139 / 184
王都街道編 8・9日目
2-8-2 【飛翔】の恐怖?シープドッグ?
しおりを挟む
熱発者と疲労者多数の為、本日の移動を中止にした。久しぶりのゆっくりとした休憩とあって、皆ホッとした顔をしている。お屋敷の方でゆっくり寛ぎたい気はあるのだが、今日はログハウスの方で待機する事にした。
「アウッ! 雅、もっと優しく頼む!」
「ん、これ以上優しくはムリ」
俺の横で美弥ちゃん先生も叫びまくってる……リーダー会議に出ていた俺と先生が、朝食後にマッサージ治療を受けているのだ。他の料理部の娘たちは全員先に治療済みだとの事。
「菜奈ちゃん痛い! ンギャー! もうイイです! 治りました!」
「美弥ちゃん先生、まだ赤いからダメだよ! すぐ良くなるからちょっとの間我慢して!」
筋肉痛のマッサージは、軽度のものならイタ気持ち良いのだが、ここまで悪化したものだと軽く押しただけで激痛が走る。特にふくらはぎはヤバい! 涙モノの激痛を耐え、【ボディースキャン】の赤い項目がなくなったら嘘のように痛みが引いていた。
『……マスター、体を慣らすために、少しだけ軽い運動をお薦めします』
『体を動かしておいた方が良いのか?』
『……はい。筋肉の増加は破壊と再生の繰り返しで増やす事ができるのです。破壊して再生したので、ほんの少しだけ増えているはずです。ですが通常の再生ではなく、ヒールによるものですので、体に馴染ませる必要があるのです。そうしなければ、通常より急速に増加した分の筋肉もすぐに失われます』
という訳で、平原でハティと追いかけっこをしてやった。昨晩のハティの夢を叶えてやろうと思ったのだ。
他の者にも軽い運動をするように言ってある。
「ハティ、俺から逃げて見ろ! 追いかけっこだ!」
「ミャン♪」
むっちゃ嬉しそうに逃げているのだが……速すぎて追いつけない。距離が開きすぎると、俺を待っているぐらいだ……これでは夢の再現ではないな。王種に成ったハティは、チーターより遥かに速い。
『……マスター、ハティに舐められちゃいます……ガンバ!』
犬種は自分より下に見た者に対しては、あまりいう事を効かない。テレビでやっていたのだが、舐められている飼い主が威厳を取り戻すために、バイクで犬がへばるまで散歩させるというものがあった。
自分より体力がある飼い主を上とみなすらしい……ハティに舐められたくはないな。
『……ハティは普通の狼と違い、知能は今では10歳の人間ほどあります。マスターを親のように慕ってますので、本当に舐めたりは致しませんよ』
『そうだろうけど……でもなんか負けたくない』
練習がてら【飛翔】を使って追いかけた……のだが……この魔法ヤバい!
『ナビーありがとう! お前がいなかったら死んでたな……』
『……危なかったです……危険な気はしていたのですが、あそこまでとは……』
数日前に何気なく思いついて創った魔法だ。【フロート】のようなフヨフヨと浮くのではなく、高速飛行はできないものかと考え付いた魔法だ。
【飛翔】魔法
・重力魔法の応用で、この星の磁力を使い、リニアのように反重力を利用して前に進む
・【レビテガ】を応用し全方位に移動可能
・飛翔中は【ウィンドシールド】で風圧を防御する
・命にかかわるような制動はプロテクトされ発動しない
・ナビーによって自動制御可能
逃げるハティを捕まえた俺は、そのままハティを抱っこして上空に飛び立ったのだが、どこまで速度が出るか試そうとしたのが失敗だった。
