女神様から同情された結果こうなった

回復師

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王都街道編 8・9日目

2-9-2 ハッスル古賀?4WD自動車?

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 発熱者が1人いるが、食事残量のこともあってゆっくりもできない。ナビーから事情を聴けば、発熱者は少し精神が病んでる潔癖症の娘だった。彼女に置いて行くとは言ったが、勿論この場にではない。学園に転移して置いて行こうかとも思ったが、ちょっと事情が可哀想だったので、おぶって連れて行くことにした。


 次の拠点に出発して1時間……男どもがうざい。念のために遅れが出るかもと考え、古賀さんたちは先頭集団で護衛しながら、彼のペースに合わせて歩いている。

「古賀! そろそろ疲れただろう? 代わってやろうか?」

 という感じで、古賀さんの周りに男どもが4人付いて歩いているのだ。格技場の男子は最後尾の殿をしてもらうって言ってあるのに……困った人たちだ。

 古賀さんは柔道部2年の男子で、三田村先輩の次にがたいが良い。古賀剛士(こがたけし)17歳、身長179cm・体重80kgのがっちりした筋肉質体型だ。

 彼の背中におんぶされている女性が今回の問題児、帰宅部三年の三井理恵(みついりえ)18歳。女子を好みの顔順に並べれば、上から数えたほうが早い程度には整っている。

 可愛い娘をおんぶ……つまり本人公認で密着できるとあって、男子が何気に代わってくれと言っているのだ。

 先ほどのうざい発言は、例のごとく空手部主将の水谷先輩だ……顔は男子の中で一番良いのに、ほんとに残念な人だ。

「水谷先輩……【身体強化】MAX、【腕力強化】MAX、【脚力強化】MAXの古賀先輩が、50kg前後の女性1人背負ったぐらいで直ぐに疲れるわけないでしょ」

 格技場の男子は日頃から鍛えまくっているので、100km歩いた翌日も筋肉痛程度にしかなっていなかったつわものばかりなのだ。

「だな。俺は全く疲れてないぞ。彼女凄く軽いからな! 全然問題ない!」

 学園に入学してから、女性に触れる機会すらなかった古賀先輩は超張り切っている……おそらく疲れても代わる気はないだろう。

「ほら、他の皆も離れて下さい。三井先輩が怯えてますよ。三井先輩の方は疲れてないですか?」

 おぶさる方にも結構体力はいるのだが、『もう駄目』だといえば置いて行かれると思っている彼女は必至だ。

「はい、古賀君のおかげで楽させていただいています。まだまだ大丈夫です」
「なら良いです。もうすぐ1回目の休憩に入りますので、それまで頑張ってください。三井先輩は潔癖症だと聞きましたが、他の男子と何回か交代されるより、まだ古賀先輩1人のほうが気分的に楽ですよね?」

「はい……古賀君さえ良ければですが……」
「俺は全然大丈夫だ!」

「古賀先輩、多分100km歩いた時より疲れると思いますが、後でマッサージ治療してあげますから頑張ってください。男の見せ場です。ここ先輩にとって大事ですよ」

「そうか、悪いな……」

「おい小鳥遊……俺もおんぶしてあげたいのだが」
「水谷先輩ってマジ残念な人ですよね……顔は良いのだから、普通にしていれば絶対モテるのに。そのムッツリっぷりで皆に敬遠されているのが解らないのですか?」

「ムッツリって! おまっ違うし! 俺はムッツリ違うし! お前何言ってるんだよ!」

 同じようにチャンスを狙って付いて歩いてた男子は、危機センサーが働いたのか既にこの場から消えている。

 俺は無言で後ろを指差した……そこにはシラ~と冷めた目で、水谷先輩のことを残念そうに見ている女子が沢山いた。

「グッ……小鳥遊……俺、また何か間違ったのか?」
「ですね……また好感度ダダ下がりのようです……」

「後で、何がいけなかったのか教えてくれるか?」
「分かりました……俺的にはそういうところは好きなのですけどね……」

 ちょっと涙目で、俺にだけ聞こえるぐらいの小声で言ってきた……以前より随分前向きだね。

『……抑止剤の人気がなかったことが分かり、かなり凹んで気にしているみたいですね』
『あ~、あれは流石にきついよな~。『あなたのエロい子種なんか絶対嫌!』って直に言われてたからね』



