。
「ご主人様~。朝ですよー」
そこに使い魔である女の子が主人であるトラジを起こしにやってきた。
この使い魔の女の子の本名は、ミィナ・クロウディー(11)と言う。
腰まで伸びた桃色の髪に琥珀色の瞳。幼い割に胸囲だけは立派だ。
だいぶ抜けてるというか、ちとバカっぽい。だが、見た目は可愛い(重要)。
本来であれば昨日主人となるはずであった女の子だ。
起きたくない・・・・・・。
トラジはそう思った。
なぜならば、体が重く感じられ筋肉痛のような痛みが体をくすぐり、起きるなと声を上げる。
その不快感ゆえ機嫌も悪い。
「朝なんてくたばれ!俺は寝る!」
目覚まし時計のアラームに対して、反射的に『うるせぇ!』と怒鳴るように返事をした。
「分かりました~、ではお昼に起こしますね。ご主人様」
ん?
何かがおかしいぞ?
トラジは違和感を覚える。
「ちょっと待て」
「なんですか~?」
寝起きで頭が寝ぼけ状態だったが、あるワードが引っ掛かり次第に頭がゆっくり稼動しだす。
ついでに反射で怒鳴ってしまった事を、心の中で反省しつつそれを質問する。
「なぁ、ご主人様って俺の事か?」
「はい~。そうですよ」
「一応聞くけど、なぜ?」
「使い魔の先輩達がですね~。使い魔の心得みたいな物を教えてくれまして」
話を聞くに、疲れから男がさっさと寝てしまった後に他の使い魔から色々レクチャーされたという事のようだ。
「あいつら余計なことを・・・・・・。というか、俺が主人でいいのか?」
「色々まずいような気はするんですけど~。どうしたらいいのか分かりませんし、この流れに乗ってみようかなって思いまして」
「この流れって・・・・・・、俺は猫だぞ?ある意味すごいな」
ミィナは元々主人として錬金術士を目指す事に不安を抱えていた。自分の不出来さゆえに・・・・・・。
だからだろう。自分がしっかりしなければいけないという重荷、それから解放されたその顔色は明るく受け入れるのも早かった。
「しかしそうなるとだ。これからは俺が、色々考えて指示を出していかなきゃいけないわけか・・・・・・」
「えっと~、やっぱり難しいですよね・・・・・・?」
んー、難しいか?
俺の方が年上だし経験も多いだろうし、魔獣のいる森に無謀な特攻したミィナに主人を任せるより良いかも?
あー、そういや今後どうするか考えるとなると、黒猫とあの女のとこ行って色々聞かないといけないんだったな・・・・・・。
こりゃ、寝てる場合じゃないな。
「いや、大丈夫だ。それと、やっぱり普通に起きる事にする」
「了解です~」
「いっ!!」
そう言って体を起こすと痛みで体が悲鳴を上げた。
「そ、そのなんだ。体があちこち痛くてな、悪いんだが俺を運んで貰えないかなー。なんて・・・・・・」
「いいですよ~」
ミィナに抱っこされる。背中に当たる感触が心地いい。
全体重を背中に掛けたくなるトラジだが、鋼の精神で堪えた。
俺はミィナの保護者みたいなもんだ。
手出しは厳禁だ!耐えろ俺!
ミィナに連れてかれた先で用意された朝食を食べる事になったのだが、そこにもトラジが想定していなかった問題があった。
「なぁ、これ・・・・・・」
「今日の朝ご飯です~」
そう言って出された皿の上には、生のししゃものような子魚が1匹乗っているだけだった。
「少なくないか?」
「い、今はそれしかなくて~・・・・・・」
ミィナのお腹が『ぐぅ~~~』と空腹を訴える声を上げた。
「そういやミィナは食べたのか?」
「う~・・・・・・。今はご主人様の分しか食べ物がなくてですね」
「どゆこと?」
「実は――」
昨日の事だった。
先輩の使い魔達に使い魔の心得等を教えてもらった後、その授業料?代わりにご飯をねだられ渡してしまったらしい。
あの先輩風の猫みたいなやつが多いのかな・・・・・・。
無い物は仕方ないが、自分の分まで渡したらダメだろう。
この辺も俺が注意してかないとな。
「とりあえず事情は分かった。すまないが、焼いて半分に切ってくれないか?生は嫌いなんだ」
「・・・・・・」
ミィナはトラジを見ながら目を少し見開いたまま固まっていた。
「おーい。ミィナ聞こえてるかー?」
「あ、ごめんなさい~。いまさらですが、ご主人様が他の使い魔の先輩達より話し方が上手だったのでちょっと驚いてて・・・・・・」
「そうか?あの女の黒猫なんか俺と同じくらいしゃべるぞ」
「その~、黒猫って・・・・・・」
ミィナの顔色が悪くなる。
「ああ。昨日ミィナをフルボッコにした女の使い魔だな。そういやあの女の名前知らないんだよなぁ。ミィナ知ってるか?」
「え~と、知らないんですか?」
「おう」
その女と出会ったのが昨日で、出会って早々言い争いからの怒涛の展開でミィナを追って行った。
当然ながら、聞く暇なんて皆無だ。
「え~とですね?あの人はエリィさんと呼ばれてまして、ものすごーく偉い錬金術士さんなんですよ」
「どう偉いんだ?」
「どう偉いのかと言うと・・・・・・」
「言うと?」
「・・・・・・どう偉いんでしょうね~?」
「知らんのかい!」
トラジは思わずコケそうになった。
「ご、ごめんなさい~。私が小さかった頃、お父さんとお母さんが言ってたのをちょっと聞いたくらいでして。確か、竜喰らいという通り名があるらしいです」
ミィナはそう答えた後、魚を焼きにキッチンへ向かった。
竜喰らい?お店でドラゴンステーキ食べましたー!的なノリじゃないよな?