反重力……これが半端ない速度を生み出すとも知らず加速させたのだが『ドンッ!』という音速の壁を突き破る衝撃波とともに、あっという間にマッハ2を超えたのだ。
身の回りに何も囲いが無い状態でのマッハ2は本当に怖かった。
『命にかかわるような制動はプロテクトされ発動しない』という設定をしていたのだが、これでは甘かったようだ。俺は急激なGに耐えられず、上空でブラックアウトしてしまったのだ。その間に高速で地上に落下したのだが、ナビーの自動制御で命拾いしたのだ。ハティは今、俺の横で尻尾を股の間に挟んでプルプル震えている。
「ハティごめんよ。あそこまで速いと思わなかったんだ……」
『こわかったです……さすがご主人さまです……でも、あれはもういやです……』
「うん。俺も怖かった……次からはナビーに任せるよ」
『あ! でも、おいかけっこは楽しいです! またしたいです』
「分かった。またしよう」
やっぱ追いかけっこはハティ的に楽しいのか……。
少し前に作ったハティ用のフリスビーや骨のおもちゃを使って1時間ほどハティを遊んであげていたら、高畑先生からコールが鳴る。
『はい。どうしましたか?』
『今、良いかな? 実はお願いがあって……ちょっときてほしいのだけれど』
この感じだと、あまり俺にとって良い事では無さそうだ……。
宿泊施設に行くと、1人の女子が俺に訴えてきた。
「小鳥遊先輩! 1レベルだけで良いので、レベルを上げるのを手伝ってください!」
同じように5人ぐらいの女子がお願いしてくる。その中に剣道部の女子が交じっている。
「他の娘はともかく、小山先輩は散々レベル上げしてあげたでしょ」
「そうなんだけど、至急欲しい魔法があるのです! お願い小鳥遊君!」
「何の魔法です? 1レベルだけで良いって事は、生活魔法ですか?」
「うん……今更だけど【クリーン】が欲しいの……ここにいる人全員そうよ」
「マジでなんで今更【クリーン】なんです? それに【クリーン】持ちは一杯いるので、誰かにお願いすればいいでしょ?」
この剣道部の小山先輩は格技場男子と同じで、技術系以外一切無駄振りしたくないといって、必要だからと薦めた生活魔法を取ってこなかった人なのだ……何で今更?
「恥ずかしいけど言うわ! 2日前に生理になって、あの魔法の重要性に気付いたの……他の娘も大体同じ理由です。支給されたナプキンなんかあっという間に無くなっちゃって、今タオルを切った布を当てているのだけれど、【クリーン】持ちの娘は自分でさっとこっそり処理できるの。持ってない私たちは人にお願いしないといけないので、20分毎とかちょっと言いにくくて……ナプキンと違って、ただの布だと、20分もしないうちに嫌な感じになるの……ほら、あなたもお願いして!」
「龍馬先輩! お願いします! 1レベルだけで良いので手伝ってください!」
「小山先輩……下級生を焚き付けないでください」
「だって……大影さんと柴崎先輩が、あなたはロリコンだから、私が言うより年下のその娘が言った方が連れて行ってくれる可能性が高いって……」
「なっ! なんて事言うんだ、あの問題児共!」
「「待って、違うの! 小山さん! あなた何バラしてるのよ!」」
こっそり後ろに居やがった!
ロリコンか……実際中学生に手出ししているので何を言われても仕方がないのかな。
「まぁ、別にロリコンでイイです。ロリコンなので俺より年上の大影先輩と柴崎先輩には興味ないので! で……【クリーン】欲しい人が6人いるんですね? APが1ポイントも余ってないから、至急お願いしたいと?」
問題児2人が違うの! とか言ってるが無視だ!
