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王都編
5-2 おちゃめな国王様?メルヘンチックな聖女様?
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拠点場所を確保したので皆に王都に入ってきてほしいと伝えたら、すぐにやってきた。どうやら皆、王都観光に早く行きたくて待ちかねていたようだ。
「兄様、こんな広い土地をもらったのですか? あまり国に頼らないのではなかったのですか? 下手に関わるといろいろやらされるかもしれないとか言ってたのに……」
「うん、だからもらうのではなく、買うんだよ。相場価格で買い取るんだ」
王様はタダでくれると言ってるんだけど、それだとこちらの負い目というか借りになってしまう。貸し借りはあまり作りたくない。勿論タダでって言ってる王様には打算的な考えがあっての事だ。
「我が国を拠点に活動してくれるというだけで、この国に多大な恩恵があるのだ。勇者が居る国に戦争を仕掛けるような愚かな国はないからね。『勇者ミサキ』殿が居るというだけで周辺国の牽制となり、周りから人も集まってくるので我が国も潤うのだよ」
という事らしい……確かに勇者パーティーが居るというだけで色々恩恵はありそうだ。『勇者様の居る安全な国』となれば人が移住してくる。人が増えれば消費も増え、物の動きも活発になり、国の税収も増える。逆に勇者パーティーが他国に拠点を構えたら、この国にとっては脅威になるのだろう……もし、勇者が何らかの理由でこの国に攻めてきたら……そう思ったら不安でしかないだろう。
どんな手を使っても、国王としてはこの地に拠点を構えてほしいと願う訳だ。
俺とフィリアと美咲以外の者は王都観光にだし、とりあえず今ある屋敷を一旦隅に寄せるために、重力魔法で囲って5mほど地中の土ごと空中に浮かせる。家一軒を浮かせたのには驚かれたが、既存魔法の応用で膨大な魔力量と魔力操作が上手ければできる事だ。
そして俺たちのお屋敷をベストな場所に召喚し、その横に元からあった屋敷を並べる。
今度こそ中が見たいと騒ぐ国王に折れ、王様とお供3人だけ個人認証を行い内部を案内する。
「凄い……これを君1人で造ったのか……」
「ええ、建物内部で使ってる技術は色々と特許登録する予定なので、登録前に公開したくなかったのですけどね」
「技術を盗んだりはしない。それより何故上の階にも便所があるのだ?」
国王様は、最初洋式タイプの便座を見てトイレと判らなかった。
「【クリーン】を利用した魔道具を使っているからです。排泄物だけでなく、服や体の浄化も行いますし、内部の臭いも浄化しますので、次入る人の事も気にしなくて済む優れものです。只、汚物全て浄化してしまいますので、堆肥利用ができないのが唯一のマイナス点ですね」
「これは凄い! 何故わが国でこの魔道具が開発されていないのだ!」
すぐさまお供の文官さんが答える。
「付与魔術師に聖属性持ちが少ないのと、トイレに利用するよりアクセサリーに付与してダンジョンなどに利用する方がお金になるからではないでしょうか?」
「ふむ……それもそうだな……でも、この魔道具は我が王城に欲しい……」
俺をちらちら見ながら欲しいと仰る……可愛くはないのだが、命令してこないので嫌な気はしない。ならば、ここで恩をチャラにしようかな。
「国王様、王城にこのトイレの魔道具設置と、この【毒耐性(効果大)】の指輪2個でこことマンション寮の土地を譲ってください」
「ふむ、だがさっきも言ったとおり、我が国としては無償で譲ってでもこの地に住んでもらいたいぐらいなのだ」
「それだと、永住が前提でしょ。タダでもらってしまうと、もし素敵な土地に出会った時に国を出ていきにくいのは困るのですよ」
「だから、君らに国を出られるとこっちが困るんだよ……」
「でも、それは自由意思にしてもらわないとね。でも、多分この国を出る事はないかな……」
「それはどうしてそう思うのだ?」
「俺たちをこの国に召喚した女神が、この国が一番俺たちにとって住みやすいと判断しているからです」
「そ、そうなのか!? それは初耳だが、それが事実だと嬉しいな! 内政を良きものにするよう、日々努めている甲斐があったというものだ」
フィリアがこの国を選んだ理由……治安の良さと、国王の誠実さだそうだ。美咲が国に利用されないように配慮したといっていたけど、国王はともかく、周りの大臣たちが善人という訳ではない。
見せたくはなかったのだが、風呂場を覗いた国王が壊れた―――
「な、な、なんじゃこれは!」
お供の文官と護衛の騎士も口をあんぐりして固まっている。
「遊べるお風呂です」
「「「…………」」」
入りたいとごねる国王をなだめるのに苦労した。
「本当だな! 近いうちに招待してくれるのだな! 約束だぞ!」
まるで遊園地を見た子供だ……だが50を過ぎたおっさんでは可愛くない。
「分かりましたってば……国王様のお遊びより神殿に向かう方が大事でしょ?」
「うっ……それはそうだが……」
それからいくつか約束事を王様に取り付けることに成功した。
・この館には基本誰も宿泊させない
・勇者に面会を求めてきた国内外の来賓は王城に宿泊させて、国で接待する事
・日本の法と、この国の法での違いで捕縛された者たちへの減刑・免除
「それではミサキ殿、悪いが2日後に登城してくれるか?」
美咲は返答前に俺の方を見たので頷いて了承する。
「分かりました。お伺いいたします」
「う~む……ミサキ殿はリョウマ殿の意見が優先されるのかな?」
「俺はこの世界での聖女的な能力がありますからね。神の声が聴けるので、勇者美咲も俺の意見に従うのです」
俺の神はナビーちゃんだけどね!
「そうなのか? なるほど、そういう事なら納得だ。好きな男の言いなりとかでなくて安心した」
「あはは、そんな人間をこの世界の主神は勇者召喚するのですか?」
「リョウマ殿の言うとおりだな……女神フィリア様がお選びになったお方だ。信じよう」
いや~、王様には言いにくいけど、この世界の元主神様ってけっこう残念女神だよ……可愛いけどね。
2日後の登城には、周辺各国から要人が集まるそうだ……面倒そうだが、出席してほしいと懇願されてしまった。なんでも勇者に関係する神託があった場合の同盟国の取り決めらしいのだ。
フィリアと美咲と3人で、王都の中央神殿にやってきたのだが―――
「勇者様、お待ちしていました! うわ~カッコイイです♪」
待合室に駆け込んで入ってきたシスター服を着た可愛らしい少女がいきなり俺に抱き着いてきた。
「聖女ララ! ノックもしないで許可なく入室して、あなたは何をしているのですか! はしたないですよ!」
「あっ……つい……勇者様、教皇様、はしたない真似をしてごめんなさい……」
この娘が聖女様なの!? う~~~む……可愛いけど、なんか菜奈的オーラが出ている気がする……。
「あの……聖女様? 勇者は私なのですが……ミサキと申します……」
「エッ!? この御方が勇者様じゃないのですか? 女勇者……そんな……ウェ~ン……フィリア様の嘘つき! ウェ~ン……」
エエエ~~~っ……いきなり泣き出したんですけど! フィリアの嘘吐き? フィリアさん、これは何事ですか!?
『……う~~~ん、なんて言いますか……フィリア様がララを聖女として選んで神託した際に、フィリア様はララを勧誘するのに「素敵な勇者様に出会えるかもしれぬぞ」と言っちゃったのですよね……』
『でもそれだけでこれほど取り乱して泣くのか?』
『……ララは幼少時より勇者の物語が好きで、よく祖母に勇者の冒険譚を聞いて強い憧れを持っていたのです。8歳の時にフィリアに見いだされて、聖女になれば「勇者様と結婚できるかも!」と、夢が叶うと思ったようで、神殿入りし、聖女になるための辛い修行も頑張っていたようです』
ララの好きな絵本や冒険譚に出てくる殆どの勇者は、一緒に旅をし強くなり、民を虐げる国王や邪悪な邪竜などを倒して最後は聖女やお姫様と結婚して幸せに暮らしましたとさ……で締めくくっているそうだ。
『勇者様×聖女=素敵で幸せな結婚生活』という公式がララの中であるらしい。
『フィリア、そうなのか? ナビーの言うとおりなら、どうするのこれ……』
『こ、これは妾のせいなのか?』
結婚を想定して憧れていた勇者様が女だった……ララにとっては悲劇でしかないのだろう。
「これララ……辛い修行を頑張っているのをずっと見てきましたから、あなたの気持ちも分かりますが、勇者様がお困りですよ……」
「教皇さま……グスン…………はい……勇者様、取り乱してごめんなさい……あの……こちらの殿方は?」
聖女様……俺をロックオンしても、俺は勇者じゃないですよ?
「え~と……勇者の私より勇者的な人?」
美咲ちゃん、君は何を言ってるのかな?
念話を聞いていなくて事情を知らない美咲は、自分の思ってる感想を素直に口に出してしまった。
「勇者様より勇者様的な人? それは、つまり勇者様は今回2人居るって事ですよね!? 勇者様♡」
なんと! 強引にそうきたか! 俺を見つめる眼差しが熱い……この娘、勇者なら誰でもいいのか?
『……マスター……彼女は聖女なのですよ? 誰でも良い訳ないです。むしろ人より何倍も警戒心が強く、人の内心を見透かせる分、鉄壁と思える桜よりガードが固い娘です。その彼女がマスターを見るなり一目惚れをしたのです……誇って良い事案です』
そう聞くと嬉しい事なのだが……やはり聖女から発せられる菜奈的オーラが気になる……厄介事は御免だ。
「聖女ララ! いい加減にしなさい! 部屋に押し入り、挨拶もしないで惚気ている場合ではないでしょう! 勇者様、大変申し訳ありません。私はこの王都で教皇を任されているアレンと申します。お見知りおき下さいませ」
ララちゃんは、教皇さまに忠言されてハッとして謝罪してきた。
「ごめんなさい。待ちわびていた勇者様にお会いでき、つい嬉しくて失礼な態度をとってしましました」
「いえ、お気になさらないでください……でも、この人は私の婚約者です……」
美咲ちゃん……今、言わなくてもいいでしょうに。
ほら、ララちゃんが目をウルウルさせちゃったじゃないか……。
「兄様、こんな広い土地をもらったのですか? あまり国に頼らないのではなかったのですか? 下手に関わるといろいろやらされるかもしれないとか言ってたのに……」
「うん、だからもらうのではなく、買うんだよ。相場価格で買い取るんだ」
王様はタダでくれると言ってるんだけど、それだとこちらの負い目というか借りになってしまう。貸し借りはあまり作りたくない。勿論タダでって言ってる王様には打算的な考えがあっての事だ。
「我が国を拠点に活動してくれるというだけで、この国に多大な恩恵があるのだ。勇者が居る国に戦争を仕掛けるような愚かな国はないからね。『勇者ミサキ』殿が居るというだけで周辺国の牽制となり、周りから人も集まってくるので我が国も潤うのだよ」
という事らしい……確かに勇者パーティーが居るというだけで色々恩恵はありそうだ。『勇者様の居る安全な国』となれば人が移住してくる。人が増えれば消費も増え、物の動きも活発になり、国の税収も増える。逆に勇者パーティーが他国に拠点を構えたら、この国にとっては脅威になるのだろう……もし、勇者が何らかの理由でこの国に攻めてきたら……そう思ったら不安でしかないだろう。
どんな手を使っても、国王としてはこの地に拠点を構えてほしいと願う訳だ。
俺とフィリアと美咲以外の者は王都観光にだし、とりあえず今ある屋敷を一旦隅に寄せるために、重力魔法で囲って5mほど地中の土ごと空中に浮かせる。家一軒を浮かせたのには驚かれたが、既存魔法の応用で膨大な魔力量と魔力操作が上手ければできる事だ。
そして俺たちのお屋敷をベストな場所に召喚し、その横に元からあった屋敷を並べる。
今度こそ中が見たいと騒ぐ国王に折れ、王様とお供3人だけ個人認証を行い内部を案内する。
「凄い……これを君1人で造ったのか……」
「ええ、建物内部で使ってる技術は色々と特許登録する予定なので、登録前に公開したくなかったのですけどね」
「技術を盗んだりはしない。それより何故上の階にも便所があるのだ?」
国王様は、最初洋式タイプの便座を見てトイレと判らなかった。
「【クリーン】を利用した魔道具を使っているからです。排泄物だけでなく、服や体の浄化も行いますし、内部の臭いも浄化しますので、次入る人の事も気にしなくて済む優れものです。只、汚物全て浄化してしまいますので、堆肥利用ができないのが唯一のマイナス点ですね」
「これは凄い! 何故わが国でこの魔道具が開発されていないのだ!」
すぐさまお供の文官さんが答える。
「付与魔術師に聖属性持ちが少ないのと、トイレに利用するよりアクセサリーに付与してダンジョンなどに利用する方がお金になるからではないでしょうか?」
「ふむ……それもそうだな……でも、この魔道具は我が王城に欲しい……」
俺をちらちら見ながら欲しいと仰る……可愛くはないのだが、命令してこないので嫌な気はしない。ならば、ここで恩をチャラにしようかな。
「国王様、王城にこのトイレの魔道具設置と、この【毒耐性(効果大)】の指輪2個でこことマンション寮の土地を譲ってください」
「ふむ、だがさっきも言ったとおり、我が国としては無償で譲ってでもこの地に住んでもらいたいぐらいなのだ」
「それだと、永住が前提でしょ。タダでもらってしまうと、もし素敵な土地に出会った時に国を出ていきにくいのは困るのですよ」
「だから、君らに国を出られるとこっちが困るんだよ……」
「でも、それは自由意思にしてもらわないとね。でも、多分この国を出る事はないかな……」
「それはどうしてそう思うのだ?」
「俺たちをこの国に召喚した女神が、この国が一番俺たちにとって住みやすいと判断しているからです」
「そ、そうなのか!? それは初耳だが、それが事実だと嬉しいな! 内政を良きものにするよう、日々努めている甲斐があったというものだ」
フィリアがこの国を選んだ理由……治安の良さと、国王の誠実さだそうだ。美咲が国に利用されないように配慮したといっていたけど、国王はともかく、周りの大臣たちが善人という訳ではない。
見せたくはなかったのだが、風呂場を覗いた国王が壊れた―――
「な、な、なんじゃこれは!」
お供の文官と護衛の騎士も口をあんぐりして固まっている。
「遊べるお風呂です」
「「「…………」」」
入りたいとごねる国王をなだめるのに苦労した。
「本当だな! 近いうちに招待してくれるのだな! 約束だぞ!」
まるで遊園地を見た子供だ……だが50を過ぎたおっさんでは可愛くない。
「分かりましたってば……国王様のお遊びより神殿に向かう方が大事でしょ?」
「うっ……それはそうだが……」
それからいくつか約束事を王様に取り付けることに成功した。
・この館には基本誰も宿泊させない
・勇者に面会を求めてきた国内外の来賓は王城に宿泊させて、国で接待する事
・日本の法と、この国の法での違いで捕縛された者たちへの減刑・免除
「それではミサキ殿、悪いが2日後に登城してくれるか?」
美咲は返答前に俺の方を見たので頷いて了承する。
「分かりました。お伺いいたします」
「う~む……ミサキ殿はリョウマ殿の意見が優先されるのかな?」
「俺はこの世界での聖女的な能力がありますからね。神の声が聴けるので、勇者美咲も俺の意見に従うのです」
俺の神はナビーちゃんだけどね!