狩りをして『こんがり上手に焼けましたー』的なノリだよなドラゴンを・・・・・・。
つーか、この世界ドラゴンいるのかよ。おっかねー。
「で、この黒いのは?」
「お、お魚さんです~・・・・・・」
黒くなった小魚を前に食欲が落ちていく中『ぐぅ~~~』と、再度ミィナのお腹が泣く。
今もお腹を空かせながら、最後の1匹の魚を差し出すミィナを前にいらないと言う事は出来ない。
「まぁ、黒いのは外だけだろうし食うか。上半分はミィナお前が食べな」
「・・・・・・いいんですか~?」
「おう、食え食え。空腹すぎて倒れられても困るしな」
嬉しさでミィナは泣き出した。
両親を亡くし一人で暮らしてたミィナ。
会話しながらの食事は当然久しぶり。一人で苦悩しながら暮らしていた事もあって、量も無い黒い魚上半分であってもその気遣いがたまらなく嬉しくなってしまったのだ。
この子は泣き過ぎだな。
それだけ辛い中にいたという事なんだろうな。
「泣き終わったら、黒猫とエリィと言ったか?そこに行くから。悪いんだが連れて行ってくれ」
ミィナは泣きながらうなずく。
「ちょっと~、にがにがします・・・・・・」
「コゲコゲだからな」
食事を済ませたトラジ達は黒猫とエリィの元へ向かう。
トラジはまともに動けなかったのでミィナの背中の鞄から顔だけを出していた。
そして、着いたのがエリィと黒猫の職場でもある錬金術士組合のルルイエ支部だ。
ルルイエとはミィナの家もあるこの町の名前である。
「無事使い魔ができたようでなによりさね」
エリィの所に向かうと、トラジとミィナを見るなりいきなりそう言われた。
「無事と言っていいか分からないところなんだが・・・・・・。むしろそっちの腫れた腕はどうしたんだ?」
「猫スケはなんて言ってんだい?主人になったんだ通訳してみな?」
ま、主人は俺の方なんだけどな。
「え~とですね。無事と言っていいか分からない、だそうです」
「んー?よくわからんが、五体満足で使い魔と主人になったんだ。無事でいいさね」
「あと~、その腫れた腕の事を聞いてますね」
「ああ、この腕かい・・・・・・。そうさねぇ、階段でコケてぶつけただけさね」
ミィナは何か思い当たる節でもあるのか、階段でコケたと言うエリィの腕をじーっと見ていた。
そんなミィナの視線を面倒臭そうにしながら、エリィは頭を掻きながら話題を変えようと言葉を続けた。
「私の事はいいんだよ。あんな約束しちまったけど、これで一安心ってもんさね」
「ミィナが使い魔になった件をエリィに話してみてくれ」
「じ、実はですね~、私の方が使い魔になったみたいなんですけど・・・・・・」
場の空気が凍ったような錯覚がした。
「は?」
理解が追いつかないのか、何を言ってるんだこの子は?みたいな顔しているエリィにその時の状況をより詳しく説明した。
「ぶわっははーーっ。お、お腹痛い。あっはははーーー!」
すると、急に吹き出し豪快に笑われた。
笑われてしまう程度は想定の範囲内だったが、今後が掛かってるのでトラジは話を続ける。
「まぁ、そんな状況な訳でな。俺が錬金術士目指すことになるんだが、ぶっちゃけできると思うか?」
「えっと~ですね。私の代わりにご主人様が錬金術士を目指すんですけど可能でしょうか?」
「ご、ご主人様ーって、ね、猫相手に、あははーー」
「いつまでも笑わないでくれ!こっちは真剣なんだ!!」
「ご主人様が~――」
「いい。ふー、い、今のは態度で分かるさね。いやー、それにしても久しぶりに笑ったわ」
「いいから話を――」
「あーはいはい。ま、可能なんじゃないかい?前例はないだろうけどね」
「その~、両親の持ち物を引き継ぐことは・・・・・・」
今の所、ミィナの両親の持ち物の処遇は保留扱いとなっていた。娘のミィナが錬金術士を志望し、尚且つ引き継ぐ事を希望したためであった。
もしも、もう錬金術士になる見込みがなくなれば即押収されてしまうだろう。
「それも可能だろうね。基本的に主人と使い魔セットで錬金術士だからね。認められるだろうさね。錬金術士になれれば、だけどね」
「なんか、含みのある言い方だな?どういう事だ?」
「えっと~、含みのある言い方だけどどういう事だ?って言ってます」
「猫スケあんたが錬金術士になれるかって話にも関わる話さ。錬金術士についてもよく分かってないだろうから1から説明するよ?」
トラジとミィナはそろって頷く。
ミィナは頷いちゃダメだろ!