「ええ、お願いします。今日を逃したらもう街に着いちゃうのでしょ? 中々自分たちだけじゃすぐにレベル上げに街の外には出れないでしょうから、できれば今日お願いしたいのよ」
「言ってる事は解るんですけど、俺だって疲れてるんですよ? ゆっくり休みたいです……」
「……でもさっきハティちゃんを追っかけて爆走してたよね? 疲れているという割にはとても楽しそうに人間辞めちゃってるぐらい凄く元気そうだったけど……」
見られてた……。
「そういうあなたたちは筋肉痛は大丈夫なのですか?」
「正直凄く痛いけど……この不快感から逃れられるなら、無理してでも行くわ」
既に終わって生理じゃない者もいるそうで、全員足が痛くても、レベル上げに行きたいそうだ。
正直この人たちの事は知った事じゃない……生活魔法の【クリーン】と【アクア】【ファイア】【ライト】はAP1ポイントで得られるから取っておけと何回か薦めているのだ。
全部取ってもたった4ポイントなのに、これまで俺のお薦めを無視してきたこの娘たちが悪い。
「あなたの言いたい事は解ってます! でもお願い!」
『……マスター、ナビーもその娘たちはどうでも良いのですが、料理部の数名のレベル上げに行かれてはどうです? もう直ぐレベル30に成れる子が数名居ます。それに茜のレベルがちょっと低いので、町中で心配です』
『3rdジョブの獲得ができるのか……沙織・穂香・綾ちゃんが確かレベル29だったな』
『……はい。みどり・愛華・亜姫がレベル18なので2ndジョブが狙えますね。行く場所によっては美加と薫がレベル28なので上がる範囲内かと』
『レベル30以下は全員レイドで連れて行くかな……どっかレべ上げに良い魔獣は居ないか?』
『……森だとハニービーが良かったのですけど……草原だと蟻塚か牛か馬あたりでしょうか。羊も居ますね』
『どれが一番近くて経験値が良い?』
『……近くて経験値が良いのは蟻塚です。ですが、お肉も得られる馬か羊が良いのではないですか?』
どうやらどっちも食用にできて、凄く美味しいそうだ。牛はまだあるから、馬刺し食いたいな……羊でソテーとかジンギスカンも良い。
昼食後、種族レベルが30以下のうちの娘たちと、【クリーン】が欲しい6人を引き連れて羊を狩に行った。
俺的には馬刺しが食べたかったのだが『馬刺しは食べたいけど、馬ちゃんは可哀想でしょ!』とか言い出したので断念したのだ……『羊はイイのかよ!』と思ったが、言うと睨まれそうなので賢い俺は黙っておく。
羊は拠点から3km弱の所で80頭ほどで群れていた。この羊は魔獣だそうなので狩り尽くさせてもらおう。
普通の獣は繁殖でしか増えないが、魔獣は数が減ったら魔素溜まりからユグドラシステムの管理調整で勝手に湧いて増えるそうなのだ。
この草食の羊たちは、牛や馬と一緒で近付いたらすぐ逃げ出すらしい……そこで俺はある事を考えついた。
『ナビー、ハティに羊追いをやらせてみたい……できるかな?』
『……普通の羊はこの世界でも犬やテイムした魔獣に追わせて放牧してますが、そこの羊はサンダーウールマトンという魔獣ですのでどうでしょうか? やってみる価値はあるかもです』
『今すぐハティに、シープドッグの動画を見せ、やり方を教えてこっちに追い込んでくれるよう仕込んでくれ』
『……了解です』
1分ほど動画を見ていたハティから頼もしい声が掛かる。
『こんなのかんたんだよ~。こっちにおいこむね』
『おお! 頼むぞハティ!』
「今からハティが羊の群れをこっちに追い込みます。俺が狩りますので、【クリーン】獲得組はレベルが上がった者からレイドPTから外していきますのでそのつもりでいてください」
今回例の白黒世界に誰かがレベルアップする度に、毎回行く事になるが仕方がない。
俺の【カスタマイズ】を教えるわけにいかないからね。
少し経ってMAPを見ていたのだが、大回りをして後ろから羊を追いたてに行ったハティの様子が変だ。
追いに行ったハティが、羊の群れに追われてこっちに走ってきているのだ……。
『……ハティは動画のように最初吠えて威嚇したのですが、ちっちゃなハティが可愛い声で吠えても全くの無視でした……そこで最後尾の一頭に【サンダーボール】を放ったのですが、牛同様仲間が襲われると怒り狂って攻めてきました』
『で、ハティはビビって逃げてきてるんだね……』
