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学園ロワイヤル編 7・8日目
1-8-6 残る危険?進む危険?
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レベルアップ部屋から現実世界に戻ってくる。そこには血濡れになった柴崎がこっちを睨んでいた。
今も噴出している血を浴びている最中だ。
「ちょっと小鳥遊君、酷くない?」
「俺の指示通りなら【クリーン】を獲得しているでしょ? 自分で浄化してください」
俺の指示どおりなら、昨日の時点で【身体強化】Lv3と【クリーン】を持ってる筈なのだ。
「そんなに怒んないでよ。悪かったって……ごめんなさい」
「ああ、謝らなくて結構です。昨日あなたには個別で現状説明はしてあるので、別にもうどうでもいいです。只、予定出発時刻は3日後の早朝7:00時です。それまでに【身体強化】がLv5に達してなかったら、昨日言ったように皆に迷惑が掛かるので置いて行きますのであしからず」
その場を立ち去ろうとしたのだが、彼女に腕にしがみつかれてしまう。
「ちょっと待ってよ! 置いて行くって冗談でしょ?」
「そんななりで引っ付かないでくださいよ!」
「あなたが意図的に態と嫌がらせでこうしたのでしょ! それよりマジで置いて行かないよね?」
これ以上オークの血を俺に擦られるのも嫌なので、自分と彼女に【クリーン】を掛けて綺麗にする。全身にシャワーのように血を浴びてるのに、流石過酷なオークのコロニーで生き残っただけはある……このくらいの事じゃ平気なようだ。沙希ちゃんとかなら卒倒するようなレベルなのにな。
「昨日俺はそう言ったでしょ? で、あなたは昨日は反省してくれて謝罪してくれた。役に立つ人材なら俺が個人的にレベルアップを手伝ってあげても良いとまで言いましたよね? その時に同時に協調性がなく、皆の足を引っ張ったり皆の命を危険に晒すような奴は置いて行くとも言いました。で、あなたの今日の行動は後者の方です。約100人の命が危険に晒されるような人です。当然そんな人は迷惑で危険なので要りません」
顔面蒼白になって泣き出したのだが、俺を舐めきって起こした行動だ。自分のやった事に対して責任は自分で取れ。彼女の猶予は実質後2日だ、少しは自分で足掻いてみせろ。
体育館に全員で集まり、リーダー会議で決まった事を高畑先生が報告する。
「何か質問は有りますか?」
「オークの巣で手に入れた財宝を料理部が全部くれる理由が分からないのですが? 料理部はどういう気で大事なお金を手放すの? 何か理由があるの?」
「それは小鳥遊君に説明してもらおうかしら。いいかな? 小鳥遊君?」
「そうですね、分かりました。料理部としては本当は全くあげたくないそうです。それどころか町までの護衛料を貸付金として出世払いで良いから払ってほしいとまでいう人も居ます。本来護衛依頼は冒険者ギルドで依頼すると日額最低2万~だそうです。護衛任務は命の危険があるのですから当然金銭のやり取りが発生します。質問の答えなのですが、財宝を与えるのは先渡しの手切れ金と思ってください。町に到着後、暫くしてからお金が無くなったとかで料理部の者にたかったり、泣きついたりしないでほしいのです。100人も人が集まれば、非常識な人間も必ず数名混じっています。同じ学園仲間だからって理由だけで、仕事もしないでパラサイトしてくる奴を相手する気はないです」
「手切れ金ね……一見言いようは冷たいようだけど、よく考えればその手切れ金すらあなたたちが出す必要ないのじゃない?」