 その後、数回の魔獣との戦闘をおこない、昼食休憩予定地に到着する。

 おや? 古賀先輩と三井先輩が同じグループで食事してるぞ……なんだか雑談しながら2人は良い雰囲気だ。
 全寮制で閉鎖されている学園なので、出会いはほぼ学内でしかない。クラスメイトや同学年というのは、ちょっと恥ずかしいということもあって、それほど目立ったカップルはいなかった。そもそも、うちは全国有数の進学校なのでまじめっ子が多いのだ……茶髪なんかの不良っぽいのもいないし、援助交際なんかやってるギャルっぽい娘もいない。

 まぁ、それでも小遣い欲しさに尻の軽い女子も中にはいるようで、学内で体で稼いでる娘も噂の範疇だが数人いたようだ。

 そういう女子と比べたら、目の前の2人はほんのり頬を染めて初々しい。それを遠目に羨ましげに眺めている格技場の男子たち……まぁ、あれだ……頑張れとしか言いようがない。


「じゃあ、俺たち7人は危険排除のために先行するけど……三田村先輩と三月先輩は大丈夫ですか?」

「ああ、ちょっと緊張しているが、問題ない……」
「ちょっと手が震えちゃってるけど……頑張るよ」

「三月君、無理しないで止めておきなよ~」
「大丈夫だよ、小百合ちゃん……この世界で一流の冒険者になるための試練なんだ」

「「「小百合ちゃん……」」」

 いつのまにか、吉井さんから小百合ちゃん呼びに変わってるのを軽く突っ込まれて、あたふたしてる。

「薫と未来も無理しなくていいからね……」
「「はい」」

「ん! 私には?」
「そうじゃ! 妾にも声を掛けるのじゃ! 愚か者!」

「フィリアはヒーラーとして、雅は保険に連れて行くだけだから、心配してないんだよ」

 2人から不満そうに見られたが、面倒なのでここは無視だ。フィリアも以前より明るくなってきて良いことだ……いつまでも失敗を悔やんで、俯いていても得るものはなにもない。

「龍馬君、無理しちゃだめよ」
「兄様、無理して心傷するくらいなら、行かないほうが良いです」

 心配してくれる女子が沢山いて幸せな気分になる……『はい、じゃ~止めとく』とは言えないけどね。


 俺・フィリア・雅・薫・未来・三田村先輩・三月先輩の7人で先に出発する。

「なぁ龍馬……走らなくて間に合うのか? 到着した時には商人たちは全滅とかないよな?」
「ああ、言ってなかったですね……この世界の盗賊も、皆殺しとかはあまりないそうです。普通は数で威嚇して、無条件降伏させて、金品を奪って解放するのが基本です。そうする事によって、また次も襲えますからね。ただ今回は女子が居るので、商隊のリーダーがどう判断するかで流れが変わってきます」

「女子が居るから? まさか……強姦するとかか?」
「強姦は基本で、それだけで終わらなく、可愛い娘は終身奴隷の性奴隷として闇ルートで売られてしまうようです」

「チッ! 糞みたいな世界だな!」
「何言ってるんですか……地球でも行われているじゃないですか。学校が襲われて、男子はほとんど殺され、女子生徒は性奴隷として売られたとか、ニュースで何回か流れてたでしょ? それにTVでは流れていない小規模な誘拐人身売買なんか、至る所の国で行われていますよ。勿論日本でも裏では、AV強要や強制売春なんかよくあることです」

「確かにそういうの聞いたことあるな……じゃあ、急ごう!」

「それが、厄介な事で……現行犯じゃないと、捕縛した後が面倒なのです。盗賊の中には貴族に囲われてるやつもいて、下手に先に手出ししちゃうと、こっちが襲った側にされてしまいます。勿論査問官や犯罪履歴を照合できる神器とかがあるようですので、証明できればこっちは無罪ですけどね。後、商人が雇ってる護衛との兼ね合いがあるので、勝手に助けるのも冒険者としてタブーです」


「何だよそれ……めんどくさいな……」
「まぁ、日本の警察も国や県などの管轄等で苦労しているようなので、面倒なのはどこも一緒ですよ」

「龍馬よ……実際どうするつもりなのじゃ?」

「高級娼婦用に買った女の子が数名いるようなので、その子たちを奴隷解放したいと考えているんだ。なので理想形は、盗賊が襲う→商人たちは無条件降伏→金品と女を盗賊に引き渡す→奴隷契約の権利が盗賊に移った時点で救出ってのがベストかな」

 あれ? なんかフィリアは不満げだな?