『……ハティは雷系も得意ですが、あの羊も雷属性ですからね。殆ど効果がありません』
あの羊のウールは高額で売れるそうなのだ……なのでハティには風系は羊の毛が痛むので使うなと言ってある。
羊の群れを引き連れて帰ってきたハティの第一声がこれだった。
『ナビーのうそつき~!』
どうやら吠えても全く怯まないし、雷を撒き散らしながら体当たりで突進攻撃をしてきて逆に囲まれたそうだ。
『ハティ、こっちに誘導できたので結果オーライだ。良くやった!』
めちゃくちゃ不満そうだったが、お肉を後でご褒美にあげると言ったら、尻尾を振って喜んだ。こういう所は、犬っぽくて単純で扱いやすいよな……。
残念ながら、赤ちゃんハティは舐められて、シープドックは無理なようだ。
「アウッ! 雅、もっと優しく頼む!」
「ん、これ以上優しくはムリ」
俺の横で美弥ちゃん先生も叫びまくってる……リーダー会議に出ていた俺と先生が、朝食後にマッサージ治療を受けているのだ。他の料理部の娘たちは全員先に治療済みだとの事。
「菜奈ちゃん痛い! ンギャー! もうイイです! 治りました!」
「美弥ちゃん先生、まだ赤いからダメだよ! すぐ良くなるからちょっとの間我慢して!」
筋肉痛のマッサージは、軽度のものならイタ気持ち良いのだが、ここまで悪化したものだと軽く押しただけで激痛が走る。特にふくらはぎはヤバい! 涙モノの激痛を耐え、【ボディースキャン】の赤い項目がなくなったら嘘のように痛みが引いていた。
『……マスター、体を慣らすために、少しだけ軽い運動をお薦めします』
『体を動かしておいた方が良いのか?』
『……はい。筋肉の増加は破壊と再生の繰り返しで増やす事ができるのです。破壊して再生したので、ほんの少しだけ増えているはずです。ですが通常の再生ではなく、ヒールによるものですので、体に馴染ませる必要があるのです。そうしなければ、通常より急速に増加した分の筋肉もすぐに失われます』
という訳で、平原でハティと追いかけっこをしてやった。昨晩のハティの夢を叶えてやろうと思ったのだ。
他の者にも軽い運動をするように言ってある。
「ハティ、俺から逃げて見ろ! 追いかけっこだ!」
「ミャン♪」
むっちゃ嬉しそうに逃げているのだが……速すぎて追いつけない。距離が開きすぎると、俺を待っているぐらいだ……これでは夢の再現ではないな。王種に成ったハティは、チーターより遥かに速い。
『……マスター、ハティに舐められちゃいます……ガンバ!』
犬種は自分より下に見た者に対しては、あまりいう事を効かない。テレビでやっていたのだが、舐められている飼い主が威厳を取り戻すために、バイクで犬がへばるまで散歩させるというものがあった。
自分より体力がある飼い主を上とみなすらしい……ハティに舐められたくはないな。
『……ハティは普通の狼と違い、知能は今では10歳の人間ほどあります。マスターを親のように慕ってますので、本当に舐めたりは致しませんよ』
『そうだろうけど……でもなんか負けたくない』
練習がてら【飛翔】を使って追いかけた……のだが……この魔法ヤバい!
『ナビーありがとう! お前がいなかったら死んでたな……』
『……危なかったです……危険な気はしていたのですが、あそこまでとは……』
数日前に何気なく思いついて創った魔法だ。【フロート】のようなフヨフヨと浮くのではなく、高速飛行はできないものかと考え付いた魔法だ。
【飛翔】魔法
・重力魔法の応用で、この星の磁力を使い、リニアのように反重力を利用して前に進む
・【レビテガ】を応用し全方位に移動可能
・飛翔中は【ウィンドシールド】で風圧を防御する
・命にかかわるような制動はプロテクトされ発動しない
・ナビーによって自動制御可能
逃げるハティを捕まえた俺は、そのままハティを抱っこして上空に飛び立ったのだが、どこまで速度が出るか試そうとしたのが失敗だった。
反重力……これが半端ない速度を生み出すとも知らず加速させたのだが『ドンッ!』という音速の壁を突き破る衝撃波とともに、あっという間にマッハ2を超えたのだ。
身の回りに何も囲いが無い状態でのマッハ2は本当に怖かった。
『命にかかわるような制動はプロテクトされ発動しない』という設定をしていたのだが、これでは甘かったようだ。俺は急激なGに耐えられず、上空でブラックアウトしてしまったのだ。その間に高速で地上に落下したのだが、ナビーの自動制御で命拾いしたのだ。ハティは今、俺の横で尻尾を股の間に挟んでプルプル震えている。