「ええ、あくまで善意のお金です。でも100%善意って訳でもないのです。100人も居れば、必ずお金を使いきってしまい、この世界に馴染めず仕事をしないで身を崩す人も出てくると思います。ここにいるのはほぼ女性なので言っておきます。体目当てで言い寄る大人がこの先沢山居る事でしょう。気付いたら風俗嬢にされて客を取らされていたという人も出てくるかもしれません。勇者補正のこのレベルアップ時のスキル獲得はこの世界の人間にとっては脅威であると同時に、とてつもない魅力が秘められています。【亜空間倉庫】をLv10にするだけで、荷物持ちとして商人や冒険者たちから狙われるでしょう。この世界では女性は男性よりいろいろ危険なのです。先渡しするお金はそれを少しでも回避するためです。節約すればお金が無くなるまでに1年以上は生活できるはずです。仲良しで集まって共同生活するなら数年は暮らせるでしょう。俺たちがあげたその猶予期間で、この世界の事を学習して、頑張って自立してください」
「後に起こり得るたかり行為を無くしたい為の、自立を促す資金援助か……具体的に1人どれくらいの金額を貰えるのかな?」
「コロニーで得た現金は1億ちょいあります。防具は錆びているのでそれほどの価値はないです。宝石は原石だった為これも価値は低いです。日本と違い産出量が多いため。宝石自体安いそうです。魔石と鉱石は売れば幾らかになりますが、ゆくゆくは生産支援系の技術も習得したいので、これは売らないでうちで全部頂きます。一番お金になりそうな武器も錆び物が多く、殆どの物は価値はあまりないです。只、ミスリルやオリハルコンが混じった物は一気に価値が跳ね上がり高額取引がされています。これらはうちが優先的に頂いて戦力強化に充てます。うちが使わず余れば格技場の男子と剣道部女子に優先権を与えます。そして体育館組の主力部隊にも優先的に良い武器を装備してもらうつもりです。で、残りの武器を全員必ず1つは武器を選んでもらい、多少なりとも自衛手段を持ってもらいます。残った武器とオークなどの肉や屑魔石の販売金を均等割りしたものがあなたたちの自立資金になる額です。おそらく1人200万ほどだと予想しています。安い宿屋で朝晩2回の食事付きで1年半暮らせる額だそうです」
「200万か……1年分あるんだから。皆その間に頑張って自立しなきゃね」
「ええ、そうしてくれなきゃ渡す意味がありません。先に念押ししておきますが、本当にそれ以降は一切知りませんので、頑張って生活手段を手にれてくださいね。数年後ふらっと入った娼館でばったりって事が無いようにお願いします」
「兄様にそんな場所行かせませんからね!」
「ん! 絶対行かせない」
「あなたバカなの……私たちの前でよく言えたわね」
「いや、違うんだ。言葉の綾ってやつだ! 桜、ちょっと殺気出てないか? ちょっと怖いぞ……」
「はいはい、惚気は他所でやってね……」
最後に俺から言っておきたい事を伝える。
「出発を3日後の早朝7時にしてあるのだけど、明日の晩7時に最終確認の為のリーダー会議を開きます。それまでにあなたたちに各自決めてもらいたい事があります。もう一度考えてください。皆と出発して町を目指すか、ここに残って俺たちが町到着後にここに戻ってくるまで待機するかを……」
「え~と? 小鳥遊君? それはリーダー会議で全員参加って決まったよね?」
「高畑先生、そうなのですが……どうも理解できてない者も結構居るようなのです」
「理解って? ここを出る事の危険性?」
「そうです。皆、今日明日で各自考え直してほしい。ここに残れば、例の教員棟のエロ教師が居るのでかなり危険なのは皆も知っている事ですが、他の男子もいつ欲情するのか分からないです。ですが、男子の危険性はありますが、この周辺の魔獣はほぼ俺たちが狩っているのでかなり安全なエリアになっています。エロ教師やエロ男子が居なければ、危険な草原に出るよりここに残る事をお勧めするのですが、奴らのせいで何とも言えないです。でも、草原は本当に危険なのだそうです。町に着くまでに何人かは命を落とすかもと考えています。匂いに敏感な危険な犬種も沢山居るそうです。狼タイプなんかがそうですね。オークや猪系も鼻がとても良いです。後、犬種よりかなり強い猫種も草原には出るそうです。サーベルタイガーはオークなんか歯牙にもかけないほど強いとか、豹種や虎やライオン等に近い奴や毒を持った魔獣も出ます。外は死の危険があるのを理解したうえでどうするかを明日の会議までに各パーティーリーダーに自己申告してください」
