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学園ロワイヤル編 1日目
1-1-9 美加ちゃん回復?髪の色?
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菜奈とはパーティーを一時的に解除している……単身で経験値を稼ぎ、レベルアップしないといけないからだ。
今この時も美加ちゃんからは少量ずつだが出血が止まらず、血液が失われていっている。中3という未成熟な体に、菜奈の腕程もありそうな一物を無理やりねじ込まれたのだ。おそらく、本来は縫わないといけないほどに膣口が裂けていると思われる。肋骨も2本折れているようだし、痛みは相当なものだろう。できるだけ急ぐ必要がある。
別館の正面玄関の方は中庭に面しており、逃げ惑う生徒がちらほら見える。
こっちから出るのはまずそうだ。
俺は1階の調理室の窓を乗り越え、直接裏手に出た。
すぐ前に災害物資の保管倉庫があり、中からお目当てのオークの声が聞こえてくる。
どうやら俺が少しだけ残しておいた食料の匂いを嗅ぎつけて食ってるようだ。
災害用の非常食品は腐りにくいように真空パックか缶詰なのに、あいつ等の鼻はどれだけ性能がいいのか脅威を覚える。
拠点にしている倉庫も夜間目張りして、匂いや光が漏れ出ないように対策するつもりだったけど、効果があるのか疑問に思えてきた。
食べるのに必死なのか、中にいる2体は俺の方にまだ気づいていない。
このまま1体仕留められたら後が楽なんだがな……俺は上を見上げ菜奈が居ることを確認し、目配せで合図した
後、倉庫の中にそっと入って行き、背後から座り込んで何かをムシャムシャ食べているオークの首に剣をフルスイングで叩きつけた。
トイレよりスペースがあったので剣を思いっきり振れたためか一撃で首が落ちた。
何度かビクンと痙攣したかと思ったら、目の前が灰色の世界に変わって、A4サイズの【クリスタルプレート】が現れる。
どうやらレベルが上がったらしい。
だが女神フィリアに言われていたとおり、最初に女神と会った部屋に転送されるのは初回のみのようだ。
このグレーの白黒フィルムのような世界では、レベルアップ者の俺以外居ないようだ。
この世界にいられる時間は30分しかないようで、【クリスタルプレート】の隅に表示されている時間が29:42・41・40と1秒ごとに時間が減っていっている。
やはり1日居ていろんな話を聞いてくれ、俺の心を救ってくれたあの幼女な女神に会えないのはちょっと残念だと思ってしまった。
この世界の中では今、俺しか居ないが、パーティーだとどうなるんだろ? まぁ、後で良いか。
そうこうしてる間にも30分の時間は減っていっている。
急いでステータス画面を確認すると、アビリティーポイントが6Pになっている。
初回は3Pだったので今回は倍の数がある。
本当ならヒール系はもう少し先の獲得予定だった。
命の危険性を考えれば先にオークを倒せるだけの火力を上げる必要があるのだ。
今回やったような不意打ちが、そう何度も通用するはずがない。
強姦中で理性がない時や、今回のような食事中でもないかぎり、すぐバレるだろう。
奴らの五感が鋭いのは知っている……木の上で息を潜めたにもかかわらず、警戒中の奴らには見つかってしまったのだ。匂いなのか視線を感じたとかそんなのかもしれないが、とにかく敏感に察知してくる。
そういえば【気配察知】とかいうパッシブスキルが有ったな。あれを習得してるのかもしれないな。
さて、どうしよう。
水系の回復魔法【アクアヒール】を取り、レベル2にしてAPを3P使い【剣術】か【身体強化】を2P使ってレベルを上げるかだな。
少し悩んで出した結論は。
・【剣術】 Lv1→Lv2 AP2P消費 残AP4
・【身体強化】 Lv1→Lv2 AP2P消費 残AP2
剣技と身体強化を上げれば、オーク1体ならなんとか捕らえられると結論を出したのだ。
そして現実世界に戻れば、ちょうど1体だけで目の前にオークが残っている。
捕らえて未来ちゃんに止めを刺させて、未来ちゃんに回復魔法を覚えてもらおうというのが俺の出した答えだ。
APはあえて2ポイント残しておく。オリジナルのパッシブスキルを創りたいからだ。