「いいかい?まず、錬金術士の仕事は大きく分けて調合と合成と付与、それから鑑定の4つだ」
調合は元となる素材を混ぜ合わせて作る物の事である。
薬草同士を混ぜ合わせて作る薬は勿論、鉱石等に含まれる不純物を除外し純度を高める作業も調合で行う。
合成は元から出来上がっている物同士を、一つにして作り上げる。
調合で作った物同士を合成する事が多い。
付与は元から出来上がっている物に、何らかの効果や能力を上げる効果を付けるもの。
いわゆる魔法的な効果を付与する事でイッツ!ファンタジー!である。
魔剣、聖剣、魔道具を作るにも必要で、主に軍事転用される事が多く高給である国の国家機関に勤めるなら絶対必須条件。
あと鑑定だが、そのまんまそれがどんな物かどんな効果を持っているかを調べる事だ。
レシピに従って作る場合は別だが、それ以外の錬金術で作った物は大抵がオリジナルで謎アイテムな事も多いので当然必須となる。
鑑定目的の依頼が来る事も多く、錬金術士の中には鑑定特化の者もいてそれだけで食っていけるほどだ。
「と、まぁこんな感じでね。最低基準の錬金術士でも調合と鑑定がそこそこできなきゃ話にならないさね。ま、逆に言えばその2つさえ出来れば、錬金術士になれるとも言えるねぇ。でもね、その鑑定がお前さん達の最難関になるかもしれないのさね」
「どういうことですか~?」
「すごーく簡単に言っちまえば、魔力をコントロールする事が必要なのさ」
「魔力!あるんだ!」
「魔力ってのはどこにでも存在しているもんでね、目に見えないし感じる事もできない。当然それをどうこうできっこない。ただし、使い魔になった動物は違う。契約の首輪ってのは、大量の魔力を注ぎ込んで作った首輪でね。その魔力でもって使い魔として縛る事で、魔力を感じられるようになる。当然コントロールもできるようになる。で、ここが本題。元来人間ってのはね魔力を扱う適正がほとんどないのさ」
トラジはミィナを見やる。
うっすら冷や汗を掻いていた。
「ま、そもそも人間を使い魔になんて出来ない筈なんだけどねぇ。主人が猫スケだからなのか、ミィナが特殊なのか・・・・・・。猫スケが咥えて走ってたようだし、唾液とかべったりだったろうからね。猫スケがミィナに首輪を付けたと首輪が誤認した、ここまでは予想は出来る。が、なんでミィナが使い魔になっちまったのか謎だねぇ」
「どうすればいいんですか~?」
「魔力の扱いまでは私もしらないさね。黒猫にでも聞きな。そういや、竜帝のやつが『魔力は心に反応する。コントロールしたければ邪念はすてよ』とか、えらっそうに言ってたっけねぇ」
うおおおい!竜帝ってなんだよ!
「その~。竜帝さんは誰かの使い魔さんなんですか?」
「はぁ・・・・・・。あんたって娘はホント物を知らないねぇ。竜帝は私等がいるルーベリスタ王国の隣のアルディオーテ国の国王だよ。誰かの使い魔なんて事ある訳ないさね。高位のドラゴンは魔力を体内で熱や冷気にすることが出来るからね、他の生き物とは魔力の扱いに関して元から別格なのさ」
すんません。俺も知らなかったわ。
ミィナ!代わりに質問してくれてGJ!
