86 / 184
学園ロワイヤル編 9・10日目
1-9ー6 全員移動?衝突の気配?
しおりを挟む
現在の時刻は午後7時半、8時よりリーダー会議の予定なのだが、桜とのお泊りチャンスは逃せない。
「ねぇ、桜。今日8時からリーダー会議なんだけど、明日にしてもらって、このままお泊りでもいいかな?」
「う~ん。私も最初そのつもりだったのだけどね……でも今ならまだ間に合うのよね?」
「そうだね、転移魔法で帰れば一瞬だし」
「本当は思いで作りにお泊りしたいけど、帰ってもらってもいい?」
「どうして? 泊まりたいって気があるなら、俺的にはぜひ桜と1泊したいんだけど?」
「龍馬君は良いだろうけど……私が排卵周期だって事、皆、知っているのよ? なんか皆の心の声が聞こえるのよ……やっぱあの娘も性衝動に負けちゃったんだ……みたいな」
「そか、桜的には変に噂されて、排卵周期の発情に負けてお泊りしてきたみたいな言われ方が嫌なんだね?」
「うん。凄くそういうの嫌だし恥ずかしい……料理部の娘たちなら龍馬君の良さが分かっているからお祝いしてくれるだろうけど、体育館に居る女子の中にはかなりの数で僻みや嫉妬交じりの揶揄があると思う。井口さんの事で、まだ誤解している人も多いだろうしね」
「よし、帰ろう! 俺も桜が変に言われるのは嫌だ。今日は満足できたし、お泊りはもういつでもできるしね」
「ありがとう龍馬君。そういう気遣いがちゃんとできるところも素敵よ」
外に出てログハウスとマーキングしていたソーラーライトを回収する。
「このログハウスの召還魔法も欲しいな……これ凄いよね」
「ああ、これ召還魔法って事になってるけど、本当のところは只【亜空間倉庫】から出し入れしてるだけなんだよ」
「え? どういう事?」
「ほら、俺のは【インベントリ】って言う、重量無制限のオリジナルでしょ? どんなに大きくても関係ないんだよね。でも、将来的に冒険者になって家なんか出してたら大騒ぎでしょ? 少しでも無制限収納のことをごまかすために、出し入れの際に適当にそれっぽい魔方陣を出して、取り出し可能エリアを分かりやすくしただけなんだよ。コピーした桜の【インベントリ】でも、魔方陣は出ないけど、ログハウス自体は収納可能なんだよ」
「え~、そうなの? 試しに保管してみていい?」
「うん。普通に物を出し入れするようにすればいいけど、取り出し時にそっと置くイメージで出してね。じゃないと、衝撃で壊れちゃうから」
川からずれた、少し広い空間で何度か出し入れして桜は満足したみたいだった。
「本当に丸々家が入っちゃうんだね。【インベントリ】凄いチートなんだ」
「知られるとまずいっていうのは分かるよね?」
「うん。冒険者や特に商人に知れたらいい運び屋にされちゃうね」
「国のほうがヤバいと思うよ。戦争時、兵糧の輸送が凄く大事なんだけど、その問題がたった1人で解決しちゃうんだ。隷属魔法で縛ってでも確保したいだろうね」
「うわ~。想像しちゃった……かなりの確率でそうなりそうだね」
「だから、俺のヤバめのスキルを渡す人は、それなりの戦闘力もないとあげられないんだ。最低自己を守れないとね。まぁ、仲間に何かあったら速攻で俺たちで助けに行くけど」
「うん。料理部の娘たちのこと、これからもよろしくね」
「今日コピーしてあげたスキルも、追々説明してあげるからね」
「ええ、お願いします。なんか、教員棟の奴等がきても負ける気がしなくなったわ」
「でも、油断大敵だよ。キング戦の時【王の咆哮】ってスキルで俺一瞬やばかったでしょ? ああいうイレギュラーな事もあるんだから、どんな未知のスキルがあるか分からないし、警戒心は常に持っていてね」
「はーい。今後もいろいろ教えてね」
転移魔法で華道室に飛ぶ。
すぐに菜奈がやってきて、俺と桜の2人をジトッとした目で睨んでくる。
「お帰りなさい兄様……と、盛りの付いた泥棒猫」