よし、もう時間もあまりない。
いろいろ考えると30分なんかあっという間だな。
戻ればすぐに目の前にいる残りの1体との戦闘になる。
気合を入れ直し、タブレットの決定キーを押し現実世界に戻ってきた。
うっ! なんか変な感覚だ……グレーな世界から戻る時、俺の体勢を元の状態に戻すためか一瞬意識が無くなった感覚があり、強制的に最初の立ち位置の姿に戻されていた。
そしてその体勢から直ぐの再開ではなく、タブレットの画面に5秒間大きく5・4・3・2・1と数字がカウントされ0のタイミングでカラーの現実世界に戻された。
そのカウント中の5秒間は意識はあるものの、全く身動きが取れなかった。
変な感覚だが、心の準備の為か分からないがそういう仕様なのだから今後の為にも慣れるしかない。
残ってたオークの得物は槍だった。
ラッキー! 剣やナイフだと手こずったけど、槍は中間レンジの武器で、近接に弱い。
捕らえるには近接の必要があるのだ。身体強化で基礎能力が上がってる俺は瞬時にオークに近づき、振るってきた槍の柄を掴み捻るようにして取り上げた。そして槍は離れた場所に放り投げ、オークを倉庫の外におびき出す。
槍を取り上げオークは素手なので、狭い空間で組まれると体重差があるので不利なのだ。
広い倉庫の外でフットワークを生かして、オークの足を剣で切り付けた。
たまらず膝をついて下がったオークの顎を蹴りぬき、地面に這いつくばらせマウントを取った。
もはや俺の勝利の確定だ。
油断さえしなければ、この体勢からの負けは無い。
俺は上を見上げ菜奈に指示を出そうとしたのだが、見て固まった。
料理部女子が勢ぞろいで4階の音楽室の窓から俺の戦闘を見ていたのだ。
不安げな目をしている子、心配そうな目の子、目をキラキラ輝かせてる子……いろいろな視線が集まっていた。 だめだ、まだ戦闘中だ……呆けてる場合じゃない。
「未来ちゃん急いで降りてきて! 調理室の窓から乗り越えて来るんだよ! 正面側はオークがいるからね!」
あまり大声にならない程度に声を出して、未来ちゃんにこっちに来るように指示を出した。
「未来ちゃん、そこの落ちてる槍で止めを刺して! 迷ったらダメだよ、何も考えないで心臓を狙って刺すんだ! 美加ちゃんを犯した同族だと思って殺すんだ! レベルが上がったら初回だけ神の部屋に行ける。そこは時間の概念がないから、何時間でも考える事ができる。どう自分を育成するか考えてくると良い。でも今回は指示を出すね。スキルを2つサービスでもらえるから水系の【アクアヒール】と神聖系の【治癒】を習得して、レベルアップ時に獲得したAPを使って【治癒】をLv2にしてきてほしい」
「いまいち言っている事が解らなかったのですけど、その部屋に行けば白石先輩が言った事が理解できるのですよね?」
「ああ、さっき言った2つを探せば意味も理解できるはずだ。向こうの時間は基本無限だからいろいろ調べてくると良い。【クリスタルプレート】が現れるのでそれで全て検索できるようになっている。この世界の事もそこである程度調べられるけど、その部屋に行けるのは初回だけだから、じっくり納得がいくまで模索してくるんだよ」
「分かりました。生き物を意図して殺すのはゴキブリ以外では初めてです。手足が震えますね……」
「未来ちゃん頑張れ! メインパーティーになるなら毎日のように殺す羽目になる。下手したら同級生や下級生の人間が相手になるかも知れない。オークですら殺せないようなら、支援の方に回ってもらうしかない。ここが正念場だと思って頑張れ!」
未来ちゃんは、手足は見ていられないほど震えてしまって、顔も今にも泣きだしそうだが、目には強い意志がこもっているように見える。
未来ちゃんは槍を両手で持ちオークの心臓に当て体重を乗せて押し込んだ。
「エイッ!」
場違いなほど可愛い掛け声とともに、オークの胸に槍を突き刺した。
「戻りました、菜奈のお兄さん! 回復スキル習得してきました!」
俺的にはただ槍を刺してオークを殺しただけに見えているが、未来ちゃんにはオークが光って消えてから例の部屋に飛ばされていたんだろうな。
「お帰り。大体のこの世界の事も分かったかい?」
「ハイ、いろいろ調べて把握してきたつもりです」