ちなみに、現在ドラゴンを使い魔にしている錬金術士はいない。ドラゴンは威厳や誇りを気にして、使い魔になるくらいなら潔く死ぬ事を選ぶ奴が多いからである。
「という事は~、魔力をコントロールできれば私でも火を噴いたりできるんですか?」
「出来るわけないさね」
高位のドラゴンが火を噴けるのは体内構造がそうできるように出来てるからで、そんなのがない他の生き物が魔力をどれだけ集めようが無理な話である(常識)。
エリィから色々聞いた後、俺達は飯の買い物をしに市場へと向かった。
トラジはミィナの背中にある鞄の中から顔だけ出していた。
「課題が見えてきたな。ミィナは魔力のコントロールか」
俺の課題はこの世界の文字をマスターする事だな。
本などから情報を得られるようじゃなきゃこの先やってらんないだろうしな。
そんな事を考えつつミィナに聞いてみた。
「ミィナはやれそう?」
「魔力なんて~、感じたことないです。まずいかもしれません・・・・・・」
「黒猫からも話しを聞ければなぁ。良かったんだが忙しそうだったからな」
「ですね~」
面倒くさがりの主人とは違い黒猫は働き者だった。
主人の代わりに書類に目を通しにくきゅうで判を押したりもしていた。
それプラス他の猫達の面倒もみていて、本当に猫なのかと驚くばかりだった。
「ご主人様は何が食べたいですか~?」
どうやらいつの間にか市場についたようだ。
「肉だな」
「魚じゃないんですか?」
「肉だ」
俺は本来魚より肉派だからな。豚肉が好きだ。牛より豚派だ。
そしてあえて言おう!肉が食いたいと!
ミィナは財布取り出し中を見て焦った。
「ち、ちなみに~、何の肉がいいですか?」
「予算が足らないのか?何の肉ならいけそうなんだ?」
「か、カエルの肉なら・・・・・・」
「却下」
「う~・・・・・・」
カエルの肉も鶏肉みたいな食感らしいが、トラジは食う気はしなかった生理的に。
ちなみに、この市場だと肉より魚の方がかなり安い。
「もしかしなくても割りと金欠なのか?」
「は、はい~。実はですね・・・・・・」
ミィナの両親はすでに亡くなっている。それも3年も前に。
ミィナは両親が研究の為にと貯めていたお金を生活費として使い続けていたが、それも限界が近くなっていた。
それをミィナはトラジに説明した。
「なんで早く言わないんだか」
「ご、ごめんなさい~。出来れば好きな物を用意してあげたかったんですけど・・・・・・」
「俺の事はいい。それよりミィナの方が心配だな」
「私ですか~?」
「そうだ。朝食の時もだが、もう少し無理せず自分を大事していいんだぞ?」
「・・・・・・その~。ありがとうございます」
「おう」
「それじゃ~、今日はカエル肉にしときましょう」
「それは却下!!」
「え~・・・・・・」
「それはソレで、これはコレだ!つーか、根本的な解決になってないだろう。せめて日々の食事代くらいは稼いでいかないと」
しかし、気付けて良かったな。気付かないままだったら、そのうち夜な夜な出かけて娼婦のマネごとして帰って来そうで怖いわ。
11歳でも可愛いし胸大きいしなぁ。他の男にやるくらいならいっそ俺が・・・・・・、ゲフンゲフンッ!
ま、今の俺は猫だし何もできやしないがな。
「とはいえどうしたもんかな」
「わ、私が働いて稼ぐしか~」
「ミィナみたいな子供で女の子を雇ってくれるわけないだろう。非合法な夜の仕事が関のや・・・・・・。ゲフンゲフン!」
「夜の仕事ですか~?」
「君は何も見ていないし何も聞いてない、いいね?」
「は、はい~?」
いけないいけない。
もう少しでイケナイ知識をつけてしまう所だった。
「え~と、どうすればいいですか・・・・・・?」
「そりゃ子供なんだし、知ってる大人に頼ってみるのが・・・・・・、ん?」
トラジの知ってる大人はエリィだけだ。
そして、まさに今日エリィとした会話を振り返るとある単語が引っかかる。
「そういや、エリィのやつ約束がどうのって言ってたな・・・・・・」
恐らく使い魔が出来なかったら系の約束であるとトラジは推測した。
ならば、ミィナの方が使い魔になった今の状況でも有効ではないだろうかと思いつく。
「ミィナ!どんな約束をしたか教えろ!」
「了解です~」
猫に転生した男は、使い魔になろうとしてなぜか主人となってしまった。
その男の前世での本名は、山中 虎次郎(32)と言うのだが、猫となった現在はトラジ(野良につき年齢不明)と名乗っている。
黒白の比率が逆のホワイトタイガーのような柄の猫で、顔にはバツ印のような傷痕がある。
そして、トラジは昨日の出来事で体力をフルで使い現在爆睡中である。
「ご主人様~。朝ですよー」
そこに使い魔である女の子が主人であるトラジを起こしにやってきた。
この使い魔の女の子の本名は、ミィナ・クロウディー(11)と言う。
腰まで伸びた桃色の髪に琥珀色の瞳。幼い割に胸囲だけは立派だ。
だいぶ抜けてるというか、ちとバカっぽい。だが、見た目は可愛い(重要)。
本来であれば昨日主人となるはずであった女の子だ。
起きたくない・・・・・・。
トラジはそう思った。
なぜならば、体が重く感じられ筋肉痛のような痛みが体をくすぐり、起きるなと声を上げる。
その不快感ゆえ機嫌も悪い。
「朝なんてくたばれ!俺は寝る!」
目覚まし時計のアラームに対して、反射的に『うるせぇ!』と怒鳴るように返事をした。
「分かりました~、ではお昼に起こしますね。ご主人様」
ん?