「はぅっ……菜奈ちゃんが小姑に!」
「こら! 菜奈その言い方は駄目だぞ! 失礼にもほどがある!」
「でも! 菜奈の兄様をそのバインバインで誘惑して!」
「嫉妬も分かるが、自分たちでシェアという選択をしたのだろ? そうやって悪態ついて和を乱す事をするなら菜奈は外れてもらうよ?」
「それは嫌です……桜先輩ごめんなさい。でも、菜奈が16歳になったらちゃんとお嫁さんにして菜奈も愛してくださいね。じゃないとみんな刺して菜奈も死ぬからね!」
「なんで、みんな刺すんだよ! お前は発想が危ないんだよ!」
「だって、菜奈だけ死んで、残った娘は兄様と幸せに暮らすとかないし! それなら皆道連れにしたほうがいいもん!」
困ったちゃんはほっといて書道室に行くと、既に各リーダーが揃っていた。
「遅くなりました、もう集まっていたのですね」
「少し早く来ただけだから気にしないで」
「日も暮れてるのに随分遠出したんだな龍馬?」
「うん、川辺で夕飯を食べてきたんでギリギリになっちゃいました。そうだ、今回格技場の男子にはうちの子たちがレベル上げでお世話になったので、今日狩った猪肉を夜食に持たせてあげますね。スタンプ・ボアの上位種でめっちゃ美味いですよ?」
「おお! いいのか? なんか気前がいいな?」
おっと、桜との事でちょっと浮かれているようだ、気を付けよう。
「あの……うちには無いのかな?」
「流石に体育館には渡せるほどないです……人数絞ってとかになるとトラブルのもとですしね」
「仕方ないか……」
「龍馬先輩、私たちにはないのですか?」
「料理部の分はちゃんとあるよ。前に食べた奴より凄く美味しいから明日の夕飯にでもしようね。桜に渡しておくから、皆で明日の夕飯はちょっと豪華な料理にしようね」
「「「は~い!」」」
「龍馬? 贅沢できるほど余裕ないんじゃないのか?」
「ここを出たら暫く移動が続くので、手の込んだものは作れません。できあいのものと保存食の食事になりますから、豪華な食事は明日が最後です。移動中は暫く我慢ですね」
とは言ったものの、この料理部なら移動しながらでも美味しい物を作っちゃいそうな気はする。
「そうか……明日の夕飯なんだけど……」
三田村先輩が言いにくそうにしているが、言いたい事は分かる……だが俺の一存では決められない。茜と桜のほうを見ると……うんと頷いてくれる。皆まで言わずとも察してくれたようだ。
「料理部で、格技場の男子が明日の夕飯に混じるのが嫌な娘っているかな? レベル上げで何人かがお世話になったから招待してあげたいと思うのだけど、嫌って人はそっとメールででも良いから俺に教えてくれる? 匿名で名前とかは出さないから、遠慮しないでね?」
どうやら、反対者は居ないようだ。
「三田村先輩、皆の許可が下りたので格技場の皆と剣道部の女子たちも招待しますね」
「そうか! 皆ありがとう! 保存食だけじゃホントにきつくてな……皆、喜ぶと思う」
「いいな~、はぁ~仕方ないか。流石に100人以上となるとね」
「高畑先生ごめんなさい。流石にその人数は賄い切れません」
「龍馬君ちょっといい? お肉たっぷりポークカレーなら大丈夫だよ? お米は大量にあるし、カレールウは毎日食堂で出てる定番メニューなので、ストックが大量に保存されていたの。それで良ければ提供できるわよ」
「そうなんだ? でも茜の方で作ってあげるの? それとも材料だけ渡してあげるの?」
「明日の予定で特に仕事がないのなら、料理部で振舞ってあげたいんだけど駄目かな?」
「ああ、全然問題ないよ。材料の残量管理は任せてあるんだし、そっちで問題ないなら、食べさせてあげて。その方が士気も上がるだろうしね」
「ありがとう小鳥遊君、竹中さんも口添えありがとうね。おかげで明日は美味しいものが食べられそうだわ」
「どういたしまして。料理部で腕をふるって、持っていきますね」