「そうか。じゃあ、さっそくお友達の美加ちゃんを、未来ちゃんが治してあげようね。せっかく怖いのを頑張って生き物を殺して手に入れた力なんだ。美加ちゃんを治してあげて、皆に自慢しよう」
「ハイ! お兄さん、ありがとうございます! 私が美加を回復できる事が嬉しいです」
それにしても未来ちゃん別人みたいだな……日本で育った俺からすればすんげー違和感がある。
「あの、そんなにジロジロ見つめられたら恥ずかしいです……」
言ってなかったから未来ちゃんは気付いてないんだろうな。
向こうのシステムでの説明もないしね。
「うん、まーなんだ。上に行ったら教えるけど、驚いて大声出したらダメだよ」
すでに4階の皆が注目してざわめいてるのが分かる。君たちもっと気配を殺してほしいんだけど。
口に指を当てシーッというジェスチャーをしたら何人かがハッとしたように口に手を当て、周りをキョロキョロ見ていた。
そうだぞ、そのくらいの警戒心が常に必要なんだぞ。
ちょっと引っ込むと真下からでは彼女たちは見えないが、念のため注意しないとな。
上にあがると早速に未来ちゃんに皆が群がった。ある程度予想はしてたが、もう少し静かにしてほしい。
どういう事かというと……。
「未来! その髪どうしたの!? 凄く可愛いんだけど、ちょっとムカつく!」
「えっ? 菜奈なに怒ってるの? 髪がどうしたの?」
ムカつくといい放ったのはうちの愛妹の菜奈である。
うちの妹が何を息巻いてるかというと、未来ちゃんの髪が薄い水色がかった銀髪をしていたからだ。
未来ちゃんも自分の髪が青い銀髪なのが目に入ったのか慌てている。
「ん! レイのようにもうすぐ燃え尽きるんだ!」
この子は、一部の人間しか解らないような事を……アニメ系で『レイ』でググるとおそらく2人出るだろうが、彼女が言ってるのは南斗の男の方だね。
そういえば今の未来ちゃん、もう1人の女の子のレイにそっくりだな!
ちょっと内まきが入ったショートボブの髪型といい顔のつくりといい、超俺の好みなんですけど!
未来ちゃん意識してしゃべり方と雰囲気変えてくれないかな……ヒャホー使徒降臨だ!
「兄様! 使徒降臨とか思ってないですよね! 確かに某アニメキャラの綾波さんに似てますけど、変な気を起こさないでくださいね! 未来の性格違いますからね! 未来はクールビューティーじゃないですからね!」
なぜ分かったんだ……女神でもあるまいし! 俺の思考が読めるのか? 菜奈恐ろしい子……。
「そんな事より白石君? 未来ちゃんの髪はどうしちゃったの? まさか本当にスキルを手に入れるのに命を削られちゃうとかじゃないよね?」
城崎さん、あんたも古いアニメなのに知ってるのか! 間違いなくこの人もこっち側の人だ。
「悪いが質問は後だ! 皆、美加ちゃんのこと忘れてるぞ!」
倉庫の中に戻ったのだが、美加ちゃんはぐったりして恨めしそうにこっちを見た。
「皆、酷いです! 私、死にそうなのに……忘れられる程のポジションなんですね。茶道部だし……部外者ですもんね。グスン……アイタタッ」
「ほら、泣くだけでも肋骨が痛むんだろ! じっとしてろ! 未来が回復してくれるからな!」
「【治癒】美加どう? じゃあ、もう1回【治癒】どう?」
「未来ちゃん一旦ストップ! 美加ちゃんちょっと触るよ……どう? 肋骨に痛みはある?」
「はい、まだ少し痛いですが、大分痛みは治まりました。死にそうな気配を何となく感じてたのですが、それも今は全くないです。でも起き上がるとちょっとクラッときます」
「クラッとするのはおそらく貧血気味なのだろう。結構血を流したからね。美弥ちゃん先生、ちょっと彼女の秘部の出血の確認をしてあげてくれないか? 俺が見ても良いんだけど、流石に死にそうな時とは違って恥ずかしいだろうからね」
「恥ずかし過ぎます! 森里先生お願いします!」
「ちゃんと森里先生って言ってくれた! さすが茶道部の子は礼節をわきまえてるわね! 私に任せて!」
「いやー、俺が思うに、日ごろの態度で美弥ちゃんて言われるようになったんだと思うんだけど……」
料理部の子たちは激しくウンウンと俺の意見に頷いている。
「それより兄様! 未来の髪どうしちゃったんですか?」
「まぁ~待てって! 未来ちゃんヒールはあと何回出来る?」
「【アクアヒール】も【治癒】も2回です」
ん? レベルが違うのに同じ回数?
