クズのイト

イセヤ レキ

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衝撃の行動と告白

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「……は、ぁ♡」
「ミツ、可愛い」
……あれ?俺、何で今素っ裸で凌平と絡み合ってるんだっけ??
ローテーブルの上に転がったいつくもの酒瓶をぼんやり視界に入れながら、必死に記憶を手繰り寄せる。


俺の誕生日前後一週間、凌平は本当に軽井沢の別荘に俺を招待してくれた。中学生の頃は凌平の両親に連れて来て貰っていたけど、俺達二人とも免許はあったし、レンタカーで交互に運転しながら気軽に野郎二人で着替えだけ鞄に突っ込んで出発した。

初日の今日は適当に観光して、大量に食糧を買い込んで別荘に到着。
慣れない運転に疲れて、温めた惣菜を摘まみながら、初めて焼酎以外の蒸留酒に手を出した。胃が空っぽな訳じゃないのに、喉も胃も焼ける様で驚く。
凌平がいなかったら直ぐに飲むのを止めただろうけど、ザルで酒にやたら強い凌平に負けるのが悔しくて、対抗心を止められなくて、チビリチビリとでもずっと飲んだくれた。

で、凌平はおもむろに俺に聞いたんだ。
「侑可とは結局ヤったの?」って。
で、俺は馬鹿正直にヤりたかったけど毎回断られていた事を愚痴った。四年だよ!?四年!!健全な高校男児にあるまじき辛抱強さだ。俺偉い。

「本当にミツは我慢強くて偉い。だけどそれじゃあ溜まってるな」
「そりゃそうだよ。溜まりに溜まってる」
酔っぱらい怖い。俺が欲しかった言葉をくれた親友に返す言葉も、もうちょい選びようがあった気がする。
「じゃあ、今日は俺が代わりにヌいてやろうか?」
「あぁ?なんだよ。りょーへーが俺の息子シコッてくれんの?」
可笑しくて笑ってしまう。

凌平は本当に昔から面倒見がいい奴だった。普段だったらそんな事言われたなら「キモ」って返していたと思う。
イギリス帰りの凌平はやたらスキンシップが激しくて驚いたけど、流石にそんな事は出来る訳がないとわかっていたのに、何故か凌平の言葉を聞き流せなかったのは……単純に、凌平をやり込めたいという想いが酒で増長したからだ。俺性格悪い。

侑可が凌平を好きで、四年かけても俺と一線を越えてくれなかったのは、俺の努力が足りなかっただけで凌平のせいではない。だから、凌平に当たるのは間違ってる。
頭ではわかっているのに、飲んだ事のないアルコール度数はあっさりと俺の理性を崩壊させた。

「良いよ、勿論。喜んで」
「じょーだんだよ、……悪かった」

俯いてため息を漏らす。格好悪いな、俺。何でこんなに女々しいんだろう。酒で纏まらない思考回路をもて余す中、俺の視界に大きな手のひらが入り込んだ。

「……りょーへー?」
「ミツ、大分身体が火照ってるな。少しは水を飲んだ方が良い」
「……ん?ありがとー?」
何故に凌平はこんなにオカン気質なのか。どうやら心配されたらしい俺は、凌平に抱き抱えられる様にしてその腕の中にすっぽり入り込んでいた。俺が凌平から渡された水を飲んでると、凌平の指が動いてパンツのファスナーを下げ、早業で俺のくったりしたぺニスを握ったものだから吹きそうになった。

「……ちょい、りょーへー。何してんのー」
ぺちぺちとその悪戯な手の甲を叩く。酒が入ると勃ちにくいって聞いてたけど、何の事はない、俺のイチモツは凌平に弄られてあっという間に元気になってしまった。これ以上触られては、マジで達してしまいそう。

「りょーへー、これヤバい」
「ヤバい?」
凌平は何故か、俺の耳たぶを舐めながら吐息を吹き込む。ぞくぞく、とした痺れが背筋を走る。

「イきそー」
「うん。俺の手の中に、沢山出して気持ち良くなって」
「マジだってば」
「俺こそ本気なんだけど?」
凌平は、俺のぺニスの先端にぷっくりと現れた先走りを指で伸ばしながら、カリを重点的に責めつつ最高の締め付け具合で手をスライドさせる。
ヤバい。自分でシコるより何倍も気持ちイイ。