『念話ってこれで良いのかな? 龍馬君、聞こえてる?』
『桜? どうした?』
『あ、これで良いのね。うん、【インベントリ】だけど茜にもコピーしてあげられないかな? ダメ?』
『そうだね。【インベントリ】はコピー制限50になってるからあげても良いよ。でも、便利だからあげるって訳にはいかないんだよ? こっちは善意のつもりでも、あげたせいで悪人に目を付けられて、危険な目に遭う可能性もあるんだ。さっきも言ったけど、渡す相手に危険があるってちゃんと理解してもらって、尚且つ秘密厳守してくれる娘で、最低限自衛できないとね』
『そうでした……便利だからって渡してたら危険だったね。茜にはあげたいけど、茜の戦闘力じゃ自衛はちょっと厳しいね……』
今の茜はC班の中でも1番戦力が低い。料理スキルとか取ってる変わり者だ。戦力が低い者に、人に狙われるようなスキルをコピーするのは危険が伴う。俺と暫く一緒に暮らすとかなら良いのだが、町について生活が落ち着いたら、主力メンバーはフィリアと美咲先輩を伴って勇者のパーティーとして行動するのだ。ずっと付いて守ってはやれない。
「ところで肝心な残留希望者のことですが、誰か残りたいって人は居ましたか?」
「いいえ、教頭たちの動画を見てるでしょ。あれ見てて残りたいと思う人は居ないでしょうね」
「龍馬、ちょっといいか? もし今から教員棟に残ってる女子や、男子寮に残ってる女子が体育館の方に移籍したいと言ってきたらどうするんだ?」
「三田村君と同じ意見がうちのほうでもでたわ。小鳥遊君としてはその辺どう考えているの?」
「これまでに何度も危険性は教えましたし、直前になって言ってきてももう今更です。判断が遅いと言うより、馬鹿は足手纏いです。明日言ってきたとして、それからその娘たちのレベルアップなんかやってられませんし、知ったこっちゃないです。俺的には置いて行くの一択しかないです」
「冷たいようだが俺もその意見に賛成だ。格技場の者もそういう結論になった」
「うちは100人近くいるので、それでも見捨てていくのは可哀想って意見もあったけど、最終的に放置って結論になってるわ」
「そういう話し合いもしてくれてたのですね。トラブルの元は先に潰しておいた方がいいですから助かります」
「じゃあ、今日のリーダー会はお開きでいいのかな?」
「ですね。特に他に問題がないのなら、今日はこれで終わりです。お疲れ様でした。明日は狩りに出るのは午前中までにして、できるだけ体を休めて英気を養ってください」
「解った。また3人借りてって良いか?」
「本人たちが良いなら構いませんよ」
「「「行ってきます」」」
「だそうです。護衛のほうよろしくお願いします」
三田村先輩に夜食の約束をしたが、明日の夕飯にくる話になったので今晩の夜食はなしになった。だが、本人は明日料理部の女子と合同のほうが嬉しいようだ。
会議も終わり、自室の茶道室で寛いでいたら、それまで黙っていたナビーが不快な事を言ってきた。
『……マスター、佐竹たちが女子の出立を聞きつけて、それを阻止したいようです』
『阻止? 止めてどうするんだ? ここに居ても先はないだろうに』
『……女子が居なくなる事が腹立たしいようです。あまり先の事までは考えていないようですね』
『どうする気だ? この人数相手に男子寮の男だけではどうにもならないだろ?』
『……マスターさえ排除すれば何とかなると思っているようです。教頭たちに連絡して、マスターを囲んで狙い打つ気なのかもですね。まだ話し合ってる途中なので、どういう計画になるのか未定ですが逐一報告しますね』
これまで大人しくしていた佐竹たちが、女子が居なくなると知ったとたんに仕掛けてくるようだ。
どうしたものかな……フィリアや桜たち料理部の娘のおかげで、俺は今満たされている。
こちらからどうこうする気はないが、向こうから仕掛けてくるというなら容赦はしない。
