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2 変異種なのかもしれない
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「う~ん、やっぱりこの本にルキのことは書いてないみたいだなぁ……」
僕は街で購入した魔族辞典を開きながら、僕を後ろから抱きしめたままうなじをペロペロと舐めるルキの頭をよしよしと撫でた。
何故か最近、ルキは僕を抱っこしたがる。
椅子が壊れる様子もないのでルキの好きにさせていたけれども、余りにも頻繁に僕のうなじを舐めるようになってきたので、そろそろ止めさせなければとは思っている。
「ルキは変異種なのかな? 似たような特徴を持つ魔族もいるみたいだけど、人型じゃないんだよなぁ……」
ある犬型の魔族は番を見つけると、種付のために成長ホルモンが一気に分泌されて幼体から成体へと変化する。
また毒素を体内で分解し、それを精液に混ぜ込み媚薬とする特殊な植物型の魔族は、雌雄関係なく相手を孕ませることができる。
そしてオーク型の魔族は常識改変という術式を展開する個体もいるので、その紅い瞳を長く見てはいけない。
ルキの特性と似通っていて参考になりそうなこともいくつか書いてあったけれども、どれも人型ではなかった。
オークが極めて人型に近いけれども、ルキのように人間と間違えるほどの姿ではない。
ルキが正しく成長してくれているのならばいいのだが、魔族の育児本なんて何処にも置いてないから困ってしまう。
こんな田舎では情報収集するのも一苦労で、成長の過程でルキに何かあったらどうしよう、と最近ではそれが専らの悩みだ。
テーブルに頬杖をついて困った僕のうなじを舐めていたルキは、同じ場所をかぷかぷと甘噛みしだす。
「ルキ、噛まないで~」
先日野良猫の交尾を見てからというもの、ルキは僕の首にじゃれつくようになった。
きっと、メスの首にオスが噛みついているのを見て、自分もやってみたくなったのだろう。
魔族にも発情期というものがあるのか、僕のお尻の辺りには、しっかりと成長したルキの性器がちょうど当たっている。
三年前まで幼子だったのに、二メートルになった今ではもう立派な成人済みの魔族なのだろう。
もしかすると、生きた年齢で言えばルキは出会った頃から弟ではなく兄だったのかもしれない。
魔族はどうやって性欲を発散するのだろうと思いながら分厚い本をパタンと閉じると、僕はルキの膝の上でくるりと向きを変えてルキを見た。
「僕はオス、ルキもオスなんだから、交尾は出来ないよ?」
僕の言葉を理解出来ないルキは、首を傾げる。
そして視線が交わったままルキの顔が近付いて、僕にキスをした。
魔族のキスにはどんな意味が込められているのだろうか。
ルキの頬を押さえて距離を取ろうとしたが、逆に頭を押さえつけられて上手くいかない。
「ルキ、ちょっと……んんっ」
ルキの長い舌が入り込んで口内を這いずり回り、僕は目を白黒させる。
意味が分からないまま、しかし誤って噛んでしまわないよう、僕は口を開けていた。
僕にとって長い時間が経過したあと、やがて満足したのかルキの舌が去って行く。
「もう、人間はそんなことしないんだよ」
僕が注意しても、ルキは首を傾げるばかり。
「あ、こら」
ルキは僕の頬を舐め、鎖骨を舐めた。
いつか僕は、弟のように可愛がっているルキに食べられてしまうのではないかと、ちょびっと不安になった。
僕は街で購入した魔族辞典を開きながら、僕を後ろから抱きしめたままうなじをペロペロと舐めるルキの頭をよしよしと撫でた。
何故か最近、ルキは僕を抱っこしたがる。
椅子が壊れる様子もないのでルキの好きにさせていたけれども、余りにも頻繁に僕のうなじを舐めるようになってきたので、そろそろ止めさせなければとは思っている。
「ルキは変異種なのかな? 似たような特徴を持つ魔族もいるみたいだけど、人型じゃないんだよなぁ……」
ある犬型の魔族は番を見つけると、種付のために成長ホルモンが一気に分泌されて幼体から成体へと変化する。
また毒素を体内で分解し、それを精液に混ぜ込み媚薬とする特殊な植物型の魔族は、雌雄関係なく相手を孕ませることができる。
そしてオーク型の魔族は常識改変という術式を展開する個体もいるので、その紅い瞳を長く見てはいけない。
ルキの特性と似通っていて参考になりそうなこともいくつか書いてあったけれども、どれも人型ではなかった。
オークが極めて人型に近いけれども、ルキのように人間と間違えるほどの姿ではない。
ルキが正しく成長してくれているのならばいいのだが、魔族の育児本なんて何処にも置いてないから困ってしまう。
こんな田舎では情報収集するのも一苦労で、成長の過程でルキに何かあったらどうしよう、と最近ではそれが専らの悩みだ。
テーブルに頬杖をついて困った僕のうなじを舐めていたルキは、同じ場所をかぷかぷと甘噛みしだす。
「ルキ、噛まないで~」
先日野良猫の交尾を見てからというもの、ルキは僕の首にじゃれつくようになった。
きっと、メスの首にオスが噛みついているのを見て、自分もやってみたくなったのだろう。
魔族にも発情期というものがあるのか、僕のお尻の辺りには、しっかりと成長したルキの性器がちょうど当たっている。
三年前まで幼子だったのに、二メートルになった今ではもう立派な成人済みの魔族なのだろう。
もしかすると、生きた年齢で言えばルキは出会った頃から弟ではなく兄だったのかもしれない。
魔族はどうやって性欲を発散するのだろうと思いながら分厚い本をパタンと閉じると、僕はルキの膝の上でくるりと向きを変えてルキを見た。
「僕はオス、ルキもオスなんだから、交尾は出来ないよ?」
僕の言葉を理解出来ないルキは、首を傾げる。
そして視線が交わったままルキの顔が近付いて、僕にキスをした。
魔族のキスにはどんな意味が込められているのだろうか。
ルキの頬を押さえて距離を取ろうとしたが、逆に頭を押さえつけられて上手くいかない。
「ルキ、ちょっと……んんっ」
ルキの長い舌が入り込んで口内を這いずり回り、僕は目を白黒させる。
意味が分からないまま、しかし誤って噛んでしまわないよう、僕は口を開けていた。
僕にとって長い時間が経過したあと、やがて満足したのかルキの舌が去って行く。
「もう、人間はそんなことしないんだよ」
僕が注意しても、ルキは首を傾げるばかり。
「あ、こら」
ルキは僕の頬を舐め、鎖骨を舐めた。
いつか僕は、弟のように可愛がっているルキに食べられてしまうのではないかと、ちょびっと不安になった。
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