『……マスター、初級魔法の消費MPは基本どれもMP5が基準です。種族特性や個人特性によって得意な属性の威力や消費量なんかが変わってくるのです。未来という少女は聖属性の適性が特に高いのですね』
『そういう事か。情報ありがとう。神聖系の回復を取らせて正解だったね』
「じゃあ、もう1回美加ちゃんに【治癒】してあげて、1回は俺に掛けてほしい」
「兄様! どこか怪我したのですか!?」
「白石君大丈夫なの!?」
「いやそうじゃない。実は最初から肋骨にヒビが入ってて、オークとやり合うのも結構きつかったんだ。もう治りかけてるんだけど、やっぱ痛むと動きが鈍るからね。メインの俺が怪我を負ってたら皆の命に係わっちゃうだろ?」
「佐竹って奴にやられたのですか?」
「集団でボコスカ蹴られたから誰かまでは分からないけど、あいつらだね」
「許さない! 兄様にこんな酷い事!」
「まぁ~あいつらの事は生き残ってたら自分でケリをつけるから手出しするなよ。未来ちゃん、MPが完全に無くなると気絶したり気分が悪くなったり、目眩や吐き気がするんだ。魔力切れによるペナルティーなんだけど、メリットも少しあって消費した分のコンマ数パーセントのMP量が増えるんだ。悪いが今回ギリギリまで無理してもらって良いか?」
「兄様? そんな情報はどこにも記載されていませんでしたが? どういう事です?」
「女神様に直接聞いたんだ。菜奈たちは女神がいなかったから、システムに記載されてる情報しか知らないだろ? 髪の事もそうだな」
「白石君、髪は私も気になってるの。できれば早めに教えてほしいんだけど……もう気になってストレスが溜まりそうよ」
「分かったよ。菜奈には時間的な事もあって説明不足で悪い事したが、各自個人属性ってのがあって、その人の生まれ持った得意属性があるんだけど、こっちの世界の体はその得意属性が髪や目の色に顕著に出やすいんだ」
ホワイトボードに簡単に記載してあげる。
・火属性 赤髪・桃髪
・水属性 青髪
・風属性 緑髪
・雷属性 紫髪・青髪・緑髪・黄髪・金髪
・土属性 黄・茶髪・金髪
・聖属性 白髪・銀髪
・闇属性 黒髪
「で、未来ちゃんは銀髪で薄い青って事だから、元からめちゃくちゃ回復向きだってことだな。個人属性は本人の気質やら性格、俺たち異世界人の場合は希望なんかも反映されるから、おおむね希望どおりの属性になる。雷属性がいろいろ多いのは、電気自体が何かの摩擦によって発生するものらしいからだけど、純水は絶縁体だから雷属性の人の青髪は少ないらしい。得意なサブ属性の影響も大きいのかな?」
「私と兄様は、黒髪のままなので本来の得意な個人属性は闇属性って事ですか?」
「多分そうだな。闇魔法は支援魔法が多い属性だが、聖属性と並んでレアな属性だ。空間や時間を支配できる魔法で【亜空間倉庫】や【ヘイスト】【グラビトン】【フロート】なんかが俺たちの世界でもゲームでは超有効だよな」
「あの……性格が悪いとかそういうのもありますか?」
「菜奈、闇=性格が悪いじゃないぞ? 俺はともかく、お前の性格全然悪くも暗くもないだろ? 確か闇は冷静沈着で計算高く、狙った獲物は蛇のようにしつこいとか女神様が言っていたな。いろいろ他にも教えてくれたけど全部は覚えてない」
「うっ、当たっているかも……」
「白石君、私がなりたい超火力の剣士だと何属性が向いてるのか解る?」
「火力重視なら力が上がる火、重戦士なら防御も上がる土、スピード重視で回避と手数なら雷か風ってとこかな」
「じゃあ、私の髪は赤髪になる可能性が高い?」
「完全に希望に沿うとも限らないんだよな……雷系メインで取ってきた菜奈だけど、結局髪色は黒のままだったしね。でも闇は使い勝手がいいから魔法職を目指す菜奈にとっては良い事だぞ。特に【亜空間倉庫】はあって損はない。皆が10kgの物を背負って移動してる時に自分だけ手ぶらなんてチートっぽくて良いだろ? まぁ、俺たち異世界人はAP使用で誰でも獲得出来ちゃうチート仕様なんだけどね……」
確認の為に服を脱いで未来ちゃんにヒールを掛けてもらってみた。
沢山あった痣は消えたが火傷の跡は残ってしまっている。菜奈はそれを見て憤慨してたが、これも上位の回復魔法を覚えたら消せるのを知ってるので問題ない。
肋骨の痛みも無くなった。これで思う存分動けるようになる。