「ハティごめんよ。あそこまで速いと思わなかったんだ……」
『こわかったです……さすがご主人さまです……でも、あれはもういやです……』
「うん。俺も怖かった……次からはナビーに任せるよ」
『あ! でも、おいかけっこは楽しいです! またしたいです』
「分かった。またしよう」
やっぱ追いかけっこはハティ的に楽しいのか……。
少し前に作ったハティ用のフリスビーや骨のおもちゃを使って1時間ほどハティを遊んであげていたら、高畑先生からコールが鳴る。
『はい。どうしましたか?』
『今、良いかな? 実はお願いがあって……ちょっときてほしいのだけれど』
この感じだと、あまり俺にとって良い事では無さそうだ……。
宿泊施設に行くと、1人の女子が俺に訴えてきた。
「小鳥遊先輩! 1レベルだけで良いので、レベルを上げるのを手伝ってください!」
同じように5人ぐらいの女子がお願いしてくる。その中に剣道部の女子が交じっている。
「他の娘はともかく、小山先輩は散々レベル上げしてあげたでしょ」
「そうなんだけど、至急欲しい魔法があるのです! お願い小鳥遊君!」
「何の魔法です? 1レベルだけで良いって事は、生活魔法ですか?」
「うん……今更だけど【クリーン】が欲しいの……ここにいる人全員そうよ」
「マジでなんで今更【クリーン】なんです? それに【クリーン】持ちは一杯いるので、誰かにお願いすればいいでしょ?」
この剣道部の小山先輩は格技場男子と同じで、技術系以外一切無駄振りしたくないといって、必要だからと薦めた生活魔法を取ってこなかった人なのだ……何で今更?
「恥ずかしいけど言うわ! 2日前に生理になって、あの魔法の重要性に気付いたの……他の娘も大体同じ理由です。支給されたナプキンなんかあっという間に無くなっちゃって、今タオルを切った布を当てているのだけれど、【クリーン】持ちの娘は自分でさっとこっそり処理できるの。持ってない私たちは人にお願いしないといけないので、20分毎とかちょっと言いにくくて……ナプキンと違って、ただの布だと、20分もしないうちに嫌な感じになるの……ほら、あなたもお願いして!」
「龍馬先輩! お願いします! 1レベルだけで良いので手伝ってください!」
「小山先輩……下級生を焚き付けないでください」
「だって……大影さんと柴崎先輩が、あなたはロリコンだから、私が言うより年下のその娘が言った方が連れて行ってくれる可能性が高いって……」
「なっ! なんて事言うんだ、あの問題児共!」
「「待って、違うの! 小山さん! あなた何バラしてるのよ!」」
こっそり後ろに居やがった!
ロリコンか……実際中学生に手出ししているので何を言われても仕方がないのかな。
「まぁ、別にロリコンでイイです。ロリコンなので俺より年上の大影先輩と柴崎先輩には興味ないので! で……【クリーン】欲しい人が6人いるんですね? APが1ポイントも余ってないから、至急お願いしたいと?」
問題児2人が違うの! とか言ってるが無視だ!
「ええ、お願いします。今日を逃したらもう街に着いちゃうのでしょ? 中々自分たちだけじゃすぐにレベル上げに街の外には出れないでしょうから、できれば今日お願いしたいのよ」
「言ってる事は解るんですけど、俺だって疲れてるんですよ? ゆっくり休みたいです……」
「……でもさっきハティちゃんを追っかけて爆走してたよね? 疲れているという割にはとても楽しそうに人間辞めちゃってるぐらい凄く元気そうだったけど……」
見られてた……。
「そういうあなたたちは筋肉痛は大丈夫なのですか?」
「正直凄く痛いけど……この不快感から逃れられるなら、無理してでも行くわ」
既に終わって生理じゃない者もいるそうで、全員足が痛くても、レベル上げに行きたいそうだ。
正直この人たちの事は知った事じゃない……生活魔法の【クリーン】と【アクア】【ファイア】【ライト】はAP1ポイントで得られるから取っておけと何回か薦めているのだ。
全部取ってもたった4ポイントなのに、これまで俺のお薦めを無視してきたこの娘たちが悪い。
「あなたの言いたい事は解ってます! でもお願い!」
『……マスター、ナビーもその娘たちはどうでも良いのですが、料理部の数名のレベル上げに行かれてはどうです? もう直ぐレベル30に成れる子が数名居ます。それに茜のレベルがちょっと低いので、町中で心配です』