皆真剣に聞いてくれている。流石に出発前の緊張感はあるようだ。
「あ、そうだ小鳥遊。俺たち格技場の男子は、この後夕方までレベルアップを兼ねた狩りに出たいのだが良いか?」
「どうしたのですか三田村先輩! あなたたちなら勝手に行動して森で迷子になったあげく、こっそり美咲先輩にコールして救出してもらうとかの方が似合いそうなのに、凄く普通! まともです!」
「おい、幾ら何でも失礼だろ! お前という奴は!」
「質問に対する回答なんですが、先輩たちのレベルアップはこちらから言おうと思っていたところです。でも格技場の男子だけじゃなくて、他にも参加者を募ってから行ってください。ヒーラーと探索スキルがない状態での狩りは危険だし、効率が悪すぎるので許可できません」
「ヒーラーは、剣道部の女子が1名入ってくれる予定だ」
「ダメです……彼女の回復スキルのレベルは低いです。ヒーラーっていう言葉は当てはまらないです。回復専門職を募集してください」
「龍馬先輩、私が同行しても良いですか?」
「あ、じゃあ私も行こうかな」
「ん! 私も行ってあげる」
「みどりちゃんに優ちゃんか……みどりちゃんは回復専門だったね? 毒の対処も可能だったよね?」
「はい、中級の解毒魔法を持っています。回復も、水系・聖系どっちも中級Lv10です」
「「「おお! 是非きてくれ! 助かるありがとう」」」
「優ちゃんは支援魔法も取ってたよね?」
「うん。私は水系の回復専門で、闇系の探索魔法と【ヘイスト】【フロート】なんかの支援が使えるよ」
「ん、私も行く」
「雅はダメだぞ。料理部のA・B班も回復職以外は参加しちゃダメだ。この辺の雑魚じゃ、もうお前たちのレベルは上がりにくいんだから、他のレベルの低い組に回してあげるんだ」
理由を聞いて桜や薫ちゃんも諦めたようだ。
料理部用に取ってある物以外の修理済みの武器を大量に出してあげる。
「まだ有りますが、鉄の剣とかなので、良武器はここにある物で全てです。喧嘩しないようにリーダーの方で、強い人から優先になるように割り振って与えてあげてください」
ずっと半べそで静かにしてた問題児が、ここで声を掛けてきた。
さて、この人の扱いどうしよう……本当に見捨てる訳にはいかないよな。
今も噴出している血を浴びている最中だ。
「ちょっと小鳥遊君、酷くない?」
「俺の指示通りなら【クリーン】を獲得しているでしょ? 自分で浄化してください」
俺の指示どおりなら、昨日の時点で【身体強化】Lv3と【クリーン】を持ってる筈なのだ。
「そんなに怒んないでよ。悪かったって……ごめんなさい」
「ああ、謝らなくて結構です。昨日あなたには個別で現状説明はしてあるので、別にもうどうでもいいです。只、予定出発時刻は3日後の早朝7:00時です。それまでに【身体強化】がLv5に達してなかったら、昨日言ったように皆に迷惑が掛かるので置いて行きますのであしからず」
その場を立ち去ろうとしたのだが、彼女に腕にしがみつかれてしまう。
「ちょっと待ってよ! 置いて行くって冗談でしょ?」
「そんななりで引っ付かないでくださいよ!」
「あなたが意図的に態と嫌がらせでこうしたのでしょ! それよりマジで置いて行かないよね?」
これ以上オークの血を俺に擦られるのも嫌なので、自分と彼女に【クリーン】を掛けて綺麗にする。全身にシャワーのように血を浴びてるのに、流石過酷なオークのコロニーで生き残っただけはある……このくらいの事じゃ平気なようだ。沙希ちゃんとかなら卒倒するようなレベルなのにな。
「昨日俺はそう言ったでしょ? で、あなたは昨日は反省してくれて謝罪してくれた。役に立つ人材なら俺が個人的にレベルアップを手伝ってあげても良いとまで言いましたよね? その時に同時に協調性がなく、皆の足を引っ張ったり皆の命を危険に晒すような奴は置いて行くとも言いました。で、あなたの今日の行動は後者の方です。約100人の命が危険に晒されるような人です。当然そんな人は迷惑で危険なので要りません」
顔面蒼白になって泣き出したのだが、俺を舐めきって起こした行動だ。自分のやった事に対して責任は自分で取れ。彼女の猶予は実質後2日だ、少しは自分で足掻いてみせろ。
