女神様から同情された結果こうなった

回復師

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学園ロワイヤル編 1日目

1-1-21 グループ情勢?自動販売機?

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 女子寮の方に戻ると、大量に荷物が用意されていた。全て【インベントリ】に収めようとしたが、美弥ちゃん先生に止められた。なぜ? と思ったら、『この分は教員棟と体育館に届けてあげたい』と言われた。

 大きめのバッグにパンパンに誰かの服をいろいろ詰めたのだろう。それが5つ。
 裸で預けてきた彼女たちの事がどうしても気になるようだ。

「解った、俺が行って届けてくるよ。女子が行くとまた引き止めたりして面倒になるからね。ここで待ってて」

 体育館で服を渡し、代わりに非常食を女子寮に届けたいのでと訴え、20人が1カ月暮らせる分を頂いた。
 体育館のリーダーは、俺の相談を無視した体育教師だった。大事な食糧なので出し渋るかと思ったが、すんなり渡してくれた。体育館の地下倉庫がメイン庫なので、かなりの在庫があるのだろう。

 教員棟でも1カ月分を頂くことに成功した。
 俺たちがどこにいるのかと根掘り葉掘り聞いてきたが、一切教えなかった。

 裸の女の子からは感謝の言葉をもらえたし、届けて正解のようだ。教員棟では余程不快な視線を受けていたのか、体育館の方に行きたいと言う娘までいたのだ。面倒だったけど、3人だけだったし、気持ちは解るので連れて行ってあげた。

 教員棟の方にバッグを3つ渡すつもりだったが、体育館の方にもう1つ届ける事にした。
 裸の女子の数が体育館の方が多くなったためだ。

 その足で女子寮A棟に寄って、そこのリーダーに食料を渡してあげた。
 ここのリーダーは高等部の3年生の国語を主に担当してる女教師のようだ。

「あなたがリーダーなの? 白石君だよね?」
「ええそうです。ですが本名は小鳥遊です。今後そう呼んでください。食料を持ってきてあげましたが、20人が1か月過ごせる分だけ渡します。それと太陽発電で発光する発光灯を5つ貰ってきてあげました。ですが、光の漏れには注意して使ってくださいね。あなたたちが3日生き延びられたら、もう1カ月分の食料を渡してあげますので頑張って生き延びてください。言っておきますが男には要注意ですよ」

「理解はしているつもりよ。だから女子だけで固めているの。レベルも少しずつだけど上げるつもりよ。それと明かりはありがたいわ。真っ暗で不安がってる子も居たの……誕生ケーキに付いていたロウソクやアロマキャンドルを趣味にしてる子が居たのでなんとか凌いでいたけど、あれだけ暗いと何もできないところだったわ」

「先生は理解してると言いましたが、俺がその気なら既に終わってますけどね……」

「そうね……もっと注意するようにするわ。食料ありがとう、これで気持ち的に余裕がでてくるわ。でも3日後に渡してくれるなら今でもいいんじゃないの? どうしてなの?」

「ここがオークに襲われて崩壊したときに、せっかく渡した食料がすべてパーになります。3日の間守れるなら渡しても大丈夫だろうという判断です。ダメだった場合はそのまま俺たちのグループで頂きます」

「成程、納得しました。食料を無駄にしないように3日間生き残れという事ね?」

「ここは生産性が無いので急いでレベル上げをして、食料のあるうちに他の町を目指すのが得策だと思います。後、男子寮には気を付けるように。理由は言うまでもないでしょう? 質問なのですが食糧問題が無くなれば女子の受け入れは可能ですか?」

「人数にもよるわね。正直これ以上はレベル上げとかが大変になるので増やしたくないのが本音よ」

「そうですよね。最大で何人まで可能でしょう?」
「食料付きなら10人まで受け入れるわ。それ以上は無理」

「了解しました。今1番危険なのは男子寮にいる女の子と野球部に女子1人でいる娘なので、受け入れてもらうとしたらその娘たちが男子に襲われた後という事になると思います。彼女たちにはうちの女子が注意をしてあるので、自主的にここに避難してきた場合は受け入れてあげてください。食料は森里先生にでも届けさせますので」