「だ、ダメ、も、イきそうだって……っっ」
酒で火照った身体の中を、握られた肉棒に向けて何かが集中していく。
「……おっきく、なってきたな。ほら、イけって」
「ヤバい、イく、イくぅ……っっ!!」
マスターベーションを一週間程していなかった俺の精液は、どぷっ!と先端から勢い良く飛び出すと、そのまま止まる事なく弧を描いて一気に最後まで吐き出された。

「ミツ、沢山出せたな」
「……りょーへーの、バカ。汚しちゃったじゃんか」
まさか、マジで他人ヒトのイチモツをしごくなんて。オカンの領域を明らかに逸脱している。盛大にリビング汚して、誰が後始末すると思ってんだろ。
「ミツが気持ち良くなるなら、いいよ」
「……まさか、イギリスで……こういうの流行ってた、とか?」
俺が思わず問えば、凌平は苦笑する。
「いや、ミツの以外は触りたくも見たくもないし」
「……ふーん?」
俺のは良いのか?よく分からないが、さっきから俺の尻に当たっている凌平のやたらデカい剛直が気になって仕方ない。俺のなんかより、さっさと自分のヌけば良いのに。

「ほら、ティッシュ」
俺はもぞりと動いて、凌平にティッシュを渡す。俺だけヌくのは恥ずかしいから、凌平にもヌいて貰えばイーブンな筈。
「……なぁ、ミツ」
「んー?」
「もっと、気持ち良い事しない?」
「もっと?」
そんなんあるっけ?……デリヘル呼ぶとか?
「イイね」
思考回路がとことんショートしていた俺は、凌平にここまでやられても全く気付く事はなかった。まさか、二人で気持ち良い事するなんて。


「ぬ、抜けって……!!♡」
「ほら、俺の指二本、ミツのケツマンコにずっぽし入ってるぞ」
ずちゃ、ずちゃ、ずっちょ……
そんな音を響かせながら、俺は何故か凌平に尻を向けている。
「りょーへー……っっ♡!~~っ♡」

おかしい。何故俺は、凌平に尻の穴をほじくられる羽目になっているのだろう?元々の体格差にプラスして、酒のせいで最初っからまともな抵抗は出来ないまま、気付けば素っ裸にされていた。
自分のTシャツで後ろ手に拘束されて、ベッドの上にうつ伏せにさせられて、腰の上に乗っかられて。
臀部に、冷たくてぬるぬるしたものを塗り付けられて、いきなりそのぬるぬるを纏った指を肛門に突っ込まれて。
驚いて暴れれば、下半身だけ少し横向きにされて、むんずとぺニスをまた握られて。急所を人質にされて俺が動けなくなったのを良い事に、凌平はハァハァ言いながら俺の後孔をほじりながら、前をしごいて。
気持ち悪さと気持ち良さの狭間でどうして良いかわからない俺は、結局三回射精するまで尻を指で掘られ続けて。
ぐったりした俺の尻を持ち上げた凌平がしたのは、どろどろになった俺の股に自分のぺニスを挟んでスライドする事……つまり、俺の身体を使った素股だった。

「まだ突っ込んだら切れちゃうから、いれないよ」
という凌平の宣言に安堵しつつも、いい加減この状況がおかしいという事に気付き初めて。
「ミツ、ミツ……!!」
俺の身体を使って一心不乱に腰を振る凌平が、少し俺を冷静にさせた。

俺の太腿からベッドへ大量の白濁した液体を凌平が発射し、二人でそのままうつ伏せに折り重なりあっていたが、俺はその下から何とか横へズレて凌平の下から抜け出した。

「……なぁ、凌平。凌平ってまさか……」
ホモ?ゲイ?それとも、バイ??
何と聞けば凌平を傷付けずに済むか悩んで、次の言葉が出てこない。
「……いや、違う。別に男が好きな訳じゃない」
最後まで言葉を紡げなかったのに、凌平は俺の言いたい事を正しく理解してそう返した。……何だ、そっか。ホッとしたその時だ。
「俺はただ、ミツが好きなだけ」
頭を殴られた様な、衝撃だった。
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