少しナビーに監視させ、桜たちに相談しようと思う。
「ねぇ、桜。今日8時からリーダー会議なんだけど、明日にしてもらって、このままお泊りでもいいかな?」
「う~ん。私も最初そのつもりだったのだけどね……でも今ならまだ間に合うのよね?」
「そうだね、転移魔法で帰れば一瞬だし」
「本当は思いで作りにお泊りしたいけど、帰ってもらってもいい?」
「どうして? 泊まりたいって気があるなら、俺的にはぜひ桜と1泊したいんだけど?」
「龍馬君は良いだろうけど……私が排卵周期だって事、皆、知っているのよ? なんか皆の心の声が聞こえるのよ……やっぱあの娘も性衝動に負けちゃったんだ……みたいな」
「そか、桜的には変に噂されて、排卵周期の発情に負けてお泊りしてきたみたいな言われ方が嫌なんだね?」
「うん。凄くそういうの嫌だし恥ずかしい……料理部の娘たちなら龍馬君の良さが分かっているからお祝いしてくれるだろうけど、体育館に居る女子の中にはかなりの数で僻みや嫉妬交じりの揶揄があると思う。井口さんの事で、まだ誤解している人も多いだろうしね」
「よし、帰ろう! 俺も桜が変に言われるのは嫌だ。今日は満足できたし、お泊りはもういつでもできるしね」
「ありがとう龍馬君。そういう気遣いがちゃんとできるところも素敵よ」
外に出てログハウスとマーキングしていたソーラーライトを回収する。
「このログハウスの召還魔法も欲しいな……これ凄いよね」
「ああ、これ召還魔法って事になってるけど、本当のところは只【亜空間倉庫】から出し入れしてるだけなんだよ」
「え? どういう事?」
「ほら、俺のは【インベントリ】って言う、重量無制限のオリジナルでしょ? どんなに大きくても関係ないんだよね。でも、将来的に冒険者になって家なんか出してたら大騒ぎでしょ? 少しでも無制限収納のことをごまかすために、出し入れの際に適当にそれっぽい魔方陣を出して、取り出し可能エリアを分かりやすくしただけなんだよ。コピーした桜の【インベントリ】でも、魔方陣は出ないけど、ログハウス自体は収納可能なんだよ」
「え~、そうなの? 試しに保管してみていい?」
「うん。普通に物を出し入れするようにすればいいけど、取り出し時にそっと置くイメージで出してね。じゃないと、衝撃で壊れちゃうから」
川からずれた、少し広い空間で何度か出し入れして桜は満足したみたいだった。
「本当に丸々家が入っちゃうんだね。【インベントリ】凄いチートなんだ」
「知られるとまずいっていうのは分かるよね?」
「うん。冒険者や特に商人に知れたらいい運び屋にされちゃうね」
「国のほうがヤバいと思うよ。戦争時、兵糧の輸送が凄く大事なんだけど、その問題がたった1人で解決しちゃうんだ。隷属魔法で縛ってでも確保したいだろうね」
「うわ~。想像しちゃった……かなりの確率でそうなりそうだね」
「だから、俺のヤバめのスキルを渡す人は、それなりの戦闘力もないとあげられないんだ。最低自己を守れないとね。まぁ、仲間に何かあったら速攻で俺たちで助けに行くけど」
「うん。料理部の娘たちのこと、これからもよろしくね」
「今日コピーしてあげたスキルも、追々説明してあげるからね」
「ええ、お願いします。なんか、教員棟の奴等がきても負ける気がしなくなったわ」
「でも、油断大敵だよ。キング戦の時【王の咆哮】ってスキルで俺一瞬やばかったでしょ? ああいうイレギュラーな事もあるんだから、どんな未知のスキルがあるか分からないし、警戒心は常に持っていてね」
「はーい。今後もいろいろ教えてね」
転移魔法で華道室に飛ぶ。
すぐに菜奈がやってきて、俺と桜の2人をジトッとした目で睨んでくる。
「お帰りなさい兄様……と、盛りの付いた泥棒猫」
「はぅっ……菜奈ちゃんが小姑に!」
「こら! 菜奈その言い方は駄目だぞ! 失礼にもほどがある!」
「でも! 菜奈の兄様をそのバインバインで誘惑して!」