「中等部の森里先生はあなたのとこにいるのね? でも男子寮にいる娘たちをどうしてすぐに助け出してあげないの?」
「性犯罪が起きる可能性があると注意はしてあります。まだ何も起きていないですし、これ以上は大きなお世話でしょう?」

「それもそうね。実際事が起きてからだと遅いのだけど、それも彼女たちの選択だしね」
「そういうことです。では俺はもう行きますね。聞きたい事があれば森里先生にメールかコールで問い合わせてください。できるだけ答えられる事は教えますので」

「ええ、お願いするわ。食料ありがとうね。ここの皆を代表してお礼を言うわ」

 高等部にもまともな教師は居たようだ。この先生なら今後も連携を組んでも安心できそうだ。


「ただいま。行ってきたよ」
「龍馬君、ありがとうね。先生の方にさっきコールがあって、食料を女子寮に届けてくれたってお礼があったわよ。高畑先生、凄く感謝していたわ」

 食べるものが無くなるかもしれない……この恐怖は相当なものだ。その不安が先延ばしされただけでも、かなり落ち着けるだろう。

「あの先生はまともそうだから、女子寮の方は安心ですね。女子寮との連絡係を勝手に美弥ちゃん先生にしたけど良いよね?」

「ええ、学部が違うのであの先生とはあまり話したことはなかったけど、常識ある方だと思うわ」

「兄様、素敵です! 女子寮の食料事情や、今後の女子の行く末まで見越してらっしゃるのですね!」
「ん! 龍馬かっこいい!」

「私はオークに犯されたなら我慢できるけど、クラスの男の子にレイプされるのは我慢できないな。できれば酷い目に遭う前に女子寮に移籍させてあげたいんだけど……」

「人それぞれ考えがあると思うぞ。桜だって体育館や教員棟を選ばないで俺たちといる事を選んだだろ? 男子寮の娘たちも女子ばかりより、男が居た方が今は安心なのかもしれないだろ? オークの方が怖いと思ってる今は、男に守ってもらう方が安心できるんじゃないか?」

「そっか……そうかもしれないわね。今、男子寮にいる娘たちは、中庭でオークに襲われて逃げ回っていたところを男子寮の前で男の子たちに助けてもらったそうよ」

「オークの足は遅いからね。成程……彼女たちからすれば命の恩人だし、一度助けてもらった実績があるから離れたくないんだろうね。危険な奴が混じってるとも知らずにあの場に居るわけだ」

「連絡は取れるので、何かあったらすぐコールかメールをこっちにするようになってるけど、その時は龍馬君お願いできる?」

「俺が行くと殺し合いになるよ? 男の方は殺人までは考えてないと思うのに、話が大きくなって収拾付かなくなるよ? 俺が行っても、結局向こうが引かなかったら殺すことになる。日本の法律でもレイプじゃ死刑にはならないよね? あまり俺が絡まない方が良い。彼女たちにも注意はしてあるんだ、何かあった時は自業自得じゃないのかな? 俺だって菜奈の為なら殺人もやるけど、赤の他人の為に人殺しはしたくないよ。やるなら桜が行って殺ってよね」

「あぅ、ごめんなさい。簡単に龍馬君にお願いしちゃったけど、私も自分や料理部の娘の為なら殺人も厭わないけど、男子寮にいる知らない人の為にはできないわ。忠告を聞かなかったからでしょ! って思ってしまう」

「だろ? でも、女子寮の方が襲われてヤバそうだったら助けに行くぞ。彼女たちに非は無いからね。それに、もしうちのグループ内で派閥ができて揉めて出ていく者が出た時に、安心して出ていける受け入れ先があるってだけで、皆も少し気が楽になると思う。だから女子寮の方は大事にしたいと思ってる」

「どういう事?」

「美弥ちゃんが最初俺に会った時、俺に見捨てて置いて行かれると思ったのか、ワンワン鼻水垂らして連れていってと泣いたんだよ。居場所がそこ1カ所しか無いっていうのは、その人の精神力や自己主張なんかの自我を奪っちゃうんだ。見捨てられる、置いて行かれる、下手な発言はできない、自分の意見は我慢する。どんどんストレスが溜まっていくよね。他にも行き場があるってだけで、随分気が楽になると思うんだ。俺は助けを求めたのに行き場が無かったから、変な思考に囚われちゃったしね」