何かがおかしいぞ?
トラジは違和感を覚える。
「ちょっと待て」
「なんですか~?」
寝起きで頭が寝ぼけ状態だったが、あるワードが引っ掛かり次第に頭がゆっくり稼動しだす。
ついでに反射で怒鳴ってしまった事を、心の中で反省しつつそれを質問する。
「なぁ、ご主人様って俺の事か?」
「はい~。そうですよ」
「一応聞くけど、なぜ?」
「使い魔の先輩達がですね~。使い魔の心得みたいな物を教えてくれまして」
話を聞くに、疲れから男がさっさと寝てしまった後に他の使い魔から色々レクチャーされたという事のようだ。
「あいつら余計なことを・・・・・・。というか、俺が主人でいいのか?」
「色々まずいような気はするんですけど~。どうしたらいいのか分かりませんし、この流れに乗ってみようかなって思いまして」
「この流れって・・・・・・、俺は猫だぞ?ある意味すごいな」
ミィナは元々主人として錬金術士を目指す事に不安を抱えていた。自分の不出来さゆえに・・・・・・。
だからだろう。自分がしっかりしなければいけないという重荷、それから解放されたその顔色は明るく受け入れるのも早かった。
「しかしそうなるとだ。これからは俺が、色々考えて指示を出していかなきゃいけないわけか・・・・・・」
「えっと~、やっぱり難しいですよね・・・・・・?」
んー、難しいか?
俺の方が年上だし経験も多いだろうし、魔獣のいる森に無謀な特攻したミィナに主人を任せるより良いかも?
あー、そういや今後どうするか考えるとなると、黒猫とあの女のとこ行って色々聞かないといけないんだったな・・・・・・。
こりゃ、寝てる場合じゃないな。
「いや、大丈夫だ。それと、やっぱり普通に起きる事にする」
「了解です~」
「いっ!!」
そう言って体を起こすと痛みで体が悲鳴を上げた。
「そ、そのなんだ。体があちこち痛くてな、悪いんだが俺を運んで貰えないかなー。なんて・・・・・・」
「いいですよ~」
ミィナに抱っこされる。背中に当たる感触が心地いい。
全体重を背中に掛けたくなるトラジだが、鋼の精神で堪えた。
俺はミィナの保護者みたいなもんだ。
手出しは厳禁だ!耐えろ俺!
