貴方が与えるものならば

イセヤ レキ

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その日から、僕は立派な小姓となる為に毎日、真典様が準備して下さった張形を後孔に埋めた。

「最初はこれ位かな。辛かったら言うんだよ?」
「はい、ありがとうございます」

初めは細い棒切れのような太さから始まり、日を追う毎にその直径は太くなっていった。

始めは苦しくて違和感しかなかったのに、張形を見ると勝手にキュンキュンと肛門が疼くようになり、抜かれると物足りない気持ちになり、早く何かで埋めて欲しくなった。



「うん、もうそろそろ良い具合に拡張出来たかな」

真典様は、そう良いながらぐぽぐぽと大分太くなった張形を出し入れする。

「ひぅっ、ぁ、ぁんっ!!」
「桔梗、張形で気持ち良くなっては駄目だよ?」
「申し訳、ありませ、ん……っっ、ぁあっ!!」



お尻の穴から入れられた張形で真典様は毎日僕のお尻をほじくり、気持ち良く感じてしまう場所を探し当てた。

真典様の陰茎をしっかりと受け止める為に開発された自分の身体を嬉しく、そして誇らしく思う。



「桔梗の可愛いおちんちんも、期待しているみたいだね」
「はい……っ」



小姓となった僕は、自慰を禁止されていた。

だから、真典様に可愛がって頂ける夜の時間がずっと待ち遠しくて堪らず、はしたない僕の身体は常に焦らされ続けて先端からポタポタと先走りが垂れるようになっていた。



「真典様ぁ……っ」
「桔梗、欲しかったら言わないとね。上手におねだり出来るかな?」

真典様にそう言われ、僕はお尻をふるふる振りながら「埋めて下さいませ……」と、蚊の鳴くような声で懇願する。



「ああ、桔梗。やっと君と繋がることが出来るんだね……」
「真典様……」

真典様は、僕の後ろの穴に、自分の陰茎を押し当てた。

期待で喉がごくりと鳴る。



ぐぷぷ……



「ああ──っっ!!」
「桔梗……、君の中は、とても熱くて……柔らかく包み込んでくれて……最高だよ」

真典様が、これ以上進まないというところまで腰を押し付け、僕に囁く。



僕ははーっ、はーっ、と息を整えながら、更なる刺激を求めて腰を振った。

「真典様……っ、早く、もっと……!」

張形をずぼずぼ出し入れするように、真典様の陰茎も出し入れして欲しくて。

「へこへこ媚びている桔梗の尻穴、可愛い」

真典様はそう言って、僕が気絶するまで可愛がって下さった。



──それから、何年かの月日が経った。
真典様は間山家の跡を継ぎ、当主として立派に家を治めた。

また一方で、僕は真典様お気に入りの小姓として、誰からもちょっかいを掛けられない立場にまで昇り詰めていた。

真典様がいるだけで、僕に怖いものなんてなかった。


「桔梗、私の可愛い桔梗……」
「当主様!奥の方、沢山突いて下さいませ……っ!」
「はは、桔梗はここを突かれるのが本当に好きだなぁ。簡単に私の肉棒を咥え込む、淫乱な穴になったから不安で堪らない」
「僕の淫乱雄まんこは、当主様だけの、穴ですぅ……っ!!」


今日は、縁側で激しく睦み合う。

真典様に後ろから抱き抱えられながら、足を限界まで開いて座ったまま結合すると、深いところまで真典様の肉欲を感じられるから嬉しい。


一心不乱に腰を振っていると、コホン、と他の家臣の咳払いが聞こえた。

「……長坂家から、親書が届いております」
「わかった、後で目を通そう」


ずっちゅ、ずっちゅ、ずっちゅ、どちゅ!!

僕は抗議するように、最奥まで貫いて貰うとそのままぐりぐりと真典様の陰茎を締め付ける。

「桔梗、そんなにしては直ぐに達してしまうよ……っっ、わかったよ、今読むから」

どんなに肉欲に溺れていても、しっかりと統治される真典様が僕は好きだった。僕のせいで、真典様が悪く言われるなんて、我慢出来ないというのもある。

「ふむ。三日後か」

僕は、背筋にゾクゾクとした感覚を走らせた。

三日後に、来るのか。

真典様の、嫁となる女性が──。

真典様から見えないのをいいことに、僕はポロポロと涙を流した。
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