「よし龍馬! 可哀想な女子を助けてやろう! その案でいこう!」
「うん……フィリア、なんか不満そうだね? なにか駄目だった?」

「其方の案だと、一方的に奴隷商人が不利益を被るではないか。奴隷商人は悪ではないのじゃぞ? ちゃんと神より許可を得ておる者しか成れぬ職業じゃ。彼女たちにも事情があって娼婦に身を落としたのだろうが、その事情は妾たちが踏み込むべきではない……商売で失敗した家族の娘であったり、農業に勤しむ家庭で、作物被害で納税できずに、金を用立てるために家族の犠牲になる者も多い。だが、彼女たちのおかげで家族は飢えずにその年を乗り切れるだけのお金が手に入っておるのじゃ……正規の奴隷商人はその仲介をしておるだけなのじゃぞ? それを横から計画的に掻っ攫うのは妾は感心できんの……彼女たちも覚悟の上なのだ」

 むっちゃ正論だ……性奴隷として売られてしまう不幸な女の子を助けてやろうとしか考えてなかったが、奴隷商人にとっては命がけで行っている商売なのだ。

 計画的に奪ったのなら、奴隷商人からすれば盗賊たちと大差ない。

「龍馬……どうするんだ?」

 足を止めて考えていたが、どうしたものか答えは出ない。皆の注目を浴びているが、どうしよう……。

「ん! 深く考えるだけ無駄! 龍馬が助けたいなら助ければいい!」
「雅?」

「ん、龍馬はどうせ奴隷商のお金のことより、可哀想な売られる女の子の方が重要なはず。なら助ければいい!」
「あはは、雅! そのとおりだ!」

 俺は雅の脇の下に手を差し入れて、自分の視線の高さまで持ち上げてチュッとキスをした。

「「「アッ!」」」

 女子だけでなく、三田村先輩も『アッ』っていってたが、無視だ。

「雅! 目から鱗だ! お前が言うとおり奴隷商の収入なんか知ったこっちゃない! 神が認めようが女の貞操で食ってるような奴なんか俺の知ったこっちゃない!」

「「「おおっ~~! 居直った!」」」
「俺も龍馬に一票だ! 確かに奴隷商人なんか知ったこっちゃね~」

 今度はフィリアに注目が集まったが、彼女はこう答えた。

「それも1つの選択じゃ。奴隷商人は損をするが、娼婦たちは得をする。どっちを選ぶかは其方たちの自由なのじゃ。後悔せぬように好きにしたら良い」

 そういって、魂を奪われるほど良い笑顔をしてみせた。ああ、フィリア可愛すぎる!
 雅にしたように、フィリアも抱き上げてチュッとする。照れているが、少し嬉しそうだ。

『……マスター、商隊の馬車が少し速度を上げています。かなり急がないと事後になっちゃます』

 おっと! 長い時間足を止めて考え込んでしまっていたせいもあって、少し計算がずれてしまったようだ。

「皆ちょっと聞いて! 商隊が速度を上げたみたいで、急がないと間に合わないかもしれない……」
「どうする龍馬! 全力で走るか?」

「三田村先輩、大丈夫です……これを使います」

 【インベントリ】からあるものを出す。

「「「なっ! 車!?」」」

 体育教師の江口先生が乗っていた、7人乗り4WDのミニバンだ。
 運転は俺、助手席に薫、2列目に三田村先輩と三月先輩、最後尾にちみっこ3人を乗せ、街道を爆走開始だ。

 運転免許? そんなもん持ってないけど、この世界にそもそもそんなものないから別にイイよね?
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