体育館に全員で集まり、リーダー会議で決まった事を高畑先生が報告する。
「何か質問は有りますか?」
「オークの巣で手に入れた財宝を料理部が全部くれる理由が分からないのですが? 料理部はどういう気で大事なお金を手放すの? 何か理由があるの?」
「それは小鳥遊君に説明してもらおうかしら。いいかな? 小鳥遊君?」
「そうですね、分かりました。料理部としては本当は全くあげたくないそうです。それどころか町までの護衛料を貸付金として出世払いで良いから払ってほしいとまでいう人も居ます。本来護衛依頼は冒険者ギルドで依頼すると日額最低2万~だそうです。護衛任務は命の危険があるのですから当然金銭のやり取りが発生します。質問の答えなのですが、財宝を与えるのは先渡しの手切れ金と思ってください。町に到着後、暫くしてからお金が無くなったとかで料理部の者にたかったり、泣きついたりしないでほしいのです。100人も人が集まれば、非常識な人間も必ず数名混じっています。同じ学園仲間だからって理由だけで、仕事もしないでパラサイトしてくる奴を相手する気はないです」
「手切れ金ね……一見言いようは冷たいようだけど、よく考えればその手切れ金すらあなたたちが出す必要ないのじゃない?」
「ええ、あくまで善意のお金です。でも100%善意って訳でもないのです。100人も居れば、必ずお金を使いきってしまい、この世界に馴染めず仕事をしないで身を崩す人も出てくると思います。ここにいるのはほぼ女性なので言っておきます。体目当てで言い寄る大人がこの先沢山居る事でしょう。気付いたら風俗嬢にされて客を取らされていたという人も出てくるかもしれません。勇者補正のこのレベルアップ時のスキル獲得はこの世界の人間にとっては脅威であると同時に、とてつもない魅力が秘められています。【亜空間倉庫】をLv10にするだけで、荷物持ちとして商人や冒険者たちから狙われるでしょう。この世界では女性は男性よりいろいろ危険なのです。先渡しするお金はそれを少しでも回避するためです。節約すればお金が無くなるまでに1年以上は生活できるはずです。仲良しで集まって共同生活するなら数年は暮らせるでしょう。俺たちがあげたその猶予期間で、この世界の事を学習して、頑張って自立してください」
「後に起こり得るたかり行為を無くしたい為の、自立を促す資金援助か……具体的に1人どれくらいの金額を貰えるのかな?」
「コロニーで得た現金は1億ちょいあります。防具は錆びているのでそれほどの価値はないです。宝石は原石だった為これも価値は低いです。日本と違い産出量が多いため。宝石自体安いそうです。魔石と鉱石は売れば幾らかになりますが、ゆくゆくは生産支援系の技術も習得したいので、これは売らないでうちで全部頂きます。一番お金になりそうな武器も錆び物が多く、殆どの物は価値はあまりないです。只、ミスリルやオリハルコンが混じった物は一気に価値が跳ね上がり高額取引がされています。これらはうちが優先的に頂いて戦力強化に充てます。うちが使わず余れば格技場の男子と剣道部女子に優先権を与えます。そして体育館組の主力部隊にも優先的に良い武器を装備してもらうつもりです。で、残りの武器を全員必ず1つは武器を選んでもらい、多少なりとも自衛手段を持ってもらいます。残った武器とオークなどの肉や屑魔石の販売金を均等割りしたものがあなたたちの自立資金になる額です。おそらく1人200万ほどだと予想しています。安い宿屋で朝晩2回の食事付きで1年半暮らせる額だそうです」
「200万か……1年分あるんだから。皆その間に頑張って自立しなきゃね」
「ええ、そうしてくれなきゃ渡す意味がありません。先に念押ししておきますが、本当にそれ以降は一切知りませんので、頑張って生活手段を手にれてくださいね。数年後ふらっと入った娼館でばったりって事が無いようにお願いします」
「兄様にそんな場所行かせませんからね!」
「ん! 絶対行かせない」
「あなたバカなの……私たちの前でよく言えたわね」
