【完結】会社をクビになったら異世界で追放魔術師に性処理係として拾われました

夜曲

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第二章ーー招かれざる客

上質なマント

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 陽向が新しい屋敷での生活にも慣れた頃。それは唐突に訪れた。

 いつもは恐竜の研究のためにネオについて見回りに行く陽向。だが、昨夜盛り上がり過ぎてしまい、外に行くには足元が覚束なかったため、今日はお留守番をしていた。

 若くて吸収が早いのか、それとも性への並々ならぬ情熱があるのか。
 ネオの性技は日々磨きがかかり、陽向は幸福を感じると共に三十路の体力の限界を日々更新させられていた。


 そこへ、慌ただしい馬の蹄の音が聞こえてくる。

『恐竜達の見回りに出ていたネオに何か緊急事態がおき、戻ってきたのでは。こんなに急いで帰ってくるなんて、どうしたのだろう』
 積もった雪に足元を取られながら馬小屋に見に行く途中で、陽向は見知らぬ男らの影をとらえた。

 金髪。ネオとは違うこの世界の者の特徴が目に入った瞬間。すぐに屋敷に逃げ帰ろうとしたのだが、雪で足元が悪い上に馬上の相手の方が速い。あっという間に回り込まれてしまい、陽向は豪華なマントを着た男と護衛と思われる男二人に囲まれてしまった。

「何者だ!」

 護衛から鋭い声が飛び、馬上から槍を向けられる。

 生まれて初めて向けられた武器に、陽向は足が竦む。恐竜保護区の入り口近くにある山小屋ならまだ多少なりとも警戒しただろうが、肉食恐竜が闊歩するこんな奥地までネオ以外の人間が入ってくるとは思いもしなかった。

 陽向は、黒い瞳を最大限まで見開き、上質なマントを羽織った男の青い眼から目が逸らせない。

 なんの準備もしていなかったため、自分のことをどう説明したら良いのか解らず、陽向は声を出すこともできなかった。

 降参のジェスチャーは万国共通だろうと、ひとまず両手を上げようとしたところで突然身体に衝撃が走り、雪の上に転がった。

 雷撃を浴びせられたのか、足が痙攣して身体の自由が効かない。
 護衛の男らが馬からひらりと降り立つと、容赦なく陽向の身体を縄で拘束した。


「殿下のお御手を煩わせる失態、平にご容赦くださいませ。
 先ほど、この者に明らかな攻撃の意思がございました。恐れながら、魔封じの首輪をつける処置を取らせていただく許可を賜れますでしょうか」

 ということは、電撃を浴びせてきたのはこの”殿下”ということか。血のつながりは魔法属性に関係あるのだろうかと、今はどうでも良いことをつい考えてしまう。

「許可する。兄上の屋敷に入ろうとしていた。他国の間者かもしれん。
 まずは兄上に面識があるか聞こうか」

 陽向は身が凍えるような冷たい雪の上に転がされたまま、護衛の一人が槍を向けてけん制している。

『なるほど。魔法がある世界では、手を上げるという動作は攻撃の動作に相当するのか……』
 今更気が付いたところで後の祭りである。
 陽向は、キツク両手足を縄で拘束された上で、詠唱予防の口枷と魔封じの首輪を容赦なく装着されてしまった。

 屋敷の戸を護衛の一人が開き、殿下と呼ばれた男がそれを当然としてそれをくぐった。
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