ミィナに連れてかれた先で用意された朝食を食べる事になったのだが、そこにもトラジが想定していなかった問題があった。
「なぁ、これ・・・・・・」
「今日の朝ご飯です~」
そう言って出された皿の上には、生のししゃものような子魚が1匹乗っているだけだった。
「少なくないか?」
「い、今はそれしかなくて~・・・・・・」
ミィナのお腹が『ぐぅ~~~』と空腹を訴える声を上げた。
「そういやミィナは食べたのか?」
「う~・・・・・・。今はご主人様の分しか食べ物がなくてですね」
「どゆこと?」
「実は――」
昨日の事だった。
先輩の使い魔達に使い魔の心得等を教えてもらった後、その授業料?代わりにご飯をねだられ渡してしまったらしい。
あの先輩風の猫みたいなやつが多いのかな・・・・・・。
無い物は仕方ないが、自分の分まで渡したらダメだろう。
この辺も俺が注意してかないとな。
「とりあえず事情は分かった。すまないが、焼いて半分に切ってくれないか?生は嫌いなんだ」
「・・・・・・」
ミィナはトラジを見ながら目を少し見開いたまま固まっていた。
「おーい。ミィナ聞こえてるかー?」
「あ、ごめんなさい~。いまさらですが、ご主人様が他の使い魔の先輩達より話し方が上手だったのでちょっと驚いてて・・・・・・」
「そうか?あの女の黒猫なんか俺と同じくらいしゃべるぞ」
「その~、黒猫って・・・・・・」
ミィナの顔色が悪くなる。
「ああ。昨日ミィナをフルボッコにした女の使い魔だな。そういやあの女の名前知らないんだよなぁ。ミィナ知ってるか?」
「え~と、知らないんですか?」
「おう」
その女と出会ったのが昨日で、出会って早々言い争いからの怒涛の展開でミィナを追って行った。
当然ながら、聞く暇なんて皆無だ。
「え~とですね?あの人はエリィさんと呼ばれてまして、ものすごーく偉い錬金術士さんなんですよ」
「どう偉いんだ?」
「どう偉いのかと言うと・・・・・・」
「言うと?」
「・・・・・・どう偉いんでしょうね~?」
「知らんのかい!」
トラジは思わずコケそうになった。
「ご、ごめんなさい~。私が小さかった頃、お父さんとお母さんが言ってたのをちょっと聞いたくらいでして。確か、竜喰らいという通り名があるらしいです」
ミィナはそう答えた後、魚を焼きにキッチンへ向かった。
竜喰らい?お店でドラゴンステーキ食べましたー!的なノリじゃないよな?
狩りをして『こんがり上手に焼けましたー』的なノリだよなドラゴンを・・・・・・。
つーか、この世界ドラゴンいるのかよ。おっかねー。
「で、この黒いのは?」
「お、お魚さんです~・・・・・・」
黒くなった小魚を前に食欲が落ちていく中『ぐぅ~~~』と、再度ミィナのお腹が泣く。
今もお腹を空かせながら、最後の1匹の魚を差し出すミィナを前にいらないと言う事は出来ない。
「まぁ、黒いのは外だけだろうし食うか。上半分はミィナお前が食べな」
「・・・・・・いいんですか~?」
「おう、食え食え。空腹すぎて倒れられても困るしな」
嬉しさでミィナは泣き出した。
両親を亡くし一人で暮らしてたミィナ。
会話しながらの食事は当然久しぶり。一人で苦悩しながら暮らしていた事もあって、量も無い黒い魚上半分であってもその気遣いがたまらなく嬉しくなってしまったのだ。
この子は泣き過ぎだな。
それだけ辛い中にいたという事なんだろうな。
「泣き終わったら、黒猫とエリィと言ったか?そこに行くから。悪いんだが連れて行ってくれ」
ミィナは泣きながらうなずく。
「ちょっと~、にがにがします・・・・・・」
「コゲコゲだからな」
食事を済ませたトラジ達は黒猫とエリィの元へ向かう。
トラジはまともに動けなかったのでミィナの背中の鞄から顔だけを出していた。
そして、着いたのがエリィと黒猫の職場でもある錬金術士組合のルルイエ支部だ。
ルルイエとはミィナの家もあるこの町の名前である。
「無事使い魔ができたようでなによりさね」
エリィの所に向かうと、トラジとミィナを見るなりいきなりそう言われた。
「無事と言っていいか分からないところなんだが・・・・・・。むしろそっちの腫れた腕はどうしたんだ?」
「猫スケはなんて言ってんだい?主人になったんだ通訳してみな?」
ま、主人は俺の方なんだけどな。
「え~とですね。無事と言っていいか分からない、だそうです」
「んー?よくわからんが、五体満足で使い魔と主人になったんだ。無事でいいさね」
「あと~、その腫れた腕の事を聞いてますね」
「ああ、この腕かい・・・・・・。そうさねぇ、階段でコケてぶつけただけさね」
ミィナは何か思い当たる節でもあるのか、階段でコケたと言うエリィの腕をじーっと見ていた。
そんなミィナの視線を面倒臭そうにしながら、エリィは頭を掻きながら話題を変えようと言葉を続けた。
「私の事はいいんだよ。あんな約束しちまったけど、これで一安心ってもんさね」
「ミィナが使い魔になった件をエリィに話してみてくれ」
「じ、実はですね~、私の方が使い魔になったみたいなんですけど・・・・・・」
場の空気が凍ったような錯覚がした。
「は?」
理解が追いつかないのか、何を言ってるんだこの子は?みたいな顔しているエリィにその時の状況をより詳しく説明した。
「ぶわっははーーっ。お、お腹痛い。あっはははーーー!」
すると、急に吹き出し豪快に笑われた。
笑われてしまう程度は想定の範囲内だったが、今後が掛かってるのでトラジは話を続ける。
「まぁ、そんな状況な訳でな。俺が錬金術士目指すことになるんだが、ぶっちゃけできると思うか?」
「えっと~ですね。私の代わりにご主人様が錬金術士を目指すんですけど可能でしょうか?」
「ご、ご主人様ーって、ね、猫相手に、あははーー」
「いつまでも笑わないでくれ!こっちは真剣なんだ!!」
「ご主人様が~――」
「いい。ふー、い、今のは態度で分かるさね。いやー、それにしても久しぶりに笑ったわ」
「いいから話を――」
「あーはいはい。ま、可能なんじゃないかい?前例はないだろうけどね」
「その~、両親の持ち物を引き継ぐことは・・・・・・」
今の所、ミィナの両親の持ち物の処遇は保留扱いとなっていた。娘のミィナが錬金術士を志望し、尚且つ引き継ぐ事を希望したためであった。
もしも、もう錬金術士になる見込みがなくなれば即押収されてしまうだろう。
「それも可能だろうね。基本的に主人と使い魔セットで錬金術士だからね。認められるだろうさね。錬金術士になれれば、だけどね」
「なんか、含みのある言い方だな?どういう事だ?」
「えっと~、含みのある言い方だけどどういう事だ?って言ってます」
「猫スケあんたが錬金術士になれるかって話にも関わる話さ。錬金術士についてもよく分かってないだろうから1から説明するよ?」
トラジとミィナはそろって頷く。
ミィナは頷いちゃダメだろ!
「いいかい?まず、錬金術士の仕事は大きく分けて調合と合成と付与、それから鑑定の4つだ」
調合は元となる素材を混ぜ合わせて作る物の事である。
薬草同士を混ぜ合わせて作る薬は勿論、鉱石等に含まれる不純物を除外し純度を高める作業も調合で行う。
合成は元から出来上がっている物同士を、一つにして作り上げる。
調合で作った物同士を合成する事が多い。
付与は元から出来上がっている物に、何らかの効果や能力を上げる効果を付けるもの。
いわゆる魔法的な効果を付与する事でイッツ!ファンタジー!である。
魔剣、聖剣、魔道具を作るにも必要で、主に軍事転用される事が多く高給である国の国家機関に勤めるなら絶対必須条件。
あと鑑定だが、そのまんまそれがどんな物かどんな効果を持っているかを調べる事だ。
レシピに従って作る場合は別だが、それ以外の錬金術で作った物は大抵がオリジナルで謎アイテムな事も多いので当然必須となる。
鑑定目的の依頼が来る事も多く、錬金術士の中には鑑定特化の者もいてそれだけで食っていけるほどだ。
「と、まぁこんな感じでね。最低基準の錬金術士でも調合と鑑定がそこそこできなきゃ話にならないさね。ま、逆に言えばその2つさえ出来れば、錬金術士になれるとも言えるねぇ。でもね、その鑑定がお前さん達の最難関になるかもしれないのさね」
「どういうことですか~?」
「すごーく簡単に言っちまえば、魔力をコントロールする事が必要なのさ」
「魔力!あるんだ!」
「魔力ってのはどこにでも存在しているもんでね、目に見えないし感じる事もできない。当然それをどうこうできっこない。ただし、使い魔になった動物は違う。契約の首輪ってのは、大量の魔力を注ぎ込んで作った首輪でね。その魔力でもって使い魔として縛る事で、魔力を感じられるようになる。当然コントロールもできるようになる。で、ここが本題。元来人間ってのはね魔力を扱う適正がほとんどないのさ」
トラジはミィナを見やる。
うっすら冷や汗を掻いていた。
「ま、そもそも人間を使い魔になんて出来ない筈なんだけどねぇ。主人が猫スケだからなのか、ミィナが特殊なのか・・・・・・。猫スケが咥えて走ってたようだし、唾液とかべったりだったろうからね。猫スケがミィナに首輪を付けたと首輪が誤認した、ここまでは予想は出来る。が、なんでミィナが使い魔になっちまったのか謎だねぇ」
「どうすればいいんですか~?」
「魔力の扱いまでは私もしらないさね。黒猫にでも聞きな。そういや、竜帝のやつが『魔力は心に反応する。コントロールしたければ邪念はすてよ』とか、えらっそうに言ってたっけねぇ」
うおおおい!竜帝ってなんだよ!
「その~。竜帝さんは誰かの使い魔さんなんですか?」
「はぁ・・・・・・。あんたって娘はホント物を知らないねぇ。竜帝は私等がいるルーベリスタ王国の隣のアルディオーテ国の国王だよ。誰かの使い魔なんて事ある訳ないさね。高位のドラゴンは魔力を体内で熱や冷気にすることが出来るからね、他の生き物とは魔力の扱いに関して元から別格なのさ」
すんません。俺も知らなかったわ。
ミィナ!代わりに質問してくれてGJ!