『3rdジョブの獲得ができるのか……沙織・穂香・綾ちゃんが確かレベル29だったな』
『……はい。みどり・愛華・亜姫がレベル18なので2ndジョブが狙えますね。行く場所によっては美加と薫がレベル28なので上がる範囲内かと』
『レベル30以下は全員レイドで連れて行くかな……どっかレべ上げに良い魔獣は居ないか?』
『……森だとハニービーが良かったのですけど……草原だと蟻塚か牛か馬あたりでしょうか。羊も居ますね』
『どれが一番近くて経験値が良い?』
『……近くて経験値が良いのは蟻塚です。ですが、お肉も得られる馬か羊が良いのではないですか?』
どうやらどっちも食用にできて、凄く美味しいそうだ。牛はまだあるから、馬刺し食いたいな……羊でソテーとかジンギスカンも良い。
昼食後、種族レベルが30以下のうちの娘たちと、【クリーン】が欲しい6人を引き連れて羊を狩に行った。
俺的には馬刺しが食べたかったのだが『馬刺しは食べたいけど、馬ちゃんは可哀想でしょ!』とか言い出したので断念したのだ……『羊はイイのかよ!』と思ったが、言うと睨まれそうなので賢い俺は黙っておく。
羊は拠点から3km弱の所で80頭ほどで群れていた。この羊は魔獣だそうなので狩り尽くさせてもらおう。
普通の獣は繁殖でしか増えないが、魔獣は数が減ったら魔素溜まりからユグドラシステムの管理調整で勝手に湧いて増えるそうなのだ。
この草食の羊たちは、牛や馬と一緒で近付いたらすぐ逃げ出すらしい……そこで俺はある事を考えついた。
『ナビー、ハティに羊追いをやらせてみたい……できるかな?』
『……普通の羊はこの世界でも犬やテイムした魔獣に追わせて放牧してますが、そこの羊はサンダーウールマトンという魔獣ですのでどうでしょうか? やってみる価値はあるかもです』
『今すぐハティに、シープドッグの動画を見せ、やり方を教えてこっちに追い込んでくれるよう仕込んでくれ』
『……了解です』
1分ほど動画を見ていたハティから頼もしい声が掛かる。
『こんなのかんたんだよ~。こっちにおいこむね』
『おお! 頼むぞハティ!』
「今からハティが羊の群れをこっちに追い込みます。俺が狩りますので、【クリーン】獲得組はレベルが上がった者からレイドPTから外していきますのでそのつもりでいてください」
今回例の白黒世界に誰かがレベルアップする度に、毎回行く事になるが仕方がない。
俺の【カスタマイズ】を教えるわけにいかないからね。
少し経ってMAPを見ていたのだが、大回りをして後ろから羊を追いたてに行ったハティの様子が変だ。
追いに行ったハティが、羊の群れに追われてこっちに走ってきているのだ……。
『……ハティは動画のように最初吠えて威嚇したのですが、ちっちゃなハティが可愛い声で吠えても全くの無視でした……そこで最後尾の一頭に【サンダーボール】を放ったのですが、牛同様仲間が襲われると怒り狂って攻めてきました』
『で、ハティはビビって逃げてきてるんだね……』
『……ハティは雷系も得意ですが、あの羊も雷属性ですからね。殆ど効果がありません』
あの羊のウールは高額で売れるそうなのだ……なのでハティには風系は羊の毛が痛むので使うなと言ってある。
羊の群れを引き連れて帰ってきたハティの第一声がこれだった。
『ナビーのうそつき~!』
どうやら吠えても全く怯まないし、雷を撒き散らしながら体当たりで突進攻撃をしてきて逆に囲まれたそうだ。
『ハティ、こっちに誘導できたので結果オーライだ。良くやった!』
めちゃくちゃ不満そうだったが、お肉を後でご褒美にあげると言ったら、尻尾を振って喜んだ。こういう所は、犬っぽくて単純で扱いやすいよな……。
残念ながら、赤ちゃんハティは舐められて、シープドックは無理なようだ。
40
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!!
2巻2月9日電子版解禁です!!
紙は9日に配送開始、12日ごろに発売となります。
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2巻出版!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる