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閑話
*影
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「はぁ…はぁ…、はぁ…。
殿下、どうかお手柔らかにお願いします」
やっと自由になった口で抗議をすれば。
「すまない。急にどうしてもヒナタを抱きしめたくなったのだ」
ネオは対面座位の体勢のまま、それなりに強い力で陽向を抱きしめ、動かなくなってしまった。陽向とネオの力の差では、陽向が動こうとしても、びくともしない。
ネオからの溢れんばかりの愛が感じられるシチュエーションではあるのだが、今の陽向はそれどころではない。
このままでは埒があかない。なにせ、陽向は腰をくねらせる度にネオ色の宝石にじわじわと胸を苛まれていて、直接的な刺激に飢えているのだ。
有り体に言えば、早くイきたい。今は愛を囀るより刺激が欲しい。
「殿下、お戯れはおよしください」
「はははっ!戯れというのはこういうことかな」
ネオは陽向の腰を持ち上げると下から勢いよく揺すり始めた。
「あああぁん!! あっあっあっあぁん!」
陽向が自分で動くときにはまだ遠慮を残していたのに。ネオから与えられる快感は、全く遠慮がない。
しかも、今度は腰を反って手を後ろについている体勢のせいで、見事に前立腺を狙い撃ちにされている。逃れたくても、自重とネオの力強い腕で抑えられており、逃げられない。
「あああぁん!!あんっいやっもっと優しくっしてっ」
「すまない。今日は自分を抑えられそうにない」
『そんなのいつもじゃないか!』と心の中で抗議しても、口から漏れるのは喘ぎ声だけ。
やっと与えられた充分すぎるほどの快楽に、陽向はただ身を任せた。
「あんっ! うぅん! あっあっあっあぁん!」
陽向の喘ぎ声にかぶせて、銀の装飾がまるでクリスマスの鈴の音の様に一定間隔でしゃらしゃらと伴奏を奏でる。
ふと陽向が、余りの刺激の強さに閉じてしまっていた目を開けると、そこには今にも自分を食らおうとしている猛獣の姿があった。
まるで獲物の息の根を今から止めるぞと言わんばかりの強いオレンジの瞳で凝視しながら、無防備に晒されている陽向の首筋を舐め上げている。
『あぁ、まるで食事前の吸血鬼だ。その獲物になってしまった自分はきっと食い殺される』
そのネオの突き刺すような視線から逃れようと部屋の奥の方に顔を背けたところに、白い裸体が揺らめいていて、陽向は危うく声を上げるところだった。
そこにいたのは、銀の踊り子の衣装を纏い、大きな男に抱え込まれながら首筋を晒し、反り返りながら喘いでいる男。胸にはオレンジの宝石が輝き、四方八方に反射光をまき散らしている。
よく見るとそれは、鏡に映った自分の姿で、陽向は思わず叫んでしまった。
「ネオっあれ! 鏡!」
薄布を大きく押し上げている自身のものさえもがくっきりと映し出されていることに気が付き、陽向はその恥ずかしさに慌てて顔をネオに戻した。
「あぁ。屋敷から運び入れておいた」
部屋中に飾られた花に気を取られていて、先ほどは全く気が付かなかった。
ネオが時々そちらの方を見ているなと思っていたが、まさか鏡の中に映る陽向を見ていたなんて。
この時代の鏡はガラス製で重い上に非常に高価だ。記念日プレイの為だけに、こんな気軽に持ち運びができるのは、世界広しと言えど、数人なのではないだろうか。
冬に希少な花を用意したことと言い、そんなところでスパダリぶりを発揮しなくても良いのだが。
「あれ、恥ずかしいからちょっと布を掛けてよ」
「それはもったいないだろう? ヒナタの痴態をもっといろんな角度から見たくて置いたんだから」
明確に痴態と言われると恥ずかしい。
「ほら。殿下ごっこはもういいのかい?」
ネオが歳下とは思えない蠱惑的な目で陽向を誘惑する。
「殿下……でも鏡は恥ずかしいです」
「ははは。案ずるな。鏡は珍しいか? もっと近くでよく見せてやろう」
もし本当に異国の踊り子ならば、あんなに大きな鏡を見るのは初めてかもしれない。だが、あいにく陽向は現代人である。
別に鏡なんて…と言おうとして、なんとネオが陽向を乗せたまま寝台から地面に足を下ろそうとしていることに気が付いた。
そうなると、次に待っているのは——。
殿下、どうかお手柔らかにお願いします」
やっと自由になった口で抗議をすれば。
「すまない。急にどうしてもヒナタを抱きしめたくなったのだ」
ネオは対面座位の体勢のまま、それなりに強い力で陽向を抱きしめ、動かなくなってしまった。陽向とネオの力の差では、陽向が動こうとしても、びくともしない。
ネオからの溢れんばかりの愛が感じられるシチュエーションではあるのだが、今の陽向はそれどころではない。
このままでは埒があかない。なにせ、陽向は腰をくねらせる度にネオ色の宝石にじわじわと胸を苛まれていて、直接的な刺激に飢えているのだ。
有り体に言えば、早くイきたい。今は愛を囀るより刺激が欲しい。
「殿下、お戯れはおよしください」
「はははっ!戯れというのはこういうことかな」
ネオは陽向の腰を持ち上げると下から勢いよく揺すり始めた。
「あああぁん!! あっあっあっあぁん!」
陽向が自分で動くときにはまだ遠慮を残していたのに。ネオから与えられる快感は、全く遠慮がない。
しかも、今度は腰を反って手を後ろについている体勢のせいで、見事に前立腺を狙い撃ちにされている。逃れたくても、自重とネオの力強い腕で抑えられており、逃げられない。
「あああぁん!!あんっいやっもっと優しくっしてっ」
「すまない。今日は自分を抑えられそうにない」
『そんなのいつもじゃないか!』と心の中で抗議しても、口から漏れるのは喘ぎ声だけ。
やっと与えられた充分すぎるほどの快楽に、陽向はただ身を任せた。
「あんっ! うぅん! あっあっあっあぁん!」
陽向の喘ぎ声にかぶせて、銀の装飾がまるでクリスマスの鈴の音の様に一定間隔でしゃらしゃらと伴奏を奏でる。
ふと陽向が、余りの刺激の強さに閉じてしまっていた目を開けると、そこには今にも自分を食らおうとしている猛獣の姿があった。
まるで獲物の息の根を今から止めるぞと言わんばかりの強いオレンジの瞳で凝視しながら、無防備に晒されている陽向の首筋を舐め上げている。
『あぁ、まるで食事前の吸血鬼だ。その獲物になってしまった自分はきっと食い殺される』
そのネオの突き刺すような視線から逃れようと部屋の奥の方に顔を背けたところに、白い裸体が揺らめいていて、陽向は危うく声を上げるところだった。
そこにいたのは、銀の踊り子の衣装を纏い、大きな男に抱え込まれながら首筋を晒し、反り返りながら喘いでいる男。胸にはオレンジの宝石が輝き、四方八方に反射光をまき散らしている。
よく見るとそれは、鏡に映った自分の姿で、陽向は思わず叫んでしまった。
「ネオっあれ! 鏡!」
薄布を大きく押し上げている自身のものさえもがくっきりと映し出されていることに気が付き、陽向はその恥ずかしさに慌てて顔をネオに戻した。
「あぁ。屋敷から運び入れておいた」
部屋中に飾られた花に気を取られていて、先ほどは全く気が付かなかった。
ネオが時々そちらの方を見ているなと思っていたが、まさか鏡の中に映る陽向を見ていたなんて。
この時代の鏡はガラス製で重い上に非常に高価だ。記念日プレイの為だけに、こんな気軽に持ち運びができるのは、世界広しと言えど、数人なのではないだろうか。
冬に希少な花を用意したことと言い、そんなところでスパダリぶりを発揮しなくても良いのだが。
「あれ、恥ずかしいからちょっと布を掛けてよ」
「それはもったいないだろう? ヒナタの痴態をもっといろんな角度から見たくて置いたんだから」
明確に痴態と言われると恥ずかしい。
「ほら。殿下ごっこはもういいのかい?」
ネオが歳下とは思えない蠱惑的な目で陽向を誘惑する。
「殿下……でも鏡は恥ずかしいです」
「ははは。案ずるな。鏡は珍しいか? もっと近くでよく見せてやろう」
もし本当に異国の踊り子ならば、あんなに大きな鏡を見るのは初めてかもしれない。だが、あいにく陽向は現代人である。
別に鏡なんて…と言おうとして、なんとネオが陽向を乗せたまま寝台から地面に足を下ろそうとしていることに気が付いた。
そうなると、次に待っているのは——。
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