「いや、違うんだ。言葉の綾ってやつだ! 桜、ちょっと殺気出てないか? ちょっと怖いぞ……」
「はいはい、惚気は他所でやってね……」
最後に俺から言っておきたい事を伝える。
「出発を3日後の早朝7時にしてあるのだけど、明日の晩7時に最終確認の為のリーダー会議を開きます。それまでにあなたたちに各自決めてもらいたい事があります。もう一度考えてください。皆と出発して町を目指すか、ここに残って俺たちが町到着後にここに戻ってくるまで待機するかを……」
「え~と? 小鳥遊君? それはリーダー会議で全員参加って決まったよね?」
「高畑先生、そうなのですが……どうも理解できてない者も結構居るようなのです」
「理解って? ここを出る事の危険性?」
「そうです。皆、今日明日で各自考え直してほしい。ここに残れば、例の教員棟のエロ教師が居るのでかなり危険なのは皆も知っている事ですが、他の男子もいつ欲情するのか分からないです。ですが、男子の危険性はありますが、この周辺の魔獣はほぼ俺たちが狩っているのでかなり安全なエリアになっています。エロ教師やエロ男子が居なければ、危険な草原に出るよりここに残る事をお勧めするのですが、奴らのせいで何とも言えないです。でも、草原は本当に危険なのだそうです。町に着くまでに何人かは命を落とすかもと考えています。匂いに敏感な危険な犬種も沢山居るそうです。狼タイプなんかがそうですね。オークや猪系も鼻がとても良いです。後、犬種よりかなり強い猫種も草原には出るそうです。サーベルタイガーはオークなんか歯牙にもかけないほど強いとか、豹種や虎やライオン等に近い奴や毒を持った魔獣も出ます。外は死の危険があるのを理解したうえでどうするかを明日の会議までに各パーティーリーダーに自己申告してください」
皆真剣に聞いてくれている。流石に出発前の緊張感はあるようだ。
「あ、そうだ小鳥遊。俺たち格技場の男子は、この後夕方までレベルアップを兼ねた狩りに出たいのだが良いか?」
「どうしたのですか三田村先輩! あなたたちなら勝手に行動して森で迷子になったあげく、こっそり美咲先輩にコールして救出してもらうとかの方が似合いそうなのに、凄く普通! まともです!」
「おい、幾ら何でも失礼だろ! お前という奴は!」
「質問に対する回答なんですが、先輩たちのレベルアップはこちらから言おうと思っていたところです。でも格技場の男子だけじゃなくて、他にも参加者を募ってから行ってください。ヒーラーと探索スキルがない状態での狩りは危険だし、効率が悪すぎるので許可できません」
「ヒーラーは、剣道部の女子が1名入ってくれる予定だ」
「ダメです……彼女の回復スキルのレベルは低いです。ヒーラーっていう言葉は当てはまらないです。回復専門職を募集してください」
「龍馬先輩、私が同行しても良いですか?」
「あ、じゃあ私も行こうかな」
「ん! 私も行ってあげる」
「みどりちゃんに優ちゃんか……みどりちゃんは回復専門だったね? 毒の対処も可能だったよね?」
「はい、中級の解毒魔法を持っています。回復も、水系・聖系どっちも中級Lv10です」
「「「おお! 是非きてくれ! 助かるありがとう」」」
「優ちゃんは支援魔法も取ってたよね?」
「うん。私は水系の回復専門で、闇系の探索魔法と【ヘイスト】【フロート】なんかの支援が使えるよ」
「ん、私も行く」
「雅はダメだぞ。料理部のA・B班も回復職以外は参加しちゃダメだ。この辺の雑魚じゃ、もうお前たちのレベルは上がりにくいんだから、他のレベルの低い組に回してあげるんだ」
理由を聞いて桜や薫ちゃんも諦めたようだ。
料理部用に取ってある物以外の修理済みの武器を大量に出してあげる。
「まだ有りますが、鉄の剣とかなので、良武器はここにある物で全てです。喧嘩しないようにリーダーの方で、強い人から優先になるように割り振って与えてあげてください」
ずっと半べそで静かにしてた問題児が、ここで声を掛けてきた。
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