青く澄み渡っている雲一つない空の下に住んでいるボクたちの何もないような日々

阪上克利

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ほろも酔えない

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 お酒が好きなのでほぼ毎日呑んでいる。
 特に何もない日は呑まなくてもいいのだけど、少し歩いて汗をかいた日などは特に呑みたい気持ちになる。
 お酒を呑みたいと感じる日とそんなに呑まなくてもいいかなと感じる日があるのだ。
 不思議なものである。
 
 さらに、呑まなかった日の翌日はなぜかお酒が美味しい。
 だから美味しいお酒を呑むために呑まないようにすることがある。

 呑むために呑まないようにする……。

 何か矛盾するなあ……
 そんなことを思いながらも身体のためでもあるので呑まない日を作っている。

 どんなお酒が好きかという話しは前にもしたような気がする。
 でも基本的には冷たいビールが好きだったりする。
 焼酎やウイスキーにしておけばいいのに、高いビールに手を出してしまう。
 なんか罪が深いなあ……そんなことを思いながらスーパーのお酒コーナーをうろうろしながら自虐的にニヤついてしまうことが多い。

 以前は酎ハイもよく呑んでいた。
 持病の痛風のことを考えると、プリン体という物質が含まれていない蒸留酒を呑む方がいいだろうと思い、酎ハイにしたのだけど、よく考えてみたら持病のことを考えるのなら呑まない方がいいのだ。
 それにもう少し痩せた方がいいのだ。
 まあ、そういうことはよく分かっているつもりだ。
 ただ分かっているのと、実行に移せるのとは大分意味合いが違う。
 分かっていても呑まないことや痩せることはできないので、こちらとしては落としどころを探っているのだ。

 ビールより焼酎……。
 焼き鳥よりキャベツ……。

 それらは美味しいから代替えしてしまってもそこそこ楽しめるのだけど、原点でもある『持病のためには食うな、呑むな』という考えが頭をもたげてしまうと『じゃあ、別に何食べたって呑んだって一緒じゃん』と開き直ってしまうのである。
 こういうところがボクのダメなところであり、こういう病気になる人は大抵、開き直ってしまうので一向に良くならないのである。

 そうは言うものの……
 やはり身体のことを考えて焼酎にすることもある。
 それで一時期、酎ハイのたぐいを呑んでいたのだ。

 この酎ハイなのだけど……
 結論から言えばそんなに美味しくもない。
 まあ、不味くもないのでたまには呑んでもいいかなという程度のものである。
 いろんな味があるので好みの味を探してもいいかもしれないとは思うが、自分としては焼酎は焼酎の香りを楽しみたいのでそんなに好んで呑むものではない。
 その中に『ほろ酔い』という種類のものがある。

 たぶん、このお酒はあまり飲めない人が、この甘いお酒を少しだけ呑むと気分よく酔えますよ、というものに違いないとボクは思っている。
 だから商品名も『ほろ酔い』なのだ。

 ただ……。
 これね。
 ボクが呑んだら……

 ほろも酔えないのだ。
 てゆうか……ジュースである。

 酔える酔えないを抜きにして言えば美味しいのだけど……
 とにかくまったく酔えない。

 まあ、いろんな酎ハイがあってそれなりに呑めるものもあるのだけど……
 結局は普通に焼酎を呑んだ方がいいなあと思うことが多い。

 いや……違う。

 持病の為なら呑まない方がいいのである……。
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