ちなみに、現在ドラゴンを使い魔にしている錬金術士はいない。ドラゴンは威厳や誇りを気にして、使い魔になるくらいなら潔く死ぬ事を選ぶ奴が多いからである。
「という事は~、魔力をコントロールできれば私でも火を噴いたりできるんですか?」
「出来るわけないさね」
高位のドラゴンが火を噴けるのは体内構造がそうできるように出来てるからで、そんなのがない他の生き物が魔力をどれだけ集めようが無理な話である(常識)。
エリィから色々聞いた後、俺達は飯の買い物をしに市場へと向かった。
トラジはミィナの背中にある鞄の中から顔だけ出していた。
「課題が見えてきたな。ミィナは魔力のコントロールか」
俺の課題はこの世界の文字をマスターする事だな。
本などから情報を得られるようじゃなきゃこの先やってらんないだろうしな。
そんな事を考えつつミィナに聞いてみた。
「ミィナはやれそう?」
「魔力なんて~、感じたことないです。まずいかもしれません・・・・・・」
「黒猫からも話しを聞ければなぁ。良かったんだが忙しそうだったからな」
「ですね~」
面倒くさがりの主人とは違い黒猫は働き者だった。
主人の代わりに書類に目を通しにくきゅうで判を押したりもしていた。
それプラス他の猫達の面倒もみていて、本当に猫なのかと驚くばかりだった。
「ご主人様は何が食べたいですか~?」
どうやらいつの間にか市場についたようだ。
「肉だな」
「魚じゃないんですか?」
「肉だ」
俺は本来魚より肉派だからな。豚肉が好きだ。牛より豚派だ。
そしてあえて言おう!肉が食いたいと!
ミィナは財布取り出し中を見て焦った。
「ち、ちなみに~、何の肉がいいですか?」
「予算が足らないのか?何の肉ならいけそうなんだ?」
「か、カエルの肉なら・・・・・・」
「却下」
「う~・・・・・・」
カエルの肉も鶏肉みたいな食感らしいが、トラジは食う気はしなかった生理的に。
ちなみに、この市場だと肉より魚の方がかなり安い。
「もしかしなくても割りと金欠なのか?」
「は、はい~。実はですね・・・・・・」
ミィナの両親はすでに亡くなっている。それも3年も前に。
ミィナは両親が研究の為にと貯めていたお金を生活費として使い続けていたが、それも限界が近くなっていた。
それをミィナはトラジに説明した。
「なんで早く言わないんだか」
「ご、ごめんなさい~。出来れば好きな物を用意してあげたかったんですけど・・・・・・」
「俺の事はいい。それよりミィナの方が心配だな」
「私ですか~?」
「そうだ。朝食の時もだが、もう少し無理せず自分を大事していいんだぞ?」
「・・・・・・その~。ありがとうございます」
「おう」
「それじゃ~、今日はカエル肉にしときましょう」
「それは却下!!」
「え~・・・・・・」
「それはソレで、これはコレだ!つーか、根本的な解決になってないだろう。せめて日々の食事代くらいは稼いでいかないと」
しかし、気付けて良かったな。気付かないままだったら、そのうち夜な夜な出かけて娼婦のマネごとして帰って来そうで怖いわ。
11歳でも可愛いし胸大きいしなぁ。他の男にやるくらいならいっそ俺が・・・・・・、ゲフンゲフンッ!
ま、今の俺は猫だし何もできやしないがな。
「とはいえどうしたもんかな」
「わ、私が働いて稼ぐしか~」
「ミィナみたいな子供で女の子を雇ってくれるわけないだろう。非合法な夜の仕事が関のや・・・・・・。ゲフンゲフン!」
「夜の仕事ですか~?」
「君は何も見ていないし何も聞いてない、いいね?」
「は、はい~?」
いけないいけない。
もう少しでイケナイ知識をつけてしまう所だった。
「え~と、どうすればいいですか・・・・・・?」
「そりゃ子供なんだし、知ってる大人に頼ってみるのが・・・・・・、ん?」
トラジの知ってる大人はエリィだけだ。
そして、まさに今日エリィとした会話を振り返るとある単語が引っかかる。
「そういや、エリィのやつ約束がどうのって言ってたな・・・・・・」
恐らく使い魔が出来なかったら系の約束であるとトラジは推測した。
ならば、ミィナの方が使い魔になった今の状況でも有効ではないだろうかと思いつく。
「ミィナ!どんな約束をしたか教えろ!」
「了解です~」
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