未来ちゃんはMP切れで、気絶こそしなかったが気分が悪そうだった。俺と美加ちゃんは謝るんじゃなくてお礼を言って励ました。ヒーラーは謝られるより感謝される方が嬉しいからね。
「さて、美加ちゃんのピンチも凌げたし、獣化した男どもに襲われる前にパーティーを強化しないとな。その為にまた少し話し合おうか?」
皆も頷き、今後の行動を話すべく思考するのだった。
今この時も美加ちゃんからは少量ずつだが出血が止まらず、血液が失われていっている。中3という未成熟な体に、菜奈の腕程もありそうな一物を無理やりねじ込まれたのだ。おそらく、本来は縫わないといけないほどに膣口が裂けていると思われる。肋骨も2本折れているようだし、痛みは相当なものだろう。できるだけ急ぐ必要がある。
別館の正面玄関の方は中庭に面しており、逃げ惑う生徒がちらほら見える。
こっちから出るのはまずそうだ。
俺は1階の調理室の窓を乗り越え、直接裏手に出た。
すぐ前に災害物資の保管倉庫があり、中からお目当てのオークの声が聞こえてくる。
どうやら俺が少しだけ残しておいた食料の匂いを嗅ぎつけて食ってるようだ。
災害用の非常食品は腐りにくいように真空パックか缶詰なのに、あいつ等の鼻はどれだけ性能がいいのか脅威を覚える。
拠点にしている倉庫も夜間目張りして、匂いや光が漏れ出ないように対策するつもりだったけど、効果があるのか疑問に思えてきた。
食べるのに必死なのか、中にいる2体は俺の方にまだ気づいていない。
このまま1体仕留められたら後が楽なんだがな……俺は上を見上げ菜奈が居ることを確認し、目配せで合図した
後、倉庫の中にそっと入って行き、背後から座り込んで何かをムシャムシャ食べているオークの首に剣をフルスイングで叩きつけた。
トイレよりスペースがあったので剣を思いっきり振れたためか一撃で首が落ちた。
何度かビクンと痙攣したかと思ったら、目の前が灰色の世界に変わって、A4サイズの【クリスタルプレート】が現れる。
どうやらレベルが上がったらしい。
だが女神フィリアに言われていたとおり、最初に女神と会った部屋に転送されるのは初回のみのようだ。
このグレーの白黒フィルムのような世界では、レベルアップ者の俺以外居ないようだ。
この世界にいられる時間は30分しかないようで、【クリスタルプレート】の隅に表示されている時間が29:42・41・40と1秒ごとに時間が減っていっている。
やはり1日居ていろんな話を聞いてくれ、俺の心を救ってくれたあの幼女な女神に会えないのはちょっと残念だと思ってしまった。
この世界の中では今、俺しか居ないが、パーティーだとどうなるんだろ? まぁ、後で良いか。
そうこうしてる間にも30分の時間は減っていっている。
急いでステータス画面を確認すると、アビリティーポイントが6Pになっている。
初回は3Pだったので今回は倍の数がある。
本当ならヒール系はもう少し先の獲得予定だった。
命の危険性を考えれば先にオークを倒せるだけの火力を上げる必要があるのだ。
今回やったような不意打ちが、そう何度も通用するはずがない。
強姦中で理性がない時や、今回のような食事中でもないかぎり、すぐバレるだろう。
奴らの五感が鋭いのは知っている……木の上で息を潜めたにもかかわらず、警戒中の奴らには見つかってしまったのだ。匂いなのか視線を感じたとかそんなのかもしれないが、とにかく敏感に察知してくる。
そういえば【気配察知】とかいうパッシブスキルが有ったな。あれを習得してるのかもしれないな。
さて、どうしよう。
水系の回復魔法【アクアヒール】を取り、レベル2にしてAPを3P使い【剣術】か【身体強化】を2P使ってレベルを上げるかだな。
少し悩んで出した結論は。
・【剣術】 Lv1→Lv2 AP2P消費 残AP4
・【身体強化】 Lv1→Lv2 AP2P消費 残AP2
剣技と身体強化を上げれば、オーク1体ならなんとか捕らえられると結論を出したのだ。
そして現実世界に戻れば、ちょうど1体だけで目の前にオークが残っている。
捕らえて未来ちゃんに止めを刺させて、未来ちゃんに回復魔法を覚えてもらおうというのが俺の出した答えだ。
APはあえて2ポイント残しておく。オリジナルのパッシブスキルを創りたいからだ。