「龍馬君にバラされた! 鼻水垂らして泣いたのバラされた!」
「美弥ちゃん先生がアレなのは今更でしょ」

「ひどい、私、先生なのに!」

「心のゆとりか……私、自分の事しか考えてなかったわ。仲の良い料理部で派閥ができるとかも考えてなかった」

「派閥は絶対できるだろうけど、別に険悪になるとは思ってないからな。仲良しさん同士で集まる程度なら良いなって思ってるだけだ。さて、用事は済んだから拠点に戻ろうか? 皆のレベルも安全圏まで上がったしね。帰ったら料理部で何か作ってくれるとありがたいな。どうやら夜間はオークも少ないようだし、調理室で作った温かい美味しい物が食べたいよ。桜たちなら電気がなくても鍋で米も炊けるだろ?」

「勿論! 任せて、帰ったら皆で何か作るわね。食材も一杯ある事だし♪」

 拠点に戻り、食堂である程度の食材を確保できた事を報告すると、皆一斉に喜んだ。
 流石料理部だ……食材にこれほど喜ぶとは……。

 皆の寝具を割り振った場所に出してあげた。
 勿論渡したときに布団の匂いをクンクンするのを忘れていない。
 俺の楽しみの1つだからな……【嗅覚強化】は予想以上に役に立っているぞ!

「う~~、沙織ちゃんに服を渡したくない!」
「龍馬先輩、意地悪しないでくださいよ! 寒いんですから、早くください!」

「仕方ない、ちらちら時々見えるおっぱいの事はあきらめるか」

「もう! どうしても見たいのならほら、例のアレをしてくれれば良いのですよ!」
「うん? 何の事だ?」

「【アクアフロー】でしたっけ? アレですよ、アレ!」
「あ~、マッサージの事か。なんでアレとか言うんだ?」

「し~っ! ですよ! ダメですよ! アレは皆に教えたらダメです! 私と美加先輩の秘密なんですから!」
「別にいいんじゃないか? 隠すほどの事か?」

「アレはそういうレベルのモノじゃないんです! 毎日龍馬先輩はこの人数の【アクアフロー】を施せますか?」

「いや、いくら裸が見られるっていってもそれは勘弁だな。指が痛くなってしまう」
「でしょ? でもアレは龍馬先輩が疲れているのが分かっていてもお願いしたくなるほどのモノなのです。1食分とどっち取ると聞かれたら、私は龍馬先輩のマッサージを迷わず選びます。左胸を最初に触られるぐらい全然平気です」

「そんなに良いモノなのか? でも下着や水着でやってくれって言われてもできないし、嫌だからな」
「ふふふっ、そんな野暮な事は言いませんよ。謝礼だと思って見せてあげます」

「沙織は理解があって大変宜しい! 疲労が溜まった時はまたしてあげるな。でもあれは魔力も使うし、俺も結構疲れるから、本当に沙織が疲れた時だけな?」

「解ってます。マッサージ機扱いはしませんよ」

 皆に着替えの入ったバッグも渡し、一段落ついたところで自販機の中身をどうしようかなと考えていたのだが……良い案を思いついた。

「雅、自販機の鍵、忘れずに持ってきてるか?」
「ん、ここにある」

「それって電源入ってなくても大丈夫なのか?」
「ん、手動操作は面倒だけど、なんとか取り出せる。今から行くの?」

「うん。良い事思いついたから俺だけで行ってくるよ」
「ん? どうするの?」

「向こうで取り出すのではなく、自販機ごと【インベントリ】に掻っ攫ってくる。後でゆっくり居残り組にでも取り出してもらえば良いだろ」

「ん、大胆だけど、良い案」

「そういう訳だから、俺だけで行ってくるな。ついでに売店も襲撃してきてやる。荒らされてなかったら、お菓子は全部取ってきてやるな」

「ん、龍馬大好き♪」

 雅のヤツ、だんだん可愛くなりやがって!
 別に俺はロリコンじゃないが、可愛く好きとか言われたら嬉しくなるのは当然だよな?
 まぁ、お菓子が欲しいんだろうけどね。


 俺は言われた食材を【インベントリ】から出して、料理部の面々が夕飯にあたるものを作ってる間に、再度食堂に向かうのだった。
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