非常識少女の異世界生活

バケ猫

文字の大きさ
上 下
2 / 2

トリップの基本は、事故死

しおりを挟む
「利亜ー!!次は家庭科だよ!急いで、急いで。」

友達に急かされて、教室から家庭科室に連れて行かれる。
『そんなに急がなくても、家庭科の授業はまだ始まらない。』

「でも、でも!今日は調理実習だよ。」
……あー。そう言えば、先生がそんな事言っていたな。

=====
「では、今日作ったハンバーグをペアの人と交換して食べましょう。」

私のペア……誰だっけ?
「えっと、……よろしくね?利亜さん。」

『よろしく、お願いします。』
そうだ。確か、碧色葉九(アオイロハク)とか言う名前だったよな。

渡されたハンバーグを見ると美味しそうな見た目をしている。でも、おかしい?

「どうかした?利亜さん。」
『いえ、……とても美味しそうだと思って。』
ちがう。何かがおかしい、何かがちがう。見た目は普通。温度も普通。匂いも……

匂いがない?
まぁ、さして気にする必要もないだろう。大抵、碧色葉九…が調味料を入れ忘れたんだろう。

「利亜さんのハンバーグ、とっても美味しいね!」
私のハンバーグはもう、無くなっていた。
『いただきます。』
一口食べてみると、不思議な味がした。何入れたんだこれ?

こんな調味料、あったっけ?
「どう?美味しいですか?」
『……多分、おいしいか…と。』
そう答えた時に視界が90度回転した。あれ?私どうなった?
視界がだんだん霞んでいく。どうして?
「ちょっと!利亜、大丈夫!?へ、返事して!?」
だれ?
「きゅ、救急車!」
そんな声を聞きながら、私の意識はしずんだ。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...