よし、もう時間もあまりない。
いろいろ考えると30分なんかあっという間だな。
戻ればすぐに目の前にいる残りの1体との戦闘になる。
気合を入れ直し、タブレットの決定キーを押し現実世界に戻ってきた。
うっ! なんか変な感覚だ……グレーな世界から戻る時、俺の体勢を元の状態に戻すためか一瞬意識が無くなった感覚があり、強制的に最初の立ち位置の姿に戻されていた。
そしてその体勢から直ぐの再開ではなく、タブレットの画面に5秒間大きく5・4・3・2・1と数字がカウントされ0のタイミングでカラーの現実世界に戻された。
そのカウント中の5秒間は意識はあるものの、全く身動きが取れなかった。
変な感覚だが、心の準備の為か分からないがそういう仕様なのだから今後の為にも慣れるしかない。
残ってたオークの得物は槍だった。
ラッキー! 剣やナイフだと手こずったけど、槍は中間レンジの武器で、近接に弱い。
捕らえるには近接の必要があるのだ。身体強化で基礎能力が上がってる俺は瞬時にオークに近づき、振るってきた槍の柄を掴み捻るようにして取り上げた。そして槍は離れた場所に放り投げ、オークを倉庫の外におびき出す。
槍を取り上げオークは素手なので、狭い空間で組まれると体重差があるので不利なのだ。
広い倉庫の外でフットワークを生かして、オークの足を剣で切り付けた。
たまらず膝をついて下がったオークの顎を蹴りぬき、地面に這いつくばらせマウントを取った。
もはや俺の勝利の確定だ。
油断さえしなければ、この体勢からの負けは無い。
俺は上を見上げ菜奈に指示を出そうとしたのだが、見て固まった。
料理部女子が勢ぞろいで4階の音楽室の窓から俺の戦闘を見ていたのだ。
不安げな目をしている子、心配そうな目の子、目をキラキラ輝かせてる子……いろいろな視線が集まっていた。 だめだ、まだ戦闘中だ……呆けてる場合じゃない。
「未来ちゃん急いで降りてきて! 調理室の窓から乗り越えて来るんだよ! 正面側はオークがいるからね!」
あまり大声にならない程度に声を出して、未来ちゃんにこっちに来るように指示を出した。
「未来ちゃん、そこの落ちてる槍で止めを刺して! 迷ったらダメだよ、何も考えないで心臓を狙って刺すんだ! 美加ちゃんを犯した同族だと思って殺すんだ! レベルが上がったら初回だけ神の部屋に行ける。そこは時間の概念がないから、何時間でも考える事ができる。どう自分を育成するか考えてくると良い。でも今回は指示を出すね。スキルを2つサービスでもらえるから水系の【アクアヒール】と神聖系の【治癒】を習得して、レベルアップ時に獲得したAPを使って【治癒】をLv2にしてきてほしい」
「いまいち言っている事が解らなかったのですけど、その部屋に行けば白石先輩が言った事が理解できるのですよね?」
「ああ、さっき言った2つを探せば意味も理解できるはずだ。向こうの時間は基本無限だからいろいろ調べてくると良い。【クリスタルプレート】が現れるのでそれで全て検索できるようになっている。この世界の事もそこである程度調べられるけど、その部屋に行けるのは初回だけだから、じっくり納得がいくまで模索してくるんだよ」
「分かりました。生き物を意図して殺すのはゴキブリ以外では初めてです。手足が震えますね……」
「未来ちゃん頑張れ! メインパーティーになるなら毎日のように殺す羽目になる。下手したら同級生や下級生の人間が相手になるかも知れない。オークですら殺せないようなら、支援の方に回ってもらうしかない。ここが正念場だと思って頑張れ!」
未来ちゃんは、手足は見ていられないほど震えてしまって、顔も今にも泣きだしそうだが、目には強い意志がこもっているように見える。
未来ちゃんは槍を両手で持ちオークの心臓に当て体重を乗せて押し込んだ。
「エイッ!」
場違いなほど可愛い掛け声とともに、オークの胸に槍を突き刺した。
「戻りました、菜奈のお兄さん! 回復スキル習得してきました!」
俺的にはただ槍を刺してオークを殺しただけに見えているが、未来ちゃんにはオークが光って消えてから例の部屋に飛ばされていたんだろうな。
「お帰り。大体のこの世界の事も分かったかい?」
「ハイ、いろいろ調べて把握してきたつもりです」