「嫉妬も分かるが、自分たちでシェアという選択をしたのだろ? そうやって悪態ついて和を乱す事をするなら菜奈は外れてもらうよ?」
「それは嫌です……桜先輩ごめんなさい。でも、菜奈が16歳になったらちゃんとお嫁さんにして菜奈も愛してくださいね。じゃないとみんな刺して菜奈も死ぬからね!」
「なんで、みんな刺すんだよ! お前は発想が危ないんだよ!」
「だって、菜奈だけ死んで、残った娘は兄様と幸せに暮らすとかないし! それなら皆道連れにしたほうがいいもん!」
困ったちゃんはほっといて書道室に行くと、既に各リーダーが揃っていた。
「遅くなりました、もう集まっていたのですね」
「少し早く来ただけだから気にしないで」
「日も暮れてるのに随分遠出したんだな龍馬?」
「うん、川辺で夕飯を食べてきたんでギリギリになっちゃいました。そうだ、今回格技場の男子にはうちの子たちがレベル上げでお世話になったので、今日狩った猪肉を夜食に持たせてあげますね。スタンプ・ボアの上位種でめっちゃ美味いですよ?」
「おお! いいのか? なんか気前がいいな?」
おっと、桜との事でちょっと浮かれているようだ、気を付けよう。
「あの……うちには無いのかな?」
「流石に体育館には渡せるほどないです……人数絞ってとかになるとトラブルのもとですしね」
「仕方ないか……」
「龍馬先輩、私たちにはないのですか?」
「料理部の分はちゃんとあるよ。前に食べた奴より凄く美味しいから明日の夕飯にでもしようね。桜に渡しておくから、皆で明日の夕飯はちょっと豪華な料理にしようね」
「「「は~い!」」」
「龍馬? 贅沢できるほど余裕ないんじゃないのか?」
「ここを出たら暫く移動が続くので、手の込んだものは作れません。できあいのものと保存食の食事になりますから、豪華な食事は明日が最後です。移動中は暫く我慢ですね」
とは言ったものの、この料理部なら移動しながらでも美味しい物を作っちゃいそうな気はする。
「そうか……明日の夕飯なんだけど……」
三田村先輩が言いにくそうにしているが、言いたい事は分かる……だが俺の一存では決められない。茜と桜のほうを見ると……うんと頷いてくれる。皆まで言わずとも察してくれたようだ。
「料理部で、格技場の男子が明日の夕飯に混じるのが嫌な娘っているかな? レベル上げで何人かがお世話になったから招待してあげたいと思うのだけど、嫌って人はそっとメールででも良いから俺に教えてくれる? 匿名で名前とかは出さないから、遠慮しないでね?」
どうやら、反対者は居ないようだ。
「三田村先輩、皆の許可が下りたので格技場の皆と剣道部の女子たちも招待しますね」
「そうか! 皆ありがとう! 保存食だけじゃホントにきつくてな……皆、喜ぶと思う」
「いいな~、はぁ~仕方ないか。流石に100人以上となるとね」
「高畑先生ごめんなさい。流石にその人数は賄い切れません」
「龍馬君ちょっといい? お肉たっぷりポークカレーなら大丈夫だよ? お米は大量にあるし、カレールウは毎日食堂で出てる定番メニューなので、ストックが大量に保存されていたの。それで良ければ提供できるわよ」
「そうなんだ? でも茜の方で作ってあげるの? それとも材料だけ渡してあげるの?」
「明日の予定で特に仕事がないのなら、料理部で振舞ってあげたいんだけど駄目かな?」
「ああ、全然問題ないよ。材料の残量管理は任せてあるんだし、そっちで問題ないなら、食べさせてあげて。その方が士気も上がるだろうしね」
「ありがとう小鳥遊君、竹中さんも口添えありがとうね。おかげで明日は美味しいものが食べられそうだわ」
「どういたしまして。料理部で腕をふるって、持っていきますね」
『念話ってこれで良いのかな? 龍馬君、聞こえてる?』
『桜? どうした?』
『あ、これで良いのね。うん、【インベントリ】だけど茜にもコピーしてあげられないかな? ダメ?』