「そうなのか? なるほど、そういう事なら納得だ。好きな男の言いなりとかでなくて安心した」
「あはは、そんな人間をこの世界の主神は勇者召喚するのですか?」
「リョウマ殿の言うとおりだな……女神フィリア様がお選びになったお方だ。信じよう」
いや~、王様には言いにくいけど、この世界の元主神様ってけっこう残念女神だよ……可愛いけどね。
2日後の登城には、周辺各国から要人が集まるそうだ……面倒そうだが、出席してほしいと懇願されてしまった。なんでも勇者に関係する神託があった場合の同盟国の取り決めらしいのだ。
フィリアと美咲と3人で、王都の中央神殿にやってきたのだが―――
「勇者様、お待ちしていました! うわ~カッコイイです♪」
待合室に駆け込んで入ってきたシスター服を着た可愛らしい少女がいきなり俺に抱き着いてきた。
「聖女ララ! ノックもしないで許可なく入室して、あなたは何をしているのですか! はしたないですよ!」
「あっ……つい……勇者様、教皇様、はしたない真似をしてごめんなさい……」
この娘が聖女様なの!? う~~~む……可愛いけど、なんか菜奈的オーラが出ている気がする……。
「あの……聖女様? 勇者は私なのですが……ミサキと申します……」
「エッ!? この御方が勇者様じゃないのですか? 女勇者……そんな……ウェ~ン……フィリア様の嘘つき! ウェ~ン……」
エエエ~~~っ……いきなり泣き出したんですけど! フィリアの嘘吐き? フィリアさん、これは何事ですか!?
『……う~~~ん、なんて言いますか……フィリア様がララを聖女として選んで神託した際に、フィリア様はララを勧誘するのに「素敵な勇者様に出会えるかもしれぬぞ」と言っちゃったのですよね……』
『でもそれだけでこれほど取り乱して泣くのか?』
『……ララは幼少時より勇者の物語が好きで、よく祖母に勇者の冒険譚を聞いて強い憧れを持っていたのです。8歳の時にフィリアに見いだされて、聖女になれば「勇者様と結婚できるかも!」と、夢が叶うと思ったようで、神殿入りし、聖女になるための辛い修行も頑張っていたようです』
ララの好きな絵本や冒険譚に出てくる殆どの勇者は、一緒に旅をし強くなり、民を虐げる国王や邪悪な邪竜などを倒して最後は聖女やお姫様と結婚して幸せに暮らしましたとさ……で締めくくっているそうだ。
『勇者様×聖女=素敵で幸せな結婚生活』という公式がララの中であるらしい。
『フィリア、そうなのか? ナビーの言うとおりなら、どうするのこれ……』
『こ、これは妾のせいなのか?』
結婚を想定して憧れていた勇者様が女だった……ララにとっては悲劇でしかないのだろう。
「これララ……辛い修行を頑張っているのをずっと見てきましたから、あなたの気持ちも分かりますが、勇者様がお困りですよ……」
「教皇さま……グスン…………はい……勇者様、取り乱してごめんなさい……あの……こちらの殿方は?」
聖女様……俺をロックオンしても、俺は勇者じゃないですよ?
「え~と……勇者の私より勇者的な人?」
美咲ちゃん、君は何を言ってるのかな?
念話を聞いていなくて事情を知らない美咲は、自分の思ってる感想を素直に口に出してしまった。
「勇者様より勇者様的な人? それは、つまり勇者様は今回2人居るって事ですよね!? 勇者様♡」
なんと! 強引にそうきたか! 俺を見つめる眼差しが熱い……この娘、勇者なら誰でもいいのか?
『……マスター……彼女は聖女なのですよ? 誰でも良い訳ないです。むしろ人より何倍も警戒心が強く、人の内心を見透かせる分、鉄壁と思える桜よりガードが固い娘です。その彼女がマスターを見るなり一目惚れをしたのです……誇って良い事案です』
そう聞くと嬉しい事なのだが……やはり聖女から発せられる菜奈的オーラが気になる……厄介事は御免だ。
「聖女ララ! いい加減にしなさい! 部屋に押し入り、挨拶もしないで惚気ている場合ではないでしょう! 勇者様、大変申し訳ありません。私はこの王都で教皇を任されているアレンと申します。お見知りおき下さいませ」
ララちゃんは、教皇さまに忠言されてハッとして謝罪してきた。
「ごめんなさい。待ちわびていた勇者様にお会いでき、つい嬉しくて失礼な態度をとってしましました」
「いえ、お気になさらないでください……でも、この人は私の婚約者です……」
美咲ちゃん……今、言わなくてもいいでしょうに。
ほら、ララちゃんが目をウルウルさせちゃったじゃないか……。
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