「そうか。じゃあ、さっそくお友達の美加ちゃんを、未来ちゃんが治してあげようね。せっかく怖いのを頑張って生き物を殺して手に入れた力なんだ。美加ちゃんを治してあげて、皆に自慢しよう」
「ハイ! お兄さん、ありがとうございます! 私が美加を回復できる事が嬉しいです」
それにしても未来ちゃん別人みたいだな……日本で育った俺からすればすんげー違和感がある。
「あの、そんなにジロジロ見つめられたら恥ずかしいです……」
言ってなかったから未来ちゃんは気付いてないんだろうな。
向こうのシステムでの説明もないしね。
「うん、まーなんだ。上に行ったら教えるけど、驚いて大声出したらダメだよ」
すでに4階の皆が注目してざわめいてるのが分かる。君たちもっと気配を殺してほしいんだけど。
口に指を当てシーッというジェスチャーをしたら何人かがハッとしたように口に手を当て、周りをキョロキョロ見ていた。
そうだぞ、そのくらいの警戒心が常に必要なんだぞ。
ちょっと引っ込むと真下からでは彼女たちは見えないが、念のため注意しないとな。
上にあがると早速に未来ちゃんに皆が群がった。ある程度予想はしてたが、もう少し静かにしてほしい。
どういう事かというと……。
「未来! その髪どうしたの!? 凄く可愛いんだけど、ちょっとムカつく!」
「えっ? 菜奈なに怒ってるの? 髪がどうしたの?」
ムカつくといい放ったのはうちの愛妹の菜奈である。
うちの妹が何を息巻いてるかというと、未来ちゃんの髪が薄い水色がかった銀髪をしていたからだ。
未来ちゃんも自分の髪が青い銀髪なのが目に入ったのか慌てている。
「ん! レイのようにもうすぐ燃え尽きるんだ!」
この子は、一部の人間しか解らないような事を……アニメ系で『レイ』でググるとおそらく2人出るだろうが、彼女が言ってるのは南斗の男の方だね。
そういえば今の未来ちゃん、もう1人の女の子のレイにそっくりだな!
ちょっと内まきが入ったショートボブの髪型といい顔のつくりといい、超俺の好みなんですけど!
未来ちゃん意識してしゃべり方と雰囲気変えてくれないかな……ヒャホー使徒降臨だ!
「兄様! 使徒降臨とか思ってないですよね! 確かに某アニメキャラの綾波さんに似てますけど、変な気を起こさないでくださいね! 未来の性格違いますからね! 未来はクールビューティーじゃないですからね!」
なぜ分かったんだ……女神でもあるまいし! 俺の思考が読めるのか? 菜奈恐ろしい子……。
「そんな事より白石君? 未来ちゃんの髪はどうしちゃったの? まさか本当にスキルを手に入れるのに命を削られちゃうとかじゃないよね?」
城崎さん、あんたも古いアニメなのに知ってるのか! 間違いなくこの人もこっち側の人だ。
「悪いが質問は後だ! 皆、美加ちゃんのこと忘れてるぞ!」
倉庫の中に戻ったのだが、美加ちゃんはぐったりして恨めしそうにこっちを見た。
「皆、酷いです! 私、死にそうなのに……忘れられる程のポジションなんですね。茶道部だし……部外者ですもんね。グスン……アイタタッ」
「ほら、泣くだけでも肋骨が痛むんだろ! じっとしてろ! 未来が回復してくれるからな!」
「【治癒】美加どう? じゃあ、もう1回【治癒】どう?」
「未来ちゃん一旦ストップ! 美加ちゃんちょっと触るよ……どう? 肋骨に痛みはある?」
「はい、まだ少し痛いですが、大分痛みは治まりました。死にそうな気配を何となく感じてたのですが、それも今は全くないです。でも起き上がるとちょっとクラッときます」
「クラッとするのはおそらく貧血気味なのだろう。結構血を流したからね。美弥ちゃん先生、ちょっと彼女の秘部の出血の確認をしてあげてくれないか? 俺が見ても良いんだけど、流石に死にそうな時とは違って恥ずかしいだろうからね」
「恥ずかし過ぎます! 森里先生お願いします!」
「ちゃんと森里先生って言ってくれた! さすが茶道部の子は礼節をわきまえてるわね! 私に任せて!」
「いやー、俺が思うに、日ごろの態度で美弥ちゃんて言われるようになったんだと思うんだけど……」
料理部の子たちは激しくウンウンと俺の意見に頷いている。
「それより兄様! 未来の髪どうしちゃったんですか?」
「まぁ~待てって! 未来ちゃんヒールはあと何回出来る?」
「【アクアヒール】も【治癒】も2回です」
ん? レベルが違うのに同じ回数?