『そうだね。【インベントリ】はコピー制限50になってるからあげても良いよ。でも、便利だからあげるって訳にはいかないんだよ? こっちは善意のつもりでも、あげたせいで悪人に目を付けられて、危険な目に遭う可能性もあるんだ。さっきも言ったけど、渡す相手に危険があるってちゃんと理解してもらって、尚且つ秘密厳守してくれる娘で、最低限自衛できないとね』
『そうでした……便利だからって渡してたら危険だったね。茜にはあげたいけど、茜の戦闘力じゃ自衛はちょっと厳しいね……』
今の茜はC班の中でも1番戦力が低い。料理スキルとか取ってる変わり者だ。戦力が低い者に、人に狙われるようなスキルをコピーするのは危険が伴う。俺と暫く一緒に暮らすとかなら良いのだが、町について生活が落ち着いたら、主力メンバーはフィリアと美咲先輩を伴って勇者のパーティーとして行動するのだ。ずっと付いて守ってはやれない。
「ところで肝心な残留希望者のことですが、誰か残りたいって人は居ましたか?」
「いいえ、教頭たちの動画を見てるでしょ。あれ見てて残りたいと思う人は居ないでしょうね」
「龍馬、ちょっといいか? もし今から教員棟に残ってる女子や、男子寮に残ってる女子が体育館の方に移籍したいと言ってきたらどうするんだ?」
「三田村君と同じ意見がうちのほうでもでたわ。小鳥遊君としてはその辺どう考えているの?」
「これまでに何度も危険性は教えましたし、直前になって言ってきてももう今更です。判断が遅いと言うより、馬鹿は足手纏いです。明日言ってきたとして、それからその娘たちのレベルアップなんかやってられませんし、知ったこっちゃないです。俺的には置いて行くの一択しかないです」
「冷たいようだが俺もその意見に賛成だ。格技場の者もそういう結論になった」
「うちは100人近くいるので、それでも見捨てていくのは可哀想って意見もあったけど、最終的に放置って結論になってるわ」
「そういう話し合いもしてくれてたのですね。トラブルの元は先に潰しておいた方がいいですから助かります」
「じゃあ、今日のリーダー会はお開きでいいのかな?」
「ですね。特に他に問題がないのなら、今日はこれで終わりです。お疲れ様でした。明日は狩りに出るのは午前中までにして、できるだけ体を休めて英気を養ってください」
「解った。また3人借りてって良いか?」
「本人たちが良いなら構いませんよ」
「「「行ってきます」」」
「だそうです。護衛のほうよろしくお願いします」
三田村先輩に夜食の約束をしたが、明日の夕飯にくる話になったので今晩の夜食はなしになった。だが、本人は明日料理部の女子と合同のほうが嬉しいようだ。
会議も終わり、自室の茶道室で寛いでいたら、それまで黙っていたナビーが不快な事を言ってきた。
『……マスター、佐竹たちが女子の出立を聞きつけて、それを阻止したいようです』
『阻止? 止めてどうするんだ? ここに居ても先はないだろうに』
『……女子が居なくなる事が腹立たしいようです。あまり先の事までは考えていないようですね』
『どうする気だ? この人数相手に男子寮の男だけではどうにもならないだろ?』
『……マスターさえ排除すれば何とかなると思っているようです。教頭たちに連絡して、マスターを囲んで狙い打つ気なのかもですね。まだ話し合ってる途中なので、どういう計画になるのか未定ですが逐一報告しますね』
これまで大人しくしていた佐竹たちが、女子が居なくなると知ったとたんに仕掛けてくるようだ。
どうしたものかな……フィリアや桜たち料理部の娘のおかげで、俺は今満たされている。
こちらからどうこうする気はないが、向こうから仕掛けてくるというなら容赦はしない。
少しナビーに監視させ、桜たちに相談しようと思う。
30
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる