知らないほうが、幸せ?~記憶喪失になったノンケの俺と、俺の恋人だという男~

イセヤ レキ

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9. 慣れた手つき **

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「ほら、気持ち良いですね。自分でも腰を振って、可愛い」
「ん¨ッ♡ ああんッッ♡♡」

奥まで突かれると、おしっこをしたいような、それを無理矢理我慢しているような感覚が広がる。
そしてそれが、とてつもなく気持ち良い。

「そろそろお尻が欲しくなってきたんじゃないですか?」
「う、はぁ、ん♡ イドさん……ッ♡♡」

イドさんはオモチャを埋めたままの俺のペニスから手を離し、再び俺をうつ伏せにさせた。
目の前に晒された俺のアナルに、イドさんは躊躇なくローションを纏わせた指を突っ込む。

「ほら、柔らかくて解れているの、わかります? ハユルのお気に入りのバイブ、今咥えさせてあげますね」

後ろの穴を散々ほじられたあと、ぬぽん♡ と急に指を引き抜かれて、俺は悶える。
 
これは……やばい。
俺の身体は、本当に、イドさんに躾けられているようだ。
プジーを埋められたままのペニスでは発射することが出来ず、力を失わないまま力強く揺れた。

「ほら、君のえっちな穴に、吸い込まれていきますよ」

イドさんの声と共に、じゅぶじゅぶじゅぶ♡ と冷たい無機質なオモチャが俺のアナルに侵入してくる。

「お¨♡ あはぁ♡♡」

ぎゅんぎゅんとちんぽを揺らして、後ろの穴でバイブを受け入れる俺。
プジーとバイブで両側から押される場所が快感を拾い、気持ち良すぎて勝手に腰が揺れた。

「腰ヘコは覚えているんですね、ハユル」
「ひぐぅ♡♡」

俺の感じる姿を確認したイドさんは、容赦なくバイブを出し入れする。

じゅぼじゅぼじゅぼッ♡♡

「奥……おぐッ♡ 気持ちいいの、くるぅ¨♡♡」
「ええ、そうですよ。射精しなくてもきちんとイける、素敵なケツマンに躾けましたからね」

イドさんの言葉に、俺は身体をビクンビクンと痙攣させて応えた。

この快感を、知っている。
これからもたらされる快感を、知っている。

「いぐッ♡ いぐいぐいぐぅ……ッッ♡♡」 

期待していた気持ちの良い波に乗って、俺は背を反らす。
プジーは抜かれることなく、アナルがきゅう♡ とすぼまって、バイブを締め付けた。

「上手にメスイキ出来ましたね」
「う……ぁ……」

アナルの入り口が、バイブを突っ込まれたまま忙しなくヒクヒクと動く。

この感覚も、知っている。
俺自身は知らないはずなのに、身体がこの感覚を悦んで受け入れ、そしてもっとと欲しがっているのがわかった。

俺の目の前に、ボロン、とイドさんのペニスが現れた。
血管の浮き出た、凶悪なおちんぽ。
ごくり、と喉を鳴らす。

「入れてみます?」
イドさんの言葉に、俺は固まった。

「……いえ、やめておきます」

ここまで受け入れたのに、何かがおかしい気がした。

イドさんのペニスを見た時に生じた感情は、興味や期待よりも、恐怖に近いものだ。

身体はこのオモチャの感覚を覚えているのに、イドさんとのセックスでは怖気づく。
イドさんのとのキスは確かに気持ち良かったけれども、ただ戸惑うばかりで、しっくりこない。

残念そうなイドさんの顔から目を背けて、俺は尋ねる。

「イドさん……俺たち本当に、恋人同士だったんですよね?」
「ええ、そうです。なぜですか? どこか痛かったですか?」

俺は首を横に振る。
痛くはなかった。
イドさんの手つきは明らかに慣れている人のそれだったし、俺のお尻がまるで快感を拾う性器のように変化したのもわかった。

「では、何か思い出しましたか?」
「いえ、その……」

それに、仲間から聞いた話も気になる。
この家にいたくないってことは、イドさんから離れようとしていたということじゃないだろうか。
喧嘩でもしたのか?

しかしイドさんは終始落ち着いていて、出て行きたくなるような激しい喧嘩を俺とするようには、とても思えない。
まだ猫を被っているだけなのだろうか?

もう少しだけ、様子を見たほうがいい気がした。
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