『……マスター、初級魔法の消費MPは基本どれもMP5が基準です。種族特性や個人特性によって得意な属性の威力や消費量なんかが変わってくるのです。未来という少女は聖属性の適性が特に高いのですね』
『そういう事か。情報ありがとう。神聖系の回復を取らせて正解だったね』
「じゃあ、もう1回美加ちゃんに【治癒】してあげて、1回は俺に掛けてほしい」
「兄様! どこか怪我したのですか!?」
「白石君大丈夫なの!?」
「いやそうじゃない。実は最初から肋骨にヒビが入ってて、オークとやり合うのも結構きつかったんだ。もう治りかけてるんだけど、やっぱ痛むと動きが鈍るからね。メインの俺が怪我を負ってたら皆の命に係わっちゃうだろ?」
「佐竹って奴にやられたのですか?」
「集団でボコスカ蹴られたから誰かまでは分からないけど、あいつらだね」
「許さない! 兄様にこんな酷い事!」
「まぁ~あいつらの事は生き残ってたら自分でケリをつけるから手出しするなよ。未来ちゃん、MPが完全に無くなると気絶したり気分が悪くなったり、目眩や吐き気がするんだ。魔力切れによるペナルティーなんだけど、メリットも少しあって消費した分のコンマ数パーセントのMP量が増えるんだ。悪いが今回ギリギリまで無理してもらって良いか?」
「兄様? そんな情報はどこにも記載されていませんでしたが? どういう事です?」
「女神様に直接聞いたんだ。菜奈たちは女神がいなかったから、システムに記載されてる情報しか知らないだろ? 髪の事もそうだな」
「白石君、髪は私も気になってるの。できれば早めに教えてほしいんだけど……もう気になってストレスが溜まりそうよ」
「分かったよ。菜奈には時間的な事もあって説明不足で悪い事したが、各自個人属性ってのがあって、その人の生まれ持った得意属性があるんだけど、こっちの世界の体はその得意属性が髪や目の色に顕著に出やすいんだ」
ホワイトボードに簡単に記載してあげる。
・火属性 赤髪・桃髪
・水属性 青髪
・風属性 緑髪
・雷属性 紫髪・青髪・緑髪・黄髪・金髪
・土属性 黄・茶髪・金髪
・聖属性 白髪・銀髪
・闇属性 黒髪
「で、未来ちゃんは銀髪で薄い青って事だから、元からめちゃくちゃ回復向きだってことだな。個人属性は本人の気質やら性格、俺たち異世界人の場合は希望なんかも反映されるから、おおむね希望どおりの属性になる。雷属性がいろいろ多いのは、電気自体が何かの摩擦によって発生するものらしいからだけど、純水は絶縁体だから雷属性の人の青髪は少ないらしい。得意なサブ属性の影響も大きいのかな?」
「私と兄様は、黒髪のままなので本来の得意な個人属性は闇属性って事ですか?」
「多分そうだな。闇魔法は支援魔法が多い属性だが、聖属性と並んでレアな属性だ。空間や時間を支配できる魔法で【亜空間倉庫】や【ヘイスト】【グラビトン】【フロート】なんかが俺たちの世界でもゲームでは超有効だよな」
「あの……性格が悪いとかそういうのもありますか?」
「菜奈、闇=性格が悪いじゃないぞ? 俺はともかく、お前の性格全然悪くも暗くもないだろ? 確か闇は冷静沈着で計算高く、狙った獲物は蛇のようにしつこいとか女神様が言っていたな。いろいろ他にも教えてくれたけど全部は覚えてない」
「うっ、当たっているかも……」
「白石君、私がなりたい超火力の剣士だと何属性が向いてるのか解る?」
「火力重視なら力が上がる火、重戦士なら防御も上がる土、スピード重視で回避と手数なら雷か風ってとこかな」
「じゃあ、私の髪は赤髪になる可能性が高い?」
「完全に希望に沿うとも限らないんだよな……雷系メインで取ってきた菜奈だけど、結局髪色は黒のままだったしね。でも闇は使い勝手がいいから魔法職を目指す菜奈にとっては良い事だぞ。特に【亜空間倉庫】はあって損はない。皆が10kgの物を背負って移動してる時に自分だけ手ぶらなんてチートっぽくて良いだろ? まぁ、俺たち異世界人はAP使用で誰でも獲得出来ちゃうチート仕様なんだけどね……」
確認の為に服を脱いで未来ちゃんにヒールを掛けてもらってみた。
沢山あった痣は消えたが火傷の跡は残ってしまっている。菜奈はそれを見て憤慨してたが、これも上位の回復魔法を覚えたら消せるのを知ってるので問題ない。
肋骨の痛みも無くなった。これで思う存分動けるようになる。
未来ちゃんはMP切れで、気絶こそしなかったが気分が悪そうだった。俺と美加ちゃんは謝るんじゃなくてお礼を言って励ました。ヒーラーは謝られるより感謝される方が嬉しいからね。
「さて、美加ちゃんのピンチも凌げたし、獣化した男どもに襲われる前にパーティーを強化しないとな。その為にまた少し話し合おうか?」
皆も頷き、今後の行動を話すべく思考するのだった。
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