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第1話 魔王、目覚める。
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「目を覚ましてください……魔王様」
誰かに呼ばれている気がして、俺は目覚めた。
視界に映っているのは木製の天井と壁、そして天窓。どこかの建物の中のようだが見覚えがない場所だ。
鳥のさえずりが聞こえ、天窓からは青空が見える。
ここは魔王城ではないようだが、非常に心地よい場所だ。
どうやら俺は仰向けで寝ているみたいで背中にはベッドの柔らかい感触がある。
とりあえずここがどこか調べるために上半身を起こす。足を床につけて立ち上がると、違和感を覚える。
なんだろう? なにかがおかしい……
「縮んでないか? 俺」
いつもより視界が低い。それに手足も小さくなっている気がする。
ふと部屋の片隅を見ると、ちょうどよく立ち鏡があったので俺はひょこひょこと歩いて縦長の鏡の前に立つ。
「なんじゃこれぇぇぇぇぇぇ!」
俺は絶叫してしまった。
声質も違う。俺の声はもっと太い声のはずなのだが、今の発せられた声は幼さを感じた。
鏡に映っているのは人間の子供
ということは……こいつは、
「俺なのか?……嘘だろ?」
茶色の髪は七三に分けられていて、スライムみたいに柔らかい頬。
小動物のようなくりくりした丸い瞳。目をキリっとさせようと眉間にしわを寄せて睨みつけるが、すぐにキュートな目に変わってしまう。
「魔王として全世界の生物から怖がられていた俺が……なんと無様な姿だ」
これは悪夢か? いや、認めたくないがこれは現実だ。
なぜこうなった? どうして?
俺が人間になった原因を考えていると、激しい音と共に勢いよく扉が開く。
「大丈夫か!? 何があった?」
俺の大声に心配したのか、声を荒げながら誰かが部屋に駆け込んできた。
部屋の入り口に立っていたのは年若い男性。
俺と同じ茶髪、鍛え抜かれた肉体美。着ている黒シャツがパツパツになっている。
そして左目にはバツ印の傷がついている。
「……貴様は……勇者!?」
この傷を見て、すぐに勇者アランだと分かった。
俺が知っている勇者はもう少し若かったが、左目の奇妙な傷があるのは勇者しかいない。
「なぜ? 貴様がここに?」
俺は焦りで冷や汗を流していた。
なんせ俺は魔王に真っ二つに斬られて死んだんだからな。
「おい、ユウ!」
苦い記憶を思い出してしまったせいで、勇者に先手を取られてしまった。
俺に近づいて両肩を掴まれてしまった。
……やばいっ。やられる。
俺はぎゅっと強く目を閉じていると、勇者は俺に話しかけた。
「おい、大丈夫か? 怪我はないか? ユウ!」
天敵の魔王に対して、やつは優しい言葉をかけた。腰を落とし、目線を合わせているので忌々しい勇者の顔がよく見える。
心配そうに俺のほうを見ていた。
なぜだ? なぜ俺を攻撃しない。
……まぁいい、これは復讐のチャンスだ。
俺は勇者の手を振りほどき、距離を取る。
ちょうどいい所に武器(ほうき)があったので、手に取って前方の勇者に構える。
「くくくくくっ……よくも俺の身体を斬ってくれたな勇者よ。今度は貴様がやられる番だ」
地面を蹴って、力一杯ほうきを振りかぶる。
お返しに勇者の身体を真っ二つにしようと攻める俺だったが、それより先にあいつの攻撃のほうが早かった。
「うおおおおおっ! さすが俺の息子だ。いい太刀筋じゃねぇか!!」
勇者は俺の身体に抱きついて動かないように拘束。
そして耳元で奇声を上げている。
しかも号泣してるし!? なんでこいつ泣いているんだ?
気持ち悪っ!
「おい、離せっ! この! おいっ! 俺から離れろっ!」
抵抗しようとじたばたと暴れるが、勇者は俺から離れない。それどころか顔を密着させて頬擦りをしてくる。
「剣術を学びたいなら、父ちゃんがみっちり教えてやるぞ」
「やめろ! それに貴様は父ではない!」
「何言ってるんだ? お前は俺の子じゃないか! 愛しい息子よ」
「………は?」
ふと、俺の視線は立ち鏡のほうに向いていた。
茶髪のガキと勇者は似てるような気がする。
……嘘だろ? 何かの冗談だろ。
〇○○
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誰かに呼ばれている気がして、俺は目覚めた。
視界に映っているのは木製の天井と壁、そして天窓。どこかの建物の中のようだが見覚えがない場所だ。
鳥のさえずりが聞こえ、天窓からは青空が見える。
ここは魔王城ではないようだが、非常に心地よい場所だ。
どうやら俺は仰向けで寝ているみたいで背中にはベッドの柔らかい感触がある。
とりあえずここがどこか調べるために上半身を起こす。足を床につけて立ち上がると、違和感を覚える。
なんだろう? なにかがおかしい……
「縮んでないか? 俺」
いつもより視界が低い。それに手足も小さくなっている気がする。
ふと部屋の片隅を見ると、ちょうどよく立ち鏡があったので俺はひょこひょこと歩いて縦長の鏡の前に立つ。
「なんじゃこれぇぇぇぇぇぇ!」
俺は絶叫してしまった。
声質も違う。俺の声はもっと太い声のはずなのだが、今の発せられた声は幼さを感じた。
鏡に映っているのは人間の子供
ということは……こいつは、
「俺なのか?……嘘だろ?」
茶色の髪は七三に分けられていて、スライムみたいに柔らかい頬。
小動物のようなくりくりした丸い瞳。目をキリっとさせようと眉間にしわを寄せて睨みつけるが、すぐにキュートな目に変わってしまう。
「魔王として全世界の生物から怖がられていた俺が……なんと無様な姿だ」
これは悪夢か? いや、認めたくないがこれは現実だ。
なぜこうなった? どうして?
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「大丈夫か!? 何があった?」
俺の大声に心配したのか、声を荒げながら誰かが部屋に駆け込んできた。
部屋の入り口に立っていたのは年若い男性。
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そして左目にはバツ印の傷がついている。
「……貴様は……勇者!?」
この傷を見て、すぐに勇者アランだと分かった。
俺が知っている勇者はもう少し若かったが、左目の奇妙な傷があるのは勇者しかいない。
「なぜ? 貴様がここに?」
俺は焦りで冷や汗を流していた。
なんせ俺は魔王に真っ二つに斬られて死んだんだからな。
「おい、ユウ!」
苦い記憶を思い出してしまったせいで、勇者に先手を取られてしまった。
俺に近づいて両肩を掴まれてしまった。
……やばいっ。やられる。
俺はぎゅっと強く目を閉じていると、勇者は俺に話しかけた。
「おい、大丈夫か? 怪我はないか? ユウ!」
天敵の魔王に対して、やつは優しい言葉をかけた。腰を落とし、目線を合わせているので忌々しい勇者の顔がよく見える。
心配そうに俺のほうを見ていた。
なぜだ? なぜ俺を攻撃しない。
……まぁいい、これは復讐のチャンスだ。
俺は勇者の手を振りほどき、距離を取る。
ちょうどいい所に武器(ほうき)があったので、手に取って前方の勇者に構える。
「くくくくくっ……よくも俺の身体を斬ってくれたな勇者よ。今度は貴様がやられる番だ」
地面を蹴って、力一杯ほうきを振りかぶる。
お返しに勇者の身体を真っ二つにしようと攻める俺だったが、それより先にあいつの攻撃のほうが早かった。
「うおおおおおっ! さすが俺の息子だ。いい太刀筋じゃねぇか!!」
勇者は俺の身体に抱きついて動かないように拘束。
そして耳元で奇声を上げている。
しかも号泣してるし!? なんでこいつ泣いているんだ?
気持ち悪っ!
「おい、離せっ! この! おいっ! 俺から離れろっ!」
抵抗しようとじたばたと暴れるが、勇者は俺から離れない。それどころか顔を密着させて頬擦りをしてくる。
「剣術を学びたいなら、父ちゃんがみっちり教えてやるぞ」
「やめろ! それに貴様は父ではない!」
「何言ってるんだ? お前は俺の子じゃないか! 愛しい息子よ」
「………は?」
ふと、俺の視線は立ち鏡のほうに向いていた。
茶髪のガキと勇者は似てるような気がする。
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