前世の敵は今世の伴侶

イセヤ レキ

文字の大きさ
10 / 11

10 前世の敵は今世の伴侶【終】

しおりを挟む
世界的にも貴重なソードマスターが、二人。
ストラヘイムの国王は、騎士たちが一切の抵抗をしなかった理由を理解した。

「やはり……いつか、お前が裏切る日が来ると、思っていた」

ストラヘイム王は玉座に座ったまま、ぎりり、とその表情を歪ませる。

「兄上……」

カルロはその姿に胸を痛めたのか、ほんの少し残念そうな顔をした。
しかしノルディアスは、そんな国王を嘲笑うかのように肩を竦める。

「いいや、それは結果論だな。お前がカルロの主人たる価値があったなら、こうはならなかったさ」
「なんだと?」
「カルロを信じなかったこと、アルテネに贈り付けたことが、お前のミスだ」

そうきっぱりと言われ、ストラヘイム王は腹を立てた。

そんなわけがない。
カルロをアルテネに贈るだけで、厄介払いできるはずだったのだ。
アルテネの国王が男嫌いだとわかっていたから、カルロを贈り付けたのだから。

同族婚を認めていない宗派を国教とするこのストラヘイムに、カルロが戻って来れるわけもなく。
休戦できる上、アルテネの国王に嬲り殺されてくれれば、万々歳で。

「わ……私を殺しても、同性婚なんぞをしたお前を、国民が受け入れるわけがない! お前はストラヘイムの王たりえん!」

兄王の怒号に、二人は顔を見合わせた。

「お前の兄は馬鹿だな」
「ええ、申し訳ありません。しかし、第一王女殿下は間違いなく、良い女王になりますから」

にこり、と微笑みながら姪を褒めるカルロに、ノルディアスはむすっとした態度をとった。

「ああ、確かに賢い娘だったが……あの娘は、に似ていてなんとなく気に食わん」
「き、騎士たちは何をしている! おい、騎士団長!!」

国王は叫んだが、それに応じる者はいなかった。
全員が、アルテネという国の後ろ盾を持った、賢い第一王女側につくことを決めたのだ。

第一王女は「不幸な死を遂げた父王」に代わり、これからストラヘイムの女王となる。


「拗ねないでください。今の私の主人は、ノルディアスですよ」

カルロからちゅ、と頬にキスをされて、ノルディアスは見る間に機嫌を直す。


「愛してる、俺の半身」
「ええ、私も愛しています」


前世で敵だったふたりはお互いの腰に手をやり、今世で結ばれた奇跡を分かち合ったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

淫愛家族

箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。 事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。 二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。 だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

同性愛者であると言った兄の為(?)の家族会議

海林檎
BL
兄が同性愛者だと家族の前でカミングアウトした。 家族会議の内容がおかしい

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

春を拒む【完結】

璃々丸
BL
 日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。 「ケイト君を解放してあげてください!」  大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。  ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。  環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』  そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。  オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。 不定期更